光の御子☆のホームページ

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第一章 4

第一章――1日目――



4 変わった友人たち? OUR CLASS ROOM

――8:28。
おれたちの教室は、二年四組だ。
あれから、適当に話を終えて、ひとまず三階まで上がってきた。
結局―、彩紗が、イイカンジに丸め込まれた理由は、最後まで全くわからなかった。
そんな謎を抱えながらも、教室の廊下を歩いているおれ。
隣には相変わらず、このみがいる。
…まぁ、クラス一緒なんだけどね。
「やぁ、また会ったな」
そんな時、後ろから突然声をかけられた。
「…そりゃ、同じ学校で、しかもクラスまで同じなのに会わないわけがないだろ?」
相手は、裕也だった。
「それもそうだ。しかし、蒼二があまりにも普通の解答したから、
俺としては少し寂しいな」
「じゃあ、どんな風に返して欲しかったんだよ?」
「『何!! お前いつの間に!?』とか『また会うとは…もしや運命!?』とか
『おはようさん』とか。そんな感じ」
「何言ってんだか…」
しかも最後のって、普通なのでは?
まぁ、…そうか。
俺たちが二階で喋っている間に、裕也もここに着いてたって訳か。
「もはやこれは、このみ嬢に期待するしかあるまい」
裕也は、顔をこのみの方へ向け、
「…このみ嬢。この笑いのわかっていないこいつに一発、
面白みのある挨拶ってのを教えてやってください」
いや、それおかしいですから!?
「仕方ないなぁ…もう」
って、ヤル気満々かよ!?

「ボクたちがまた出会ったのは、偶然なんかじゃ言い切れなくて、
必然なんかじゃ絶対ない。それは……『運命』。その渦の中からボクたちは、
抜け出すことは出来ない。もちろん、抜け出す努力は、今まで何度となく行ってきた。
でも…まだ、実現しない……」

……コメントしづらいぞ。
このみは、急に真面目にそんなことを言ったかと思うと、
途端に哀しそうな顔をした。
「いやぁ、ありがとうございます。実に興味深い」
そんなこのみの様子を知ってか知らずか、裕也は感心した風だった。
…もしかして、茶化してる?
「あのなぁ……。それより、このみ大丈夫か?」
「うん? 何が?」
急に元気になりやがる。
わけわからんな。
「いや、急に哀しそうな顔したから」
「そう?」
「ああ…」
「そんなことないと思うんだけどなぁ~…」
「ま、それならいいんだ。うん」
気のせいならそれに越したこたぁない。
「で、そろそろ教室に入らないと不味いと思うんだが?」
「全くだ」
「よし、入ろおっ!」
おれたちは二年四組の教室へと足を踏み入れた――。

