台風と農作物の価格



 異常気象の頻発で、何が異常でない天気なのかが分かり難い。元来、平年値は架空の数字だから、平年という天気はなく実感できない。マスコミで良く言われる、平年並の天気というのは何なんだろう。さて、今年は、日本に上陸した台風が、既に7個となり、気象庁始まって以来のうれしくない記録。16号が戦後最大の台風と固唾を飲んでいたら、ほぼ同じコースを辿った18号が、これまた超ど級の凄まじさ。

 ご存知の通り、台風は9月に来襲することが最も多いから、今後も少しも気が抜けない。
 日本へ接近上陸した今年の台風には、3つの要因がある。
1)太平洋高気圧の位置が、大きく北西に変移して、日本列島の東半分が、完全に高気圧圏内の状態が継続。
2)日本の南の海上のほぼ全域で、水温が例年に比べて1度から2度近くも高い状態が継続。
3)台湾の南からフイリッピン近海の水温が極めて高く、上昇気流の発生場となっている。

以上のことから、日本近海で台風の勢力が衰える事がなく、
エネルギーをたっぷり蓄えて列島の西側を大きく迂回するコースを辿っている。気圧配置の変化が少なく、高気圧の勢力がそれほど衰へておらず、9月に入っても、水温の低下が観測されていない。

 16号と18号とも記録的な風雨を観測したが、いわば16号は雨台風で、18号は風台風。各地で土砂災害や暴風により、家畜小屋の屋根まで吹き飛ばされた。日本海沿岸地方のなしやリンゴ産地の落果は夥しく塩害も顕著。農家の弱みに、果樹を買い叩く、JAを通さない大型スーパーには憤りを感じる。台風禍の品薄に、交通機関の大混乱や不通が加わる。台風後の野菜や果物の価格は、まさに投機筋の絶好の材料となり、高騰の一因となっている。

 農家のJA離れが定着し、大手流通組織などとの一括契約や産地直送に精を出した結果とインターネット取引の明暗も顕在化してきた。市場取引の長短を前提に、消費者の安心できる農作物を求める声に後押しされた農家の個人取引、ファーマ―ズマーケットを組込んだ、新しい全天候型食糧生産流通システムが望まれる。

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