わたしのブログ

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続きです。


 見渡す限り地平線で敵のいる所は近いのは判るが、見当が付きにくい。「頭を低くしろ」と伝令が来た。前のほうで何かあったようで(便衣隊一名射殺、一名捕まえました」先兵より報告が来た。この時、私には不思議なことと思える中隊長から命令が来た。中隊長付きの当番上等兵が、片山、隊長命令をこの馬で一中隊全員に伝えて来い。「命令、一中隊小休止」私は直ちに「復唱」したが、驚いた。初めてのことでどうやるのか?何はともあれ行かねばならない。馬の~足を掛けた。長靴を履いていないから割りに楽に乗れた。馬が程よく走った。私は言われたとおり大きな声で「中隊長命令、一中隊小休止」と先頭の機関銃隊まで行き、馬を帰して帰ってきた。帰りは全隊員と顔が合った。
・・・・下士官か、万年一等兵か・・・・コラ、下りて言え、とか、あれは補充兵じゃないか、とかいろいろ聞こえてきたが、私は命令伝達したらもう野郎共には用は無い。
 何を言おうとも無視して帰った。当番兵が笑って「ご苦労であった。」と言い,馬を曳いて中隊長の方に帰った。
 その時、便衣兵一名、後ろでに縛られて連行されてきた。三十歳くらいの農民のような姿で、武器を持っていたのが命取りであった。私たちの見ている前で首を切るのである。「オーデ、ローパイシン、スーラープシン。」と何回も首を振り暴れていた。「私は農民だ。死ぬのはいやだ。」と言っているのである。下士官が出てきて軍刀を抜き、気合もろともきり付けたが、肩に入り「ギャー」と言って立ち上がった。慌てて次の刀がまた・・・後頭部、立った。男はその時、膝を着いた。それから三太刀位で首が落ちた。

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