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たけし8535

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2005/06/24
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 海に行った。フェリーで北海道に帰ってきた僕にとっては久しぶりでもなんでもない海だ。先週も朝の3時半に海に行ったし、僕はたとえ真冬であっても、地元に帰るたびに海は見ている。でもやはり夏の、それも昼間の海はいい。

 とはいえ、海は同時に物悲しさのようなものも僕に想起させる。どこにでも繋がっていて、おそらくは僕が行きたいと思う場所にまでもその海は続いている。でももちろん、僕がいくら水泳が得意で、昔から体育の水泳の時間のヒーローだったとしても、その場所まで泳いでいくことなど出来はしない。繋がってはいるけれど、そのつなぎ目である海そのものが障壁となって我々の前に立ちふさがるのだ。一種のパラドックスだ。
 僕らがバーベキューをしている横では、僕と同い年くらいのカップルがキャッチボールをしていた。うらやましい。そしてうらめしい。僕がキャッチボールをしたいと思う相手は勿論ここにはおらず、そしてキャッチボールをする機会などもはや巡ってはこない。ましてや僕はボールを持ってきてすらいないのだ。足元に視線を落とすそこにはキャベツがあった。キャベツ?網を使って焼き肉をするのにキャベツ??僕はそのキャベツを手にした瞬間に言葉を発していた。「誰かキャッチボールをしよう!」それは僕が自発的に発した言葉ではなく、その悲しきキャベツが僕に言わせた言葉だった。
 ぎっしりと実の詰まったキャベツは重く、しかも硬い。キャッチするたびに破片が飛び散る。不思議な光景だ。なぜ僕は夏の海でキャベツを投げているのだろうか?もちろんそこには哲学的な意味も人生の教訓もない。だってそんなもんあるわけないでしょうが。キャッチするたびにキャベツは小さくなり、最後には芯だけになった。僕はそれを思いっきり海に向かって投げた。あの悲しきキャベツはどこか遠い場所に流れ着くのだろうか。いや、きっと数時間後にはこの浜に打ち上げられるんだろうなぁ。
 家に帰ると夕食に豚のしょうが焼きがでた。添え物はもちろんキャベツの千切りだ。やはりキャベツは投げるものではなく、食べるものだ。まぁそれでもそこに哲学的な意味も人生の教訓も含まれてはいないけれど。





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Last updated  2005/06/25 08:57:08 PM
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開放感@ 最近の大学生は凄いんですね。。 竿も玉もア○ルも全部隅々まで見られてガ…
通な俺@ 愛 液ごちそうたまでしたw http://hiru.kamerock.net/b8lc49u/ フ○…
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