――教室内は、ひどく騒がしかった。
と言うのは、いつも通りのことであって、別に何ら変わったことがあるわけでもない。
問題と言えば問題かも知れなかったが、これが普通何だと思えば特に気になるということもなかった。
おれは後ろの方の席へと着く。
ちなみに、右隣にはこのみがいる。
蛇足かも知れないが、このみとは二年生になってから一回も席が隣から離れたことがない。
…これは絶対にクラスの奴の陰謀だ。間違いない。
おれの見解としては、だ。多分、おれに面倒を見ろ、とでもクラスの奴は言いたいんだろう。
幼なじみの面倒は幼なじみが見るのが基本。
RPGでは、敵を倒して経験値を増やすのが基本。
はあ…全くながら、姑息な手段だぜ。
とまあ、それはひとまず置いといて。
そして逆サイド、つまりおれの左隣には、紫村 睦美(しむら むつみ)という女子がいる。
こいつとも結構仲が良かったりもする。
あと、裕也の席がおれの右斜め後ろで、真後ろに音夏 智之(ねなつ ともゆき)という男子がいる。
こいつは、かなり変わっていたりするんだけど、その辺は追々語っていくことにして。
…とりあえず、よく話すのはこの四人ぐらいだから、他の紹介は割愛しておく。
ということで……キーンコーンカーンコーン。
……チャイムも鳴ったので残り五分。
さて、何をしますかね――?
チョンチョン。
「おはようさん」
何か肩に触れたと思ったら……、
「何だ、“とも”か。おはよ」
              ・・・・・・・・
ちなみに俺の肩に触れたものはドラムスティック。
何でもドラムスティックは愛用の品らしく、いつでも身につけている。
(変なのは体育の時で、体操服のどこに仕舞っているのか頻繁に出てくる)
もちろん、ドラムの腕はピカイチだ。
「ともゆきくん、おはよっ♪」
このみが笑顔で挨拶する。
このみの基本の顔はこの笑顔なんだろうな。
「智之か…」
こっち、眠そうなのは裕也。
「おう、みんなおはよぉ~」
…関西弁だ。
智之はエセ関西弁で喋る変な男だ。
ここで“エセ”って言ったのには意味があって、実は智之、生まれも育ちも関西ではない。
一度としてこの新緑町近辺と違うところに住んでいたことはなかったりする。
けれど、“関西弁”。
いやぁ、世の中は謎だらけですなぁ…。
「それより、蒼二、友人に向かって何だとはまぁ、ご挨拶なやっちゃなぁ!」
「ああ、挨拶だからな」
「そ、か。そやな、こりゃ一本取られたわ…って何でやねんっ!」
裏拳ピシィーッ!
智之のノリツッコミが炸裂する。
「流石、関西人。ノリツッコミも勢いが違うな」
「関西人ちゃうちゅってんねん!」
自分は関西弁を使うのに、何故か他人(ひと)から“関西人”と言われると智之はムキになって怒る。
どうしたいのかがいまいちよくわからない。
「…ところで、睦美はまだか?」
「いんや、ワイは知らんで。まぁた、どっか行っとんのとちゃうか? あいつも結構忙しいやっちゃさかい」
ス、スゲー関西弁だ…え、ええよ!!
…うつっちまった。
「そうか」
「あぁ、何でも最近は生徒会にも首を突っ込んでいるらしい」
机の上にノートパソコンを開きながら、話に混ざってくる裕也。
「あいつもそういうの、ホント好きだよな~」
「好きっていうか、誘われたら断れないらしいよ?」
このみも話に混ざってくる。
「なるほどね。でも、やる気がなけりゃ、んなことなかなかできないだろ」
「それはそうかも」
「だろ?」
ま、他人(ひと)事だけど。
