Legendary Days

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フェイク!第九節


「ありがとう!じゃぁまた明日なバイバイ」
「押忍!バイ!」
ゆうはそう言うと迅の家のドアを閉めた。迅の家はマンションで階段だった。迅が大変そうに見えたが迅は
「こんなのもう何千回と昇ってるから慣れてるし!」
と言っていた。エレベーターも在ったのだが迅はいつもエレベーターを使っていない。ゆうはゆっくりと階段を下りていった。
マンションを出たとき上から声がした。
「ゆう~~~!!!」
10階上から身を乗り出している迅がいた。
「何だ~!あぶねぇそ!」
「これやる!ちゃんと取れよ!」
迅はそう言うとおにぎりを投げてきた。ゆうは落とすことなくキャッチできた。
「ありがとよ~~!」
「気をつけて帰れよ!」
「おぅ!」
会話を交わすと迅の姿がベランダから消えた。ゆうの手には形はいびつだがラップに包まれたあたたかなおにぎりが握られていた。帰っている途中おにぎりのラップをはずしゆうはおにぎりを頬張った。意外と言ったら失礼だがおいしかった。ゆうはおにぎりを食べ終わるとラップをポケットに入れ急いで家に帰った。
家に着くとゆうはすぐに風呂に入った。風呂から上がると母親が
「ゆう。今日わ遅かったのね。」
「うん。迅のとこ行ってた。」
「あらそう?そういえば迅君足怪我したんだって?」
「うん。」
ゆうは家では口数が少ない。
「じゃぁ迅君の家にこれ持っていってくれない?」
母はそう言うと包装された何かを手渡してきた。
「宿題があるから無理。」
ゆうは無愛想に言った。
「おかあさんもまだ仕事が残ってるから持っていけないのよ。だからお願いね。」
「しょうがねぇ。行く。」
「じゃぁ行って来るね。」
ゆうの母親は弁護士をしていて毎日夜遅くまで仕事をしていた。最近は裁判が立て続けに入っているらしく顔を見たのは久しぶりだった。父親は小さいときに病気で死んでしまった。父親は学校の先生でバスケを教えていた。バスケをしるきっかけは父親だった。ゆうは母の大変さを十分に分かっていた。しかしそれを態度に表す事を恥ずかしく思い無愛想になっていた。ゆうには二つ下に弟もいるが今日は塾に行ったらしく家にはいなかった。
ゆうは夕飯を食べ終わると私服に着替え家を出た。さっき歩いて帰ってきた道をもう一度引き返していた。
「ハァ・・・・だりぃな。」
そう思いつつ迅の家に向かった。迅のマンションの入り口に着き階段を上がった。そしてインターホンを鳴らした。
「ハイ?どちら様でしょうか。」
「迅の友人のゆうたです。」
「あぁゆう君ね。ちょっと待っててね。」
出たのは迅の母親だったらしい。綺麗な声だった。暫くするとドアの鍵が開いた音がした。カチャ。すると迅が出てきた。
「どうした?自分の家が分からなくなったか?」
「ハァ!?なんだよ折角お見舞いの持ってきたのによ。」
「そうか!中身なんだ?!」
「しらねぇよ。包装されてて見れなかった。」
ゆうはそういうと迅に見せた。
「そっかぁ残念やな。」
ゆうは迅に袋ごと手渡した。
「わざわざありがとな。」
「いいよ。別に。」
そう言い挨拶を交わし迅の家を後にした。迅の家もゆうの家と同じような家系だった。迅と母親と弟が二人。父親は単身赴任らしいのだが一回も見た事が無い。階段を下り終ってマンションを出るとまた上から声がした。
「ゆう~~~!」
「なんだよ!何か用か?」
「中身さぁゼリーだったぜ!」
「へぇ~よかったな!」
「家の母さんがよ~メロン持って帰れだってさ!」
「ハァ!?なんでだよ?」
「いいから早く昇って来い!」
「ったく・・・・。」
そう言うとゆうはまた階段を昇っていった。

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