猛暑と農業



昨年は冷夏。今夏は記録破りの猛暑。2年続いて、両極端の異常な天候。
地球規模でもかってない観測データが記録されている。
昨年の欧州は猛暑で、パリやロンドンで一万人を超える高齢者が、時ならぬ異常高温で亡くなった。
教訓を生かし、冷房設備が整った今年は、皮肉にも大冷夏。

一方、猛暑の日本は、最近では珍しく、熱中症による被害が激増。
近年、気象のゆらぎはますます大きくなるばかり。

特徴は気温の上下の振幅が大きい。
通常、北半球の異常気象の兆しは、北極を中心とした高層天気図に現れる。
要因は色々だが、多くは上空の偏西風の流れが南北に大きく蛇行するとともに、
ある地域で高気圧にその進行が阻まれ、停滞して動かなくなることのよう。

昨夏は、オホーツク海高気圧が異常に発達し、東北地方の太平洋側はヤマセが吹いた。宮沢賢治が泣いた「寒さの夏はおろおろ歩き」だった。
一転して、今年は太平洋高気圧が北に大きく張りだし強い勢力を保ち、6月の半ばから今も継続中。

また、日本の南の海面水温が、例年よりも高い。
この為、赤道付近で発生した台風が日本近海で衰えることなく、一段とギアが加速され、熱エネルギーを補給する形が多発。
今夏の台風は、海面から上空まで連なる壁のような高気圧に行き場を阻まれ、
高気圧の縁をうろうろ。10号は、何と西に押し流されて進み、各地で豪雨をもたらせた。

さて、諺で日照りに不作なしといわれ、農家は案外、猛暑と日照を吉とする。
昨年に比べ、スイカや桃等の果物の生育と熟度が良く、市況も好調でほくほく顔の農家も多い。富山や新潟豪雨災害地を除けば、米の作況指数も順調で、秋の収穫が楽しみ。

一方、酪農家は家畜の夏バテを心配し始めた。
人よりも2度近く体温の高い牛でさえ、この猛暑で、体力を消耗し乳量が減少気味。
乳製品の品質の低下と品薄が心配だ。夏野菜にも高温障害が出始めている。
幸い、降水量は豊富なので、帽子をかぶり、たっぷりと水遣りに励んでもらいた
い。

牛も豚も野菜も、生ある物は水が命。基本を改めて知らされた。
残暑も後少し。

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