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カテゴリ: 今日見た映画

1994年4月から7月までのおよそ100日間の間に、実に100万人の人々が虐殺されたという事を、あなたは知っていましたか?

ホテル・ルワンダという映画を見ました。
1994年4月、あなたは何をしていましたか?
私は。。。ちょうど長女を身ごもって2ヶ月目でそろそろ悪阻が出てきた頃です。毎日が幸せで、育児雑誌を読んだり、通販のベビー服やグッズを眺めたり、仕事も楽しい時期でした。その時ルワンダで毎日毎日虐殺が行われていたなんて、恥ずかしいことですが、この映画を見るまで知りませんでした。

この映画は、1994年のルワンダ内戦を生き延び、ホテルの客、従業員、難民など結局1200人あまりを救った一人のホテルマンのお話です。

フツ族至上主義のナタやライフルを持った殺戮者から身を守るためのポール・ルセサバギナが持つ唯一の武器は、人脈。それを生かすための電話やファックス、そして命を買うためのお金やお酒、ただそれだけでした。そんな徒手空拳の彼を支えたのはただひとつ、愛する家族を助けたいという思い。それを実現させるための不屈の精神が、彼とその家族、そしてホテルに居た人々を救う結果に導いたのです。

映画の中で、いくつか印象に残った場面があります。 (ここから少しネタバレですので反転でいきます。)

その中のひとつに(うろ覚えですが)西洋人のカメラマンが主人公に向かってこう言うシーンがあります。
「あの映像を見て助けにきてくれると思っているのかい?世界中の人々はあの映像(ナタで虐殺される人々が写っている)を見て、ディナーの手をちょっと止めて「怖いね」というだけだよ。そしてまた食事に戻るんだ」

とても恥ずかしいことですが、私もその一人です。ニュースで見るそんな映像に、憤ったり涙したりしても、自分で何か行動を起こそうと思ったことはありません。

このシーンを見ると何だか矢もたてもたまらず、ボランティアに行きたい気持ちになりますが、考えてみればそんな現場で役に立つとりえを何も持たず、また養うべき家族が居る身ではいかんともしがたく、結局自分に出来ることといえばワンクリック募金程度のことです。我ながら情けないですが、しないよりはマシと言い聞かせて、この日はポチポチしてました。

もうひとつのシーンは、国連平和維持軍が撤退するシーンです。欧米諸国が内戦に介入してくれることを一縷の望みにしていたのに、ただルワンダに居る外国人を退去させるためにやってきたベルギー国連軍。大勢の難民がホテルに押し寄せ、外国人の神父やシスター、ボランティアの人々がバスに押し込まれていきます。ボランティアに抱かれるルワンダ人の子供が引き離され、「どうか連れて行って」と泣き叫ぶ人をあとに欧米人は行ってしまうのです。ホテルの前に立ち尽くす人々の、捨てられた子犬のような表情が忘れられません。このシーンは今思い出しても胸がふさがれます。文字通り、ルワンダは欧米にとって価値が無いということを突きつけられ、見捨てられた瞬間だったのです。

さて、ルワンダ人はフツ族とツチ族という大きく二つの民族に分かれていました。元々遊牧民と農耕民という違いだけで種族的な差違は無いのだそうです。第一次大戦後、国際連盟は戦利品としてルワンダはベルギーに与えられます。ベルギーはルワンダを分裂させるためにこのフツ族とツチ族の容姿の違いを利用しました。黒い肌、平たい鼻厚い唇のフツ族に対して、肌の色が薄く細い鼻や薄い唇、背の高さなどよりヨーロッパ的な容姿を持つツチ族を経済的、教育的に優遇したのです。(公式ページを参考にしました。その後の詳しい歴史などは 公式ページ のHISTORYを参照してください。分かりやすくまとめてあります。)

映画の中でもフツ族とツチ族の違いについて語るシーンがあるのですが、単に二つの民族が統治をめぐって争っているというのではなく、人為的に作られた差別構造が生んだ憎みあいだということが分かってとても愕然としました。それも自分達が作ったものでは無く、外国人の都合で争うように仕向けられたとは、なんという悪意でしょうか。現在ではフツ、ツチという用語の使用も規制されて、一切の民族証明が排除されているということですが、ここにたどり着くまでに、あまりにも多くの血が流されなければならなかったことにただやりきれなさや悲しさを感じずにはいられません。

この映画はとても感動的な映画ですが、その性質上、難解であることも否めません。どうして主人公がこういう行動を取るのかよく分からないこともあります。実はコメンタリーで、この作品のモデルとなったポール・ルセサバギナさんと監督が詳しい解説をされています。映画館でご覧になった方もこのコメンタリーは必見だと思います。もし機会があれば是非ご覧下さい。

最後に、映画のラストにちょっとした救われるシーンがあり、私はそこでも涙ぼろぼろだったのですが、そこにかぶってエンディング曲が流れます。その曲が素晴らしくてまた泣いてしまいました。

もしアメリカがアメリカ合衆国なら
なぜアフリカはアフリカ合衆国になれないのか?

もしイギリスがイギリス連邦王国なら
なぜアフリカの王国が集まってアフリカ連邦王国になれないのか?

訳詩の1節です。

この映画はアフリカ全体の話では無いのでアフリカ合衆国というのはちょっと違うのかもしれませんが、「どうして、同じ民族でいがみ合わなきゃいけないんだろう。もっと仲良くしようよ。」そんな気持ちが溢れてくる曲です。何と言ってもルワンダの子どもたちの「太陽はいつ私達の上に戻ってくるの?」という素朴な歌声が心にしみる美しい曲でもあります。良ければご試聴下さい。

3曲目の ミリオン・ボイセズ という曲です。

ミリオンボイセズの歌詞

公式ページ

今回は書くのに何日もかかってしまいました。難しかった!






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最終更新日  2007.05.06 01:46:40
コメント(11) | コメントを書く


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Re:ホテル・ルワンダ(05/05)  
おはです。

1994年。高校生でしたね。ぜんぜん知りませんでした。
HISTORY読みました。
>フツ族もツチ族も同じところに住み、同じ言葉を喋り、同じ宗教を信じ、人種間結婚もしていた<
それなのに人為的な教育偏向で人間は簡単に虐殺をしてしまうのですね。本当に怖い。そして悲しいです。
時間があったら見てみたいです。
(2007.05.06 09:13:09)

Re[1]:ホテル・ルワンダ(05/05)  
喫茶まんがすマスターさんいらっしゃいませ。

>1994年。高校生でしたね。ぜんぜん知りませんでした。

あは。いたずら盛りですね。

>HISTORY読みました。
>>フツ族もツチ族も同じところに住み、同じ言葉を喋り、同じ宗教を信じ、人種間結婚もしていた<
>それなのに人為的な教育偏向で人間は簡単に虐殺をしてしまうのですね。本当に怖い。そして悲しいです。

争う必要なんか全く無いのに、長い間降り積もった経験や教育って恐ろしいですね。悲しいです。

>時間があったら見てみたいです。

是非。でも泣いてもいい時間に見てくださいね。 (2007.05.06 09:34:47)

Re:ホテル・ルワンダ(05/05)  
なた5963  さん
日本では湾岸戦争関連ばかり報道してましたからね。

撤退に関しては、「ソマリア内戦への介入→失敗」という過去の事情があるため、タイミングが悪かったとしか言いようがないです。(ソマリア内戦は「ブラックホーク・ダウン」を見ると分かりやすいかも)

私も食事を続けてしまう一人にすぎませんが、募金とか、そういう気持ちになることも大切なのではないかと思う。 (2007.05.06 13:35:20)

Re[1]:ホテル・ルワンダ(05/05)  
なた5963さんいらっしゃいませ。

>日本では湾岸戦争関連ばかり報道してましたからね。

そうですね。湾岸戦争の映像は鮮明に覚えています。アメリカや中近東といった国は、その動向で日本にも直接影響が出る国ですからマスコミの関心がそちらを向いてしまうのはしょうがないことなのでしょう。やはり優先順位からいくと、どんなに悲惨なニュースでもアフリカの小国の内戦の話題なんて下位に追いやられてしまうのでしょうね。

>撤退に関しては、「ソマリア内戦への介入→失敗」という過去の事情があるため、タイミングが悪かったとしか言いようがないです。(ソマリア内戦は「ブラックホーク・ダウン」を見ると分かりやすいかも)

私もソマリア内戦の失敗による影響というのを何処かのサイトで読みました。「ブラックホークダウン」も見なきゃいけないかな~と思ったりしています。スコット監督は好きなので。ただ、戦争の描写があまりにリアルだったら嫌だなあという気もします。

>私も食事を続けてしまう一人にすぎませんが、募金とか、そういう気持ちになることも大切なのではないかと思う。

そうですね。直接、そういった人々を助けることは出来ないけれど、間接的な形で何かの力になることが出来たら、それはそれでいいですよね。 (2007.05.06 16:48:36)

ホテル・ルワンダ  
shimikotoshiori  さん
映画はまだ観ていませんが、優しかった隣の人が突然「敵」になり、同じ家族の中でも敵味方に別れてしまう、という、本当に悲惨な紛争ですよね。
ユニセフの人から、事後の難民キャンプでの、子どもたちに憎しみの連鎖を残さないプログラムの取り組みを聞いたことがあります。
それはお互いを知り合うこと。
次の世代は、悲しい事実を乗り越えて平和を築かなくてはなりませんからね。

紛争の背景には必ず経済格差があり、アフリカの不幸な歴史には他国(欧米諸国)が大きな関わりを持っていることがやりきれないです。
(2007.05.06 23:25:27)

Re:ホテル・ルワンダ(05/05)  
100日間で100万人もの命が失われていたなんて・・・
経緯はどうあれ、それだけの人が虐殺された事実に
愕然としてしまいます。
観るべき映画だと思いました。 (2007.05.07 21:26:32)

Re:ホテル・ルワンダ(05/05)  
shimikotoshioriさんいらっしゃいませ。

>映画はまだ観ていませんが、優しかった隣の人が突然「敵」になり、同じ家族の中でも敵味方に別れてしまう、という、本当に悲惨な紛争ですよね。

単なる民族証明書という紙切れが分け隔てた関係なのですから、本当にやりきれません。何故あの証明書を、あの虐殺が起こる前に捨てられなかったのか。部外者から見れば、する必要のない争いにしか見えないので非常に悲惨でやりきれません。

>ユニセフの人から、事後の難民キャンプでの、子どもたちに憎しみの連鎖を残さないプログラムの取り組みを聞いたことがあります。
>それはお互いを知り合うこと。
>次の世代は、悲しい事実を乗り越えて平和を築かなくてはなりませんからね。

素晴らしい取り組みですね。憎しみの連鎖を断ち切るにはやはり子供の教育が一番重要だろうと思います。
三つ子の魂100までって言いますけど、ウチの父を見て思った事ですが、戦中教育を受けた人は死ぬまで偏見から自由になれませんからね。

>紛争の背景には必ず経済格差があり、アフリカの不幸な歴史には他国(欧米諸国)が大きな関わりを持っていることがやりきれないです。

自分たちの都合で撒いた火種なのに、大火事になったら、「利用価値が無いから助けられないよ。さいなら。」と言って国に帰ってしまうなんて。。。
どうしてこんなに身勝手なんでしょうね。 (2007.05.07 23:20:49)

Re[1]:ホテル・ルワンダ(05/05)  
リュービンタイさんいらっしゃいませ。

>100日間で100万人もの命が失われていたなんて・・・
>経緯はどうあれ、それだけの人が虐殺された事実に
>愕然としてしまいます。

想像が上手くできませんよね。人間って、そこまで理性を失うものなんでしょうか。

>観るべき映画だと思いました。

是非。お勧めしますYO。 (2007.05.07 23:28:49)

ヌードルスさんへ  
TBありがとうございました。
現在はTBもコメントも受け付けておられないので、こちらで書かせて頂きますね。

映画としてはB級だという話。

私は逆に、この種の実体験を基にした映画にしてはダレが無いし、上手くまとめたなと思いました。これが限界なんじゃないかとも思いました。たぶん、もっと感動的なエンターテイメント作品にすることは出来たんじゃないかと思うのですが、それをあえて実体験に寄り添ったものにしたのは、やはり監督が真実を伝えたかったからなのではないかと思います。(むろん、映画として分かり安いように、複数の人物を一人の役に集約したり、違う場所で起こった出来事をホテルで起こったことにしたりはしたみたいですが。)

私が見始めて最初に違和感を感じたのは登場人物が英語で喋っていたことですね。見始めてからアメリカ映画だったんだと気づきました。

マウスの話はなかなか衝撃的でした。やっぱり増えすぎなんですね、人間は。。。でも何とか殺し合いをせずに数を減らそうと思えば、出生率を下げるしか無い。今の出生率の低さは、人間の本能なんでしょうか。ちょっと気持ち悪い気もします。 (2007.05.08 00:52:20)

差別・・・  
外国の方に対する差別って日本でも多いですよね・・・
話すととてもいい人達なのにブラジルの方なんて
陽気で楽しいのに^^
地域の人らは必ず言います
そうじゃない人も言います
日本語が少ししか出来なくて何考えてるかわからないとか
犯罪増加に関わってるとか・・・
聞くのもうんざりしてきます・・・
犯罪犯すのはたかだか、日本にいる一握りの人の犯行なのに・・・
コレに限らず・・・
くだらない思い込みや刷り込みにうんざりしてます・・・

ちょっと外れましたが・・・
悪意はドコにでもありますね・・・

「シティオブゴッド」も観てみたらどうでしょうか?
戦争じゃないですが・・・

(ごめんなさい。ちょっと思ったこと書いてしまいました・・・)
(2007.05.08 02:52:18)

Re:差別・・・(05/05)  
ハナスカ87さんいらっしゃいませ。

>外国の方に対する差別って日本でも多いですよね・・・

「外国人」と、十把ひとからげにしてしまうと、よく分からない、怖い人たちというイメージになってしまうのですよね。
はっきり言って私だって街で大勢の外国人に出会ったらドキドキします。

でも、怖いのはよく知らないからですよね。一人ひとりとよく知り合ったら、普通の人だってことが判るはず。shimikotoshioriさんも書いてらっしゃったけど、互いを知ることが偏見をなくす一番の近道だと思います。

>ちょっと外れましたが・・・
>悪意はドコにでもありますね・・・

確かに。善意もあれば同じだけあるいはもっとそれ以上の悪意が世の中には存在しますね。悲しいことですが。


>「シティオブゴッド」も観てみたらどうでしょうか?
>戦争じゃないですが・・・

公式ページ見て来ました。ストーリーを読んだら、物語のかなり核心まで紹介していたので途中で切ってしまいました。(笑)面白そうですね。切なそう。

>(ごめんなさい。ちょっと思ったこと書いてしまいました・・・)

いえいえ、書き込んでくれて嬉しいです。 (2007.05.08 23:17:36)

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