Legendary Days

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フェイク!第五節


「ホントスマンな。迷惑かけて。」
「別にいいよ。」
「このままじゃ俺再来週の大会出れねぇかもな。」
「まぁ大会よりもその足を早く治すことだな。」
「そうだな」
迅はうなづいた。
「山本 迅さん。中へお入りください」
看護師に呼ばれた迅は席を立ち足を引きずりながら診察室へ入っていった。時計を見ると18:40分を指していた。迅を待っている間ゆうはいろんなことを考えていた。迅の足のこと。フェイクのこと。夢であった誰か分からない人のこと。再来週の大会の事。頭の中をいろんなことが回っていた。そう考えているうちに時間はもう19:00を指しかけていた。
「ガラガラガラ。」診察室の扉が開いた。
「ありがとうございました。」
迅のいつもの声とどこか違っていた。なんだか暗かった。
「どうだった?足。」
「うん。まぁ捻挫だってさ。」
「捻挫か~。折ってなくてよかったな。」
「でもよ・・・・」
なんだか空気が重くなった。迅はその雰囲気の中
「治るまで一ヶ月かかるって。」
「えっ!?一ヶ月?!」
ちょうど一ヵ月後には選手権大会がある。それの結果で総体のシード権が決まる。それと同時に総体出場メンバーもほぼ決まってしまうのだ。
「一ヶ月って長くないか!?」
「捻挫が思ったよりも酷くて医者が最低でも一ヶ月は安静にしろっつったからさ。」
「マジかよ。」
「俺・・・・・・・どうしよう。」
総体は来年にでも出られるが迅にとって最後のチャンスになるかも知れなかったのだ。
「とにかく・・・願うしかねえだろ。」
「くそっ!」
迅はとても悔しそうだった。
病院から戻るとき迅の親を呼んだ。親はとても驚いたように急いで駆けつけた。そして迅は車に乗り親は深々とゆうに頭を下げて帰っていった。なんだか迅の後姿が泣いているように見えた。ゆうも家に帰った。家に帰り風呂に入っていると、迅の姿が目に浮かんできた。迅はいったいどうしているのだろうか。ゆうは迅の事を心配していた。選手権大会。総体。いろいろな思いが頭の中を駆け巡る。
「あぁぁぁぁ~~~~~!」
ゆうは湯船に浸かりながら叫んだ。迅は本当に治るのだろうか。せめて総体前には治らないのだろうか。そう思いつつ風呂から上がった。そしてベッドに入ったときも
「迅。大丈夫かなぁ・・・・・・」
そう思ってばかりいた。そう思っていると意識が遠のいていく。ゆうは深い眠りへと落ちて行った。


「あっ!」
またあの人が立っていた。今度はもっと近い気がする。ゆうはダッシュした。今度は昼間とは違ってその人にどんどん近づいている。その人の姿がはっきりとし始めた。やっとのことでその人の背後につけた。
「ハァ・・ハァ・・・すみません!」
ゆうがそう呼びかけるとその人はこちらを向いた。


夢が覚めた。
「ハッ!ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
呼吸が乱れている。またあの人の顔が見れなかった。しかし格好は覚えている。確か・・・・バスケの格好・・・・いや・・・・思い出せない。ゆうは心残りだったが時計を見た。
「6:04か・・・・準備でもするか。」
そういって部屋から出て学校へ行く準備をした。

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