活性酸素と抗酸化物質
たくましく生きている生物が植物です。
食物は日の出から日没まで、いやおうなしに紫外線を浴びています。
このため植物の体内には大量の活性酸素が発生しており、
植物の体内では絶えずこれと戦っています。
◆この植物の中にこそ、活性酸素を防ぐ物質がたくさん含まれているのです。
植物には、活性酸素の害から身を守る物質や、薬草のように病気を治す
（薬理作用）物質などが含まれています。
例えば、米の種子の胚芽。
胚芽には、代表的な抗酸化物質であるビタミンＥが大量に含まれています。
種子は絶えず、その内部から生じたり、紫外線に当たることによって発生したりす る活性酸素から身を守り、何年後でも発芽できるように準備しています。
そのために、体内に強力な抗酸化物質であるビタミンＥを蓄えておく必要がある のです。
私達が、玄米、発芽玄米や胚芽米を食べるということは、活性酸素に対抗できる 有効な成分を知らないうちに、身体の中に入れているということです。
細胞膜やＤＮＡによって、活性酸素の恐ろしい脅威を緩和する強力な防御機能が
身体には施されていることです。
つまり、活性酸素を中性で良性のものに変換する抗酸化酵素というものが、身体 にはあるのです。日々の食べ物から得られる抗酸化物質がそれらと結合して活性 酸素を無力化してしまいます。
活性酸素の無力効果を与える働きをするものに、３つの主要酵素システムがあり ます。
その３つとは
◆ スーパーオキサイドディスムターゼ（ＳＯＤ）
◆ カタラーゼ
◆ グルタシオン過酸化酵素
といいます。
そして、主な抗酸化物質は次の通りです。
◆ ミネラル、特にセレニウム、亜鉛
◆ ビタミン類、特にＡ、Ｅ、Ｃ
◆ ファイトケミカル（植物化学物質）
特にカロチノイド（身体内でビタミンＡに変わる）、リコペンのような植物色 素、フラボノイドと呼ばれる香り付け物質
◆ ＣｏＱ１０、メラトニン、グルタチオン
これらの抗酸化物質の中で、細胞内の大切なＤＮＡを保護できるのは最強のカテ キンといわれるＥＧＣＧと補酵素ＣｏＱ１０だけだといわれています。
◆植物に含まれる抗酸化物質は、近年科学者の注目を集めています。
疫学研究では、果物や野菜を多く取るとガンや心臓病に罹りにくく、また抗酸化 栄養素が、活性酸素損傷の危険性が高い細胞（例えば眼のレンズ）でかなり見つ かったと報告しています。
さらに重要なことですが、こうした栄養素の不足は、活性酸素損傷の影響を大き く受けている高齢者の間によく見られるというのです。
◆果物や野菜を食べず、加工食品や添加物ばかりの食事を摂っていると、
身体内に侵入した汚染物質や毒素、その他の有害な成分を取り除く解毒作用が 低下してしまいます。解毒作用が低下すると、身体の代謝プロセスに支障を来 し、体内の活性酸素が増大し、身体にストレスを招くことになります。
このことが老化を早めてしまうのです。
残念なことに、現代の日本人では、身体の健康に必要な栄養分をきちんと摂れ
ていない人々がほとんどです。
特に高齢者の方々に栄養不足が多く見られるのが、問題となっているのです。
食事で果物・野菜を豊富に摂ると、自然に抗酸化成分を摂り入れていることに なり、長寿につながると考えられています。
しかし、食事だけで必要なビタミン・ミネラルなどの栄養素の種類と量をたっ ぷり摂取することは、もはや不可能な時代となっているのです。
我国以外の多くの専門家は、世界的に、ビタミン・ミネラルなどの多量摂取が 重要だという点で意見を一つにしており、抗酸化栄養素の補充効果が研究で 徐々に明らかにされています。
◆Maryland School of Medicineの研究者は、最近、ビタミンＣ、Ｅサプリメン トを高脂肪の食事前に飲むと血管の軟化を促進することから、心臓病防止の可能 性を指摘しました。
また、適度な運動は老化を遅らせると言います。
運動は、心臓のはたらきも代謝機能も活性化させる作用があり、心臓病の予防に もなります。軽い運動をしているだけでも、コレステロール値や血糖値を改善す るといわれています。
ところが、運動は酸素の消費量を最大１０倍にも上げることから、
活性酸素の生産量も増大されてしまうことを懸念した専門家達は、
特に老年者に、抗酸化栄養素を摂るよう勧めています。
老年期に定期的に運動を行っている高齢者は、身体内で生成された活性酸素を相 殺するため、より多くの抗酸化ビタミンを摂取しなければならない、
と指摘しています。
◆人間の最長寿命は大体１２０歳くらいまでであると言われています。
野菜をしっかり食べて適度な運動をして、抗酸化栄養素のたっぷり入ったサプリ メントを摂ることが、長寿の秘訣と指摘されています。
ところが、残念なことにその規格がないに等しい日本でよい製品を選ぶことは、 現実問題として、かなり難しいです。
次は、その正しい選び方をお話しいたしましょう。
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