PR
2024.09.28
カテゴリ： 園芸
装丁替えだけじゃダメダメ秋出水
地信義さんは、大江健三郎さんら多くの作家の本を仕上げた▼書店
で表紙にひかれて本を手に取ることがあるが、菊地さんは装丁の目
的は「本を目にした人の心に、読みたいという思いを起こし、真に
読むという場へ心をいざなうこと」と書いている。「読まれない本
は存在しても、ないに等しい」とも。装丁は過小評価できぬものが
ある▼自民党の新たな表紙と言うべき新総裁が決まった。元幹事長
の石破茂氏。５度目の挑戦で初めて総裁選で勝った。近く首相に就
任する▼元々党員に人気のある論客だが、国会議員仲間にも耳の痛
いことを言うせいか「石破嫌い」の議員も多く近年は中枢から外れ
ていた。党派閥の裏金問題へ国民の不信が根強い中、党は変わった
とアピールして次の衆院選に勝ちたい自民党。冷遇されてきた石破
氏こそ新鮮で表紙にいいと計算した議員が多かったか▼石破氏は、
党が議員に支出し使途が不透明と指摘される政策活動費に関し、廃
止も選択肢と語るなど政治資金のルール見直しに意欲的だが、実行
できるだろうか。事と次第によっては、表紙を替えても中身が伴わ
ぬと批判されよう▼菊地さんは「読書という行為は、ひとりの人の
心をつくっていく道具」と語った。人の心に訴えるのは政治も同じ
だろう。表紙も中身も大事である。
お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
【毎日開催】
15記事にいいね！で1ポイント
© Rakuten Group, Inc.