やっぱ、心配はする。
そんなことを話していると……。
「おはよう」
噂の睦美が席へとやって来た。
「おはよ」
「はよー」
「…おっす」
「おはようさん」
四人がそれぞれに挨拶をする。
…何となく誰が言った挨拶かがわかるのが不思議だよなぁ。
そして、おれたちの挨拶に会釈をしながら席に着く睦美。
「生徒会か?」
おれは睦美に何とはなしに訊いてみる。
「そうだな。最近は学園祭の準備などでめっぽう忙しい。休み時間も全て返上というぐらいで動き回っている」
「そっか。そいつはまた…何と言うか…お疲れさん」
「…あぁ」
長髪がトレードマークかも知れない睦美が男口調で答える。
「まぁ、そう思うなら、肩ぐらい揉んでくれても罰は当たらないと思うが」
「…図々しい女」
「何か言ったか…?」
「いいえ、何も」
睦美を怒らせると怖いの何のって、もう怖い。
こう、笑顔で怒ってるときなんてのは滅茶苦茶怖い。
…それを言うなら、このみも、かね。
「今年は何日からだっけ?」
そんなおれを尻目に、裕也がパソコンの画面と睨めっこしながら訊く。
ちなみにおれは睦の肩揉み中。
…あぁ、これが女子の柔肌……って、んなこと言ってる場合か!
何でおれこんなことしてんだよ……。
「ん? 9日から4日間だが? …あぁ、そこ。そこそこ。んあぁ、気持ちいいぞ」」
「そ、そうか…? 結構長いんだな…」
そんなセリフを睦美から聞くとは…これはこれで役得かな。
でも、喋ってる間のどさくさに紛れて肩揉み終了!
…ふぅ、開放。
「体育館でのステージ発表とかも長いんやろ?」
智之が訊く。
「そうだな。…体育館は、3日間のようだ」
睦美は、何やらポケットからごつい手帳を取り出して確認する。
「3日間? それじゃあ、あとの一日は?」
聞き間違ったかと思っておれは訊き返した。
「いや、その辺りのことは私もよくわからないんだが…何でも、予備日に当てるらしい」
「予備日?」
また面白いことを言う。
体育館で延期になるようなイベントなんてあるのか?
「そうだ。…まぁ、これに関しては私も腑に落ちないのだが……」
そりゃそうだろうな。
「学園側が提示してきたことなので、これ以上は何も言えないのが現状だ」
やはり日程を決めるのは学園側。
あくまで、生徒は個々、或いは生徒会やらは企画自体を運営するのであって、
管理は学園にある。
学園祭を成功させるには、学園側の協力が必要不可欠。
(授業の時間に関しても、お金のことに関してもだ)
納得いかなくとも、甘んじなければならないこともある。
「実は、ビッグなゲストを呼んでたりして」
このみがそうだったらいいな、という風に言う。
「それも…無きにしも非ずといった感じだな。正式に決定してないので、すまないが、
この件についてはまだ何とも言えない」
「でも、もしそうだとしたらスゲーよな」
「ワイは漫才がええな」
「…こういうのって、普通、バンドとかじゃないのか?」
「お? そんでも、ワイ軽音部からヘルプ頼まれとるで?」
「だから、それとは別にさ」
「何でそないな必要あんねん。ウチの軽音部はレベル高いの、蒼二も知っとるやろ?」
「あ、あぁ…それは知ってる」
特にお前中心で。
「せやから、漫才」
「…ま、呼びやすいだろうけどな……」
「講演というのもあるぞ?」
裕也が口を挟む。
「マ、マジ…? 学園祭にそれはないだろ…」
「いやいや、それもあり得るな」
「え!?」
「是非、一つ私が勧めておこう」
「や、やめてくれぇ~…」
マジ勘弁。

おれたち五人が集まると、話すことが山ほど出てくる訳なんだけど、
時間が時間だっただけにすぐチャイムがなってしまい、HRが始まった。
聖花学園では、朝と帰りに五分間のSHR(ショートホームルーム)がある。
普段は担任の連絡程度で終わるけど、何かクラスの決め事をする時もある。
ただし、時間はあくまで短いので、大きな決め事や時間がかかることなどは、
週に一時間ある、LHR(ロングホームルーム)に回されることになる。
「……それでは、終わりましょう。一時限目の用意をしておいてください」
今日は何もなく、出欠の確認だけで終わった。
おれたちのクラス担任は、真面目というか、几帳面な性格の持ち主で、結構、お堅いイメージだ。
けれど、その反面、冗談を言った時には、ドッと笑いが起こる。
真面目な人ほど、冗談を言うというイメージがないからだろう。
そんなことより――
「次の授業って何だっけ?」
「英語だ」
「英語かぁ~」
おれは机の中から教科書を取り出す。
ほどなくして、英語の授業が始まった――。

ここで、今までに登場した人物を一気に整理しておこう。
今までに出会った人物が、おれの関わっているほとんどになる。
まず、おれ…は、(言わなくてもいいだろうけど)風見 蒼二(かざみ そうじ)。
剣道で全国大会優勝の経験がある。
…といっても、過去ではなくて現在形。
まだ優勝してから次の大会が開かれていない。
でも、普通の生活は今は何一つ変わりがない。
味気ないな。
全国一位なのに。
性格はご存知の通り。
じゃ、次。
風見 彩紗(かざみ ありさ)は、おれの妹だ。
頭脳明晰とは、まさにこいつのためにある言葉なんじゃないかと思うぐらいに、頭がいい。
成績は常に学年トップ。
全国でも十(とお)の指に入るぐらいだ。
こいつが本当におれの妹なのか、としばしば思ったりするんだけど、それはそれ。
頭の出来が違うんだ、ってことで納得。
…しておかないと、気が滅入ってしまってたまらない。
で、次。
牧井 このみ(まきい このみ)は、おれの幼なじみ。
幼稚園からの付き合いだったりする。
中学まで一緒だったのは何となくわかるんだけど、
高校まで一緒になったのはどうしてなのかわからない。
…この調子だと、この先ずっと一緒のような気がしてならない。
というのは半分冗談。
でも、半分本気。
これは現在、おれの抱えてる悩みの種の一つでもある。
背はやたらと低い。
150cm以下だね、これは。
髪は短いツインテール(髪が短いわけではなくて、ツインテールが短いという意味)。
あ、そうそう。
魔法に関しては、『物を浮かばせる』ということが出来て、現在、魔法のことを勉強中。
いろいろ使えるらしい。
さて、次。
紫村 睦美(しむら むつみ)は、ちょっと…いや、かなり武闘派な女の子。
イメージは『義理』と『人情』が似合うといった感じ。
もちろん、武道は全般、満遍なく得意みたいで、おれと剣道がまともにやり合える
数少ない人物の一人だ。
性格はさっぱりした感じで、口調は男口調。
だけど、『義理』と『人情』に厚いため、頼み事をされると断れないようだ。
そういうこともあって、最近は生徒会にも顔を出しているらしい。
そして、次。
須藤 祐也(すどう ゆうや)は、パソコン大好き人間。
世間ではこういう人を、『オタク』という。
…まぁ、それは置いといて。
こいつは、ノートパソコンを常時携帯というマジで変わった奴だ。
それなのに、頭はいい性質らしく、学年でトップレベル。
(しかし、彩紗ほど確実にトップというわけではない。
勉強にのみにしか力を注いでいないような奴もいるからだ。
…って、あれ? それじゃ、普通よりちょっと多めに勉強してるだけで、成績優秀の彩紗って……。
やめやめ! マジで恐ろしくなってきたよ…)
何となく悔しいけども…。
まぁ、しょうがない。
あと、データ管理とかは割と得意みたいなので、おれもよく世話になっている。
そして、次。
音夏 智之(ねなつ ともゆき)は、何故か関西弁を喋るこれまた変わった奴。
けれども、面白い奴だということは素直に認める。
自然と周りを明るくしてくれる、いわばムードメーカー。
それでも、真面目な時は本当に真面目でこっちもたじたじ、なんてこともある。
トレードマークは、たぶん、愛用のドラムスティック。
これは、体育の時も何処に隠しているのか常時携帯。
手の代わりをしてる時もある。
もちろん、ドラムスティック正規の使い方をしている時も、ドラムを叩く姿はかなり鮮やか。
おそらく、この学園の中でこいつより上手いドラマーは他にはいないだろう。
あとは…まぁ、後々わかってくることもあるはず。
そんでもって、最後。
白泉 紗代(しらいずみ さよ)は、彩紗の友達。
といっても、おれが良く関わる人を紹介している訳だから、この娘(こ)もおれとよく関わっている。
彩紗の友達といっても、ただの友達じゃあない。
四六時中べったり、と表現しても別に過言ではないぐらいにいつも一緒にいる。
さっきも彩紗と一緒にいたけど、おれたちのテンションが高すぎていまいち入って来れなかったみたいだな。
一緒にいるっていうのは、学園内に限った話ではない。
だから、当然、家にもよく遊びに来る。
といった感じで、知らず知らずのうちによく話す相手になった訳だ。
……とまぁ、こんなモンかな。
他のことは追々話していくことにして。
兎にも角にも、英語の授業はまだ続く――。

続く

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