たゆたひ

たゆたひ

この世に小説なんてものは存在しない


トリプルプレイ助悪郎
西尾維新著(講談社)


してやられた……。
私がこの本を読み終わって、一番最初に持った感想はソレでした。

なんというか、久々に西尾維新さんのマジメな推理小説を読んだ、というか。
いや、まぁ、確かに戯言シリーズの最初の方は、結構マジメに推理小説書いてあったんですけど、私はあれは、ってか、後半はモロに人外バトルの小説だと思ってるので。

まず、この『トリプルプレイ助悪郎』ですが、この著作の前には『ダブルダウン勘繰郎』と言う、いわばシリーズの1作目が存在します。
もっとも、シリーズといっても、共通しているのは、どちらも『JDC』が存在する、清涼院流水さんとのトリビュート作品だ、ということくらいで、登場人物などに一切のかぶりはありませんが。

で、正直、『ダブルダウン勘繰郎』については、そこまで深い感想を持ってはいませんでした。
読んだ感じ、なんかすごいなぁ、くらいの感想は抱いたのですが、それだけで、それきり読み返すこともなく……といった感じでしたが。

やー、今回はすごかった。
なんというかね、なんというか。
すっごい、『してやられた感』があるんですよねぇ。

推理小説はとくに興味もなく、コナン・ドイルも江戸川乱歩も読んでません。
シャーロックホームズも、金田一耕介も、話に聞くだけです。
そんな私なのですが、推理アドベンチャーゲームはすきなんですけど。

何がいいたいか、って。
要するに、推理しながら推理小説を読むのが好きではない私ですが。
あまりしないし、だから、得意でもない私ですが。

……50点くらいはとれたと思います。
ちなみに、50点は私の学校では評定3に位置します。

ただ、何が悔しいかって。
そのテストの答えが問題文に書いてあったからです。

すっごく優しい推理小説なんです。
すっごく易しいんではなく、優しい。
答えが全部書いてあるんです。推理の必要ないんです。

でも、答えを明かされないと、それが答えだって気づかない。
『答え、ここに書いてあったのに』なんていわれて、初めて気づいて、すっごい悔しい思いをする、テスト終了後の気分を味わいました。

なんか、もう、その度合いがいっそ、小気味よくって。
完全に完敗。日本語おかしいけど。
白旗ー。って感じ。
さすが、西尾維新!ってな感じでした。あ、これ、微妙にヒントだけどね。

読み終わったあとは、すっごく感動したんです。
マジでよかった。お勧めだから、ぜひぜひ読んでみてください。
一作目とか、飛ばして読んでもぜんぜん平気だから(こら


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