俺とユーロとC.D.と・・・(何

第14話『笑顔』


気がつけば毎日は楽しいモノから変化を始め、
やがて私の生活にも多大な影響を与えた。
面白く無くなった毎日。誰といても、何も得られるモノが無くなって
失ったモノを自分で埋められなくなった私。

・・・死んだ方が、いいのかもしれない。
そうとも考える程、今の私には楽しい事が無かった。
笑顔を失ってから、人生の全てに「楽しみ」という言葉は消えていた。
いつになっても、どうであっても、面白さを見つけられなくなった私。
自分にその疑問さえ問いかける事もなく、身体も心も落ちていく感じがした。

ある日の放課後。泰斗が心配した顔で、私に話しかけてきた。
毎日の高校生活にさえ生きる意義を見出せなくなった私は、最早
生きる気力を失ったような顔をしていたようだった。

『何か、お前最近ヘンだぞ・・・?
やたらと気が抜けたような、落ちた顔ばかりしやがって・・・』

『・・・いいの。気にしないで。
毎日が・・・生きててあんまり面白くないから。』

『いや、むしろそう言われると気にしたくなんだよ。
いつもと違うし、何ていうか・・・暗すぎないか?お前・・・。』

心配してくれている泰斗にさえ、そう言ってしまう私。
今の私は「笑顔」や「明るさ」という言葉は脳内で封印されているような
状態になっており、誰であれ話しかけられて面白い事や楽しい事なんて
言う事も出来なくなっていた。
明るさを失った私の心は、再び暗い闇に閉ざされていた。

『・・・だから、気にしないでって。
何ていうか、もう生きていたくないって感じで・・・』

『・・何言ってんだよ。こんな中途半端なところでお前が
生きていたくないだんて言って、誰の為になると思ってるんだ。』

『とにかく、もう何も言わないでくれる・・・?
今だけは、誰の言葉も信じたくない・・・。』

『(・・・な、何か感じ変わったな、飛織・・・)』

そんな顔で見つめている泰斗を尻目に、一人帰り道につく私。
帰り道周辺で見かける子供達の笑い声を聞いても、私の頭には
「楽しい」という感情は消されかけていた。
どんな時であれ、何をしていても面白くも楽しくも無い。
そう考えるようになってから、私はこの世の落ちていく様を見ているような気がした。

家に帰ってからも、やはりやる気なんて出るモノじゃない。
生きていくのが嫌になるより、いっそのこと死んでしまった方がいいのかもしれない。
どうしても私の言葉が落ち目になっている事に気付いてから、尚更私の
顔は落ちていくような感じになっていた。
誰の言葉も信じられず、誰がいても面白くない。
どんな顔を見せても誰にも見て貰えなくなって、まるで閉ざされた世界に
いるような感じ・・・。
そう、私は自分の責任でありながら、孤独を一人で悲しんでいた。
自分でこの状況に陥れてしまったハズなのに、それを自分で悲しんでいるだなんて・・・
私は、誰が本当の「私」なんだか分からなくなってしまった。

泰斗にも自分から「壁」を作ってしまってからは次第に話さないようになり
それ以降も殆どお互いの事を話さないようになってしまった。
でも私は何故か自分で作った壁に対して怒りを感じており、どちらの
私が本当なのか分からなくなってからは、尚更やる気を吸い取られるような
気分になっていた。
二人にも三人にも私が分裂するような感覚に襲われ、まるで自分が自分で
ないような状況になってしまった。

「本当の私は、一体何処に・・・?
答えて、本当の私・・・、
貴方は誰なの?そして、この私の中に貴方は存在するの・・・?」

しかし私は数人も存在するような感じになっているこの状況で、私は
本当の「笑顔」を持っている私がいるかどうかさえも自分で整理が
つかない状態になっていた。

「考えてみればあの時、どうして私は笑顔を失ってしまったんだろう?
あの時の自分が面白くなかったから?笑う事に抵抗があったから?
それでも笑顔があったあの頃は楽しかった。
だから、もう一度私はあの頃に戻ってみたい・・・!」

そう思うようになってから、私は笑顔を失った暗い状態でありながらも
もう一度「私」をこの手に戻そう、と努力するようになっていた。
けれども探し続けて数日が経過してから次第にその意気は落ちていき、
再び元の生きる気力を失った私へと戻っていた。
そんな中でも少しずつ探そうと何度か試みたものの、結果は同じ・・・。

どうせ見つからないんだと考えるようになってからは、私の毎日は
またつまらないモノへと変化していった。今までは少しでも頑張って
記憶していた授業内容でさえ、全く分からない状態になっていた。
再び死のうと考える場面が増えてから何度か泰斗には止められたけど、
それでもやっぱり、現実を生きる事自体が嫌になっていた。

