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男はブッシュドノエルやフルーツタルトなどで家族と共にイブの夜を過ごす。
テーブルにはケーキの他にクリスマス用に鶏もも肉を多めに入れたパエリアが乗り、酒屋さんの薦めてくれた辛口の白ワインがソムリエナイフと共に始まりを待っている。
全員がテーブルに付いたところで男はワインとソムリエナイフを手に取る。
キャップシールを切り取り、キャップを剥がす。
ナイフからスクリューを引き出しコルクに挿し込む。スクリューがコルクを突き抜けないように気をつけながらスクリューを回転させ、レバーを瓶に固定しコルクを引き抜く。
気圧の違いでコルクを引き抜く際、ポンッと音がすると家族は思わず拍手する。
手に持つグラスで乾杯し、家族の誕生日を祝う時と同じようにプレゼントを交換する。
男の息子嫁が歩いて 10 分程の実家から持ってきたビデオテープの再生準備をする。
息子とその妻は幼稚園の同級生で大学 3 年生だった 2 年程前に付き合いを始め卒業を待って結婚した。
付き合いが始まってから家族共々、何度も見たビデオでセリフまで全員が復唱出来る。
十数年前の幼稚園で教わった歌を当時、仲の良かった 2 人が大きな声で歌う。
「ウイ、ウイッシュ、ア、メリークリスマス。ウイ、ウイッシュ、ア、メリークリスマス、あだハッピーにゅーやー・・・」
何度聞いても、あだハッピーにゅーやー、としか聞こえない。
それが面白いと何度笑ったことか。始めの頃は嫌がっていた息子も今は笑いながら楽しんでいる。
男はふとした瞬間に一人の女を思い出す。
およそ 2 年を客とスナックのママという関係で過ごし、今年の始めひょんな事から男女の関係になった。
お互いを憎からず思いながら友人で過ごした時間が長かったので燃え上がるのも早い。
週一度の関係を数ヶ月経過した頃、憑き物が落ちたかのように元の関係に戻り肌を合わせることはなくなった。
今も週一度のデートはするし 2 人でいる時間は楽しい。
男の妻は女の店に行き名乗りあったようだ。
3
男は女がイブの夜を一人で過ごす寂しさを想い心を痛める。
肌を重ねなくなって数ヶ月、親しい友人でいるには時に想い出が邪魔をする。
男の意識の中に夜は時間と共に感傷的になってくるという想いがある。
誕生日の夜も手を伸ばせば触れることの出来る距離で過ごすことは出来なかった。
男は女がイブの夜の一人寝に寂寥感を覚えなければいいのにと願う。
そのころ女は自分の店で寂しくイブを過ごす男達を前に、グラスにウイスキーとミネラルウォーターを入れステアーするところだった。
その顔に寂しさの影を伺うことは出来ない。
女はプロだった。
お客様が居る限り寂しさを顔に出すことはない。
店を閉め外へ出た女の目には輝くばかりのイルミネーションが見える。
男と見た観覧車からのイルミネーションが思い出される。
隣には男が居た。指先が互いの腿に触れる距離に居た。
男には家族の居ることを知っている。
それどころか男の妻とはいつしか友人関係になっている。
寒い一人寝の夜には身体が疼くこともある。
来年は愛する人とイブの夜を過ごしたいと思う。
世の中の半数は男。
女の持つ赤い糸を指先に握るのは、あの男ではないと思う。
些細なことで縺れたり切れたりする赤い糸の先にいる人と来年こそ出会いたいと思う。
女は男がそこまで自分のことを気に掛けているとは思わなかった。
男は優しさが何れ女や家族を苦しめるのではないかと思いながら、女との付き合いをやめることが出来ない。
妻を愛し家族を愛しているのに、素晴らしいと思う女性には声を掛けてしまう。
男と女のお話(たくらみ・・・) 2010.04.23 コメント(6)
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日経225先物トレーダーの一日(その16) 2009.12.23 コメント(2)