あらゆる生物は、太陽、月、空気、水、大地、その他宇宙天体一切の統一あるしくみのなかで、生命現象をいとなんでいる。人間および動物は、植物を媒介としてはじめて、この宇宙エネルギーを吸収して生命を存続することができる。
この植物中にひそむエネルぎーを、できるだけ逃がさぬよう、失わぬように、体内に取り入れ、同化し、蓄積するところに、正しい食生活の原理がある。
生食と悪食
「食は命なり」と先人たちがおしえているように、食の無いところには、生命現象はありえない。肉体生命の健全ないとなみは、正しい食べ物によってえられる。
食べ物が間違っておれば、肉体も異常となり、いろいろな病いをまねくのは、当然である。
あらゆる動物は、食によって生命を維持しているが、天から与えられた食べ物は、おのおの異なっている。
人間には人間の食べ物がある。同じ人間でも日本人には日本人の、欧米人には、欧米人の食べものがある。
また、東洋には、古来、身土不二の思想があって、その住む土地に出来る食べ物が、肉体生命を真に栄養するところのたべものだと考えてきた。もちろん、春夏秋冬によってからだの要求するものも、ちがってくるし、あるいは、労働量や年齢、性別職業等々によってもちがってくる。
厳密にいえば、時、所、位によって食品の選び方も、摂取量もことなってくるものである。(人類愛善世界、立替建て直しより)