ある帰り道・・・いつも通り、私は暗い顔をしてトボトボ歩いていた。
親族にさえ心配されたけれど、それでも私を誰も支えようとはしてくれ
ないと思うような「感情の壁」さえも、私は築き上げてしまった。
心はずっとその真実を閉じ、暗い部屋にひきこもったままで
身体も疲れ果てたような感じが毎日続くようになっていた。

『おーい、飛織ぃ~!』

誰かの明るい声がする・・・ふと顔を上げてそこに見えたのは、心菜だった。
いつも通りの明るい笑顔を振り撒いている心菜。でも私は、笑顔を見せる
事は出来なかった。むしろ笑顔でいられる心菜が、羨ましく思えた。
それでも私は笑おうと努めていたが、その努力も実らず、どうしても
諦めかけたような感じで、心菜に近寄るしかなかった。

『心菜・・・』

『・・・どうしたの、飛織?なんかいつもより、物凄い暗いんだけど・・・』

心菜でさえすぐ気付く程、私の顔は暗く見えていたようだ。
私自身もその事には既に気付いており、誰でさえ見せられる笑顔が無い
ということに、悲しみさえも感じる程だった。
でも「笑顔」を失った今の私に、誰がどうと言う事も無くなってから
更に自分で自分を追い詰めてしまい、最早自分がここで生きていけるのか、
自分が自分から追い出されるのではないかと、怖くなっていた。

『私、実は、死にたいって、思ってるんだ・・・』

『・・・い、いきなり何を言うの!?そんな事・・・飛織らしくないよ!』

『・・自分でも分かってる。でも、今は私が私か、それさえも分からない。
気が付けば笑顔が私から消えて、何もかもが空になった感じになって、それから
生きる気力も無くなってきた・・・。本当に私は、この世で生きる事自体が辛くなってきたの。』

『・・じゃあ飛織、私を残して、先に死ぬって言う訳?
そんなの、あまりにも悲しすぎるじゃない!
いくら何でも、飛織の言う言葉にあまり反対はしなかった私だけど、
この世にはそんなに早く、自分で別れを告げちゃ駄目なんだよ・・・!』

『・・・』

心菜はこぼれる涙を見せながらも、私に訴えかけてきた。
今までの心菜との思い出は、死んだらどうなっちゃうんだろう?
泰斗との再出発を始めた恋だって、ここで死んだら全部水の泡・・・?
私の心に訴えかけてきた心菜の言葉が、スーッと入ってくるような気分になった。

『飛織は確かに、今はそんな顔をしているけど
飛織は飛織だよ!私の大事な親友であって、離しちゃいけない友達なの!
どんな時でも一緒にいてくれて、相談相手にもなってくれた飛織を
失ったら、私は誰を信じて生きていけばいいワケ・・・?』


『・・・心菜・・・、私が悪かったよ・・・』


『飛織・・・?』

その時の私には、自然な笑顔が浮かんできた。
誰に見せるという訳でもないのに、心の中から「笑顔」という感情が
私の身体に戻ってきたような気がした。
今まで悩み続けてきた「本当の自分」が、この心に舞い戻ってきたような
感じになった。

『今まで心配をかけさせて、本当にゴメンね。
確かに私は、心菜にとっても大事にされているし、泰斗から見ても
離しちゃいけない、大事な人だったんだよね・・・。
みんなの期待を裏切って、一人死んじゃうのは駄目だって、今やっと気付いたよ。』


『飛織・・・良かったぁ・・・!』


戻ってきた私を心から祝福するかのように、涙を流して泣く心菜。
見ている私も本当に戻ってきた事を自分で祝いながらも、心菜と
一緒になって、いっぱい泣いた。


『心菜・・・本当に・・・本当にゴメンね・・・!』


それからというもの、私の生活は再び毎日が楽しくなった。
心菜とも良く遊ぶようになり、暇があったら多少でもいいから
遊ぼうと考えるようになった。
今まで私の事を心配してくれた泰斗もいつもの私を見て安心感を
取り戻したのか、良く笑うようになった。
本当に私は大事な人に包まれて、この世に生きている事に嬉しさと
幸福感を、改めて感じた。



私は、幸せだよ・・・





「やっぱりそのオチか、貴様・・・っ!」と、予想出来た方。マジスンマセン^^;
一時間もかけた割に出来ヘボいっすねぇーいや本当。何時見てもショボすぎて仕方ないっすよ、僕orz
なんかいつもと比べて新曲入れたからか妙にノリで書いたのですが、いいっすよ本当。もうノリノリで書いてましたから^^;

2006年5月13日製作

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