いつかはカナダ犬と北京生活

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四六、片思いの強がり

四六、片思いの強がり


 ビンビンは、私の気持ちに気づいていたはずなのに、いつも「本当は彼氏がいるくせに。」とか、「最近元気ないけど、彼氏と喧嘩した?」とか、「美咲は僕を(好きだなんて言って)騙してる。」そんな言葉を口にした。

 私は彼の前で強がり過ぎたかもしれない。彼の前では、「あなたと付き合えなくても平気」「あなたが誘ってくれなくても、私は予定がいっぱいなの」・・・そんな自分を演じてしまう。それは見込みのない片思いをしている私に、同情してほしくなかったから。

 彼に大好きな気持ちを伝えたい反面、それを拒絶されるのが怖い。本当は大好きなのに、彼の前では素直になれない私。彼を好きになればなるほど、私は彼に本当の気持ちを見せられなくなった。

 発展することも切れることもない彼との関係に、私はただ身を任せ、それまでに味わったことのないような(レンさんに対する)深い嫉妬心や、自分に対するいら立ちで、悶々とする日が続いた。


続く→


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