いつかはカナダ犬と北京生活

いつかはカナダ犬と北京生活

十六、原来如此

十六、原来如此


 そのとき初めて、レンさんこそが、ビンビンの好きな人・・・もしかすると「女朋友(彼女)」かもしれないという考えが頭をよぎった。え、気づくの遅いって!?恋に落ちれば誰しも盲目になっているものです。

 次の瞬間、ビンビンが私にグッと顔を近づけ、「じゃあ、ジャオじゃなくて、僕だったらどう?美咲は、僕のことが好き?」からかうように言った。

 私は今にも息が止まりそうになりながら、黙って大きくうなずく。やっぱり彼は気づいていたんだ。少しの沈黙のあと、

 「美咲、君は、レンを僕の何だと思ってる?」呆れた表情の彼。

 「あなたの、彼女?」

 そう答えた私に、彼は‘ちゃんとわかってるんじゃないか’とでも言いたげな表情で「それでも僕がいい?とにかく今夜は、ジャオとちゃんと仲良くやって。好きじゃないからって彼を無視するなよ?分かった?」

 そう何度も私に念を押すと立ち上がり、再びジャオ君と場所をチェンジした。

続く→


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: