自由人の舘

自由人の舘

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

たけし8535

たけし8535

Freepage List

2005/06/27
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 今までに何度、この街に足を踏み入れただろうか。高校時代から飲みに行くとき、カラオケに行くとき、ボーリングをするとき。数え切れないほどだ。カウントしてみたが30を超えたところで諦めてやめた。やれやれ、最近僕は無駄なことばかりしている。
 昼過ぎのススキノは、その本来の姿を隠しながらもそれを十分に楽しんでいるようにも見えた。まるで人間みたいだな、と僕は思った。というより、それはとてつもなく大きな生物なのかもしれない。その大きな口の中にどれだけ多くの人間とその欲望が飲み込まれて消化された末にこの時間を迎えているのだろう。考えただけで頭が痛くなりそうだ。無性にタバコが吸いたくなった。そう、タバコだ。本来の目的を思い出した僕はゆっくりと、それでいて注意深く歩を進めた。
 昔は気がつかなかったが、やはりこの街はすごい。高層ビルが立ち並ぶ姿は別に珍しい光景でもなんでもないが、驚くべきはその中に入っているテナントだ。性風俗。もちろんそればかりではないが、やたらにそれが目立つ。少し注意してみてみると、どうやらビルごとにジャンルが大体決まっていて、住み分けが行われているらしい。ニュークラブ(他の地域でいうところのキャバクラ)、キャバクラ(他の地域でのセクキャバ)、ピンクサロン、ファッションヘルス、そしてソープランド。大きく分けてその5つのジャンルが巧みに住み分けを行い、共存、競合している。ふむ、実にシステマティックだ。一体どれだけの人間たちがこの街に飲み込まれ、スポイルされているのだろうか。かなりあやふやで適当ではあるが、僕はそれを概算してみたくなった。
 一つのビルに大体8つのテナントが入っているとする。そしてジャンルにより、店舗の大小により差こそあれ、平均して15人の女がそこに所属しているとする。120人。その規模のビルが10棟あれば1200人。すこし中通りに入れば、ビルではなく独立店舗でこじんまりと営業している店も山ほどある。一体、どれだけの女たちがこの街に暮らしているのだろう。考えるとまたタバコが吸いたくなってきた。
 たとえば、今僕の目の前にあるこのビル。このビルの中ではあと数時間のときがたてば、100人近い男が同時刻に下半身をあらわにし、欲望を吐き出しているのだ。この街全体で考えれば、おぞましいほどの人数が同時刻にパンツを脱いでいるのだ。これって本当にすごい。街全体が開拓前の西部みたいだ。原住民たちが原始的な姿で原始的なことを行っている。非常に近代的に、システマティックに。やれやれだ。
 僕は考え終わったところで、やっと決心して残り少ないタバコに火をつけた。舌先に妙な味がまったりと残った。本数を減らすべきだな、と思った。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2005/06/27 07:45:08 PM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Favorite Blog

水曜どうでしょう等… 百年遅れの屯田兵さん

Comments

乗らない騎手@ ちょっとは木馬隠せw あのー、三 角 木 馬が家にあるってどん…
ボーボー侍@ 脇コキって言うねんな(爆笑) 前に言うてた奥さんな、オレのズボン脱が…
開放感@ 最近の大学生は凄いんですね。。 竿も玉もア○ルも全部隅々まで見られてガ…
通な俺@ 愛 液ごちそうたまでしたw http://hiru.kamerock.net/b8lc49u/ フ○…
ヒゲメタボ@ クマたんと呼ばれてます(^^; 最近はこれが流行ってるって聞いたので …

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: