日本と欧州の傘



 東北と北陸地方が7日に梅雨入りし、梅雨のない北海道を除き、全国が一斉に梅雨入りした。
 梅雨ときたら、代名詞のように思い浮かぶのが傘。
 雨傘のことを英語で、アンブレラといい、イタリア語のオンブレラ(日陰)に由来する。
 さらに、パラソルの語源はイタリア語のパラ(防御)とソル(太陽)で、日傘のこと。

 ヨーロッパに雨傘に当る言葉がないのは、はっきりとした理由がある。
 降水量を調べてみると一目瞭然。
 最近30年間における年間平均降水量は、ロンドンが751?、パリ648?に対し、東京は1,467?、大坂1,306?。で、概ね、日本の約半分。

それに降り方もやや異なっており、ヨーロッパでは霧雨のような細かい雨が降ることが多い。
洋画では、紳士が傘をステッキ代りに使い、レインコートだけの恋人同士が小雨に濡れながら、愛を囁くシーンがハイライト。
一方、雨粒の大きい日本のラブシーンは、相合傘でしっぽりと濡れて行くのがお馴染みの情景。あなたはどちらがお好みか。

このように,雨の量が多く強い降り方をする日本製の傘の規格は、1時間に5mmの降水量に耐えられるようになっている。
この時間雨量5mmという雨は、雨音がはっきりと聞え、路面に落ちた雨粒が跳ね返る程度の降り方。半日も降り続くと60?となり、明らかに災害対策が必要な雨の量。

そして、夏至のある六月の晴天の日のお昼前後は、日射や紫外線の量が最も強い。
故に、農家にとって、六月は晴れても降っても気が抜けない。
長雨による病害虫の発生予防に汗をかき、有害な紫外線から体を守ることに対しても、細心の注意が必要だ。

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