中年よ神話になれ~

中年よ神話になれ~

オーロラの空



オーロラという言葉を聞くと私は胸が締め付けられるような思いがする。

もう10年以上たってしまったが・・

当時私は20代の後半、バブルの最中だった。

彼女はまだ女子大生だった。

その彼女が「一度オーロラを見たい」と言い出した。

「それじゃあ冬のボーナスもらったら連れてってやるよ」

私は答えた。

バブル期にはボーナスは100万以上もらっていたので何とかなるだろうと私は思った。

ここまでは普通の恋人たちの会話だろう。

ただ1つ違うのは・・・

そう、彼女は「魔女」だったのです。(^^)

つまらん!と言われそうですな。

実は彼女は「マゾ」だったのです。

これもイマイチですか?

他の恋人たちと違う点は・・

彼女は病魔に侵されていたのです。

それもあまり詳しくはないが特に進行が早いタイプのようだ。

早ければ3ヶ月、よくもっても半年くらいと言われていた。

見た目は健康そうに見えるのだが・・もうすでにかなりの苦痛をともなっているようだ。

だが私といるときはそんなそぶりはまったく見せない。

そんな彼女が可愛くて仕方がなかった。

本人も自分の病名はうすうす知っているようだ。

冬まで何とか・・私は願っていた。

何があってもオーロラを一緒に見に行こう、そう決めていた。

ところが現実は残酷だった・・・

「もうこないでね。」

「何で?}

「これ以上やつれていく姿を見られたくないから。」

「そんなこと言うなよ」

「来てもあわないよ」

「・・・・」

そんな会話が最後になってしまった。

仕事などで忙しくて病院に行けなくて、一週間ぐらい後にいったら・・

すでに面会謝絶になっていた。

それから10日くらいあとに天国へと旅立って行った。

一緒にオーロラを見るという夢はかなわなかった・・

・・・それから年が明けてしばらくしたら何と彼女から手紙が届いた。

もう旅立ってから1ヶ月以上たっている。

どうやって出したのかは知らないが、多分友人にでも託しておいたのではないかと思う。

その手紙をの内容は・・・















ウソぴょん!

読んでいただいてありがとうございました。

そう、彼女は「魔女」、「マゾ」で止めておくつもりだったんですけどね。

つい長々と作り話を書いてしまいました。(^^)



© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: