いつかはカナダ犬と北京生活

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三七、私はどうして欲しい?

三七、私はどうして欲しい?


 レンさんは、ただの女友達!?私の頭は大混乱。彼ビンビンは私を抱きしめ、耳や首筋に優しくキス。私は心地よさで気を失いそうになりながらも、脳裏にはあの夜のレンさんが浮かんだ。いやいや、確かに二人はラブラブだったはず。我に返った私は、夢中で彼を跳ね返して言った。

 「そんなの信じられない。あれはあなたの彼女でしょ・・・?」

 「じゃあ、美咲はどうして欲しいの?彼女とバイバイして、君と付き合って欲しいってこと?」彼は、私の質問に対してイエスともノーとも言わずに、笑顔でそう言ってのけた。

 「そ・・・そういう意味じゃないけど・・・」私は言葉に詰まった。本当は、もちろんビンビンの彼女になりたい。でも、レンさんを自分の彼女じゃないと言ってみたり、そんな彼の男としてのいい加減さが見え隠れして、私は自分の気持ちを素直にぶつけることが怖くなった。

 「僕の彼女は、僕の為にお寿司を巻いてくれたりしない。彼女はそんなことできないしね。僕はただ、君との関係をもう一歩深いものにしたいだけだよ。」そう言った彼の目は、もう笑っていなかった。


続く→


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