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オキナワの中年
*てふてふP「戦い、闘う、蠅」
2001/02/02
昨年末第二十八回琉球新報短編小説賞を、二十四歳という若い書き手である「てふてふP」の「戦い、闘う蠅」が受賞した。若者たちの文学離れのため、近年、高齢者の新人賞受賞が相次いでいる。むろん長い生活経験を経、ようやくそれを文学表現として定着した高齢者の作品は特別な味わいがある。が、やはり「新人賞」という名にふさわしい受賞者は新鮮である。
「てふてふP」という奇妙なペンネームには違和感を覚える読者もいるだろう。しかし彼らインターネット世代において、ネット上のペンネームというべきハンドルの中におけば、ごく普通の感覚である。最近発刊された『沖国大文学』の目次にも「ケモリン」「キュウリキリコ」などの名が見える。かつての漱石、荷風などの号は漢文脈にあり、昭和文学は本名もしくは通常の名称と見なし得るようなペンネームの書き手によって担われた。それが現在新しい潮流に移ったと言うことであろう。問題はペンネームの新感覚ではなく、作品の内実である。
「戦い、闘う、蠅」は作品内容も非常に不可思議である。大学を卒業したての「美香子」という女性を主人公とし、彼女と祖母の葛藤(かっとう)がつづられる。両親の不和により祖母と二人暮らしの美香子は、幼少のころから朝寝坊、食事を残すなど、事あるごとに祖母の折檻(せっかん)を受けた。蠅と同じようにはえ叩きで殴られるのである。やがて祖母は亡くなるのだが、その時の状況は美香子には、祖母が「戦闘蠅」に殺されたとイメージされている。
大学に入学後、一人暮らしのアパートに再び祖母が出現するようになった。そして酒タバコ、夜遊び、またたった一度の恋愛は祖母によって阻止される。それゆえ美香子はかつて祖母を殺した「戦闘蠅」を探し続けるのだが、見つからない内に卒業式を迎えてしまった。大学院に進学し、探し続けようか迷うのだが、断念し就職する事にする。就職を目前に控え、「祖母」というモチーフで象徴されていたものの内実が、ようやくある程度明らかになる。「戦闘蠅がいなければ無理に決まっている。厳しい上司、わがままな客、仕事上のつきあい、おばあちゃんが決めた門限、私にはとても出来ない」
この祖母に象徴されるものについて、日野啓三は「秩序」としてとらえた。これは必ずしも的外れではないが、「秩序」として外部からとらえるより、むしろ主人公の自由、自律的な生き方を阻む一切のもの、と見る方がより的確であろう。逆に言えば「戦闘蠅」こそが、自由な自己の象徴なのであり、それゆえそれは自由な空間であるべき大学で探されたのである。「戦闘蠅」が大学で見つからなかったことは、主人公の大学に対する失望、という隠されたモチーフとなっている。
「戦闘蠅」を見つけ出せない美香子は、それを自ら描くことを思いつく。自己表現による自己解放である。ただ書きかけの「戦闘蠅」が、祖母によって破られてしまう、というエピソードが、このモチーフを解りづらくしている。結局「戦闘蠅」のイメージを「刺青」として自らの身体に刻むことにより、美香子は事態を克服するのだが、これは作品内で言及される通り、谷崎潤一郎の「刺青」に引っ張られたものである。一方で身体性という現代的な感覚を加えたわけだが、その一方「店」の力を介在させた事が良かったのかどうか疑問が残る。完全に独力で克服するべきだったのでは無かろうか。
以上のような読み方は、あるいは一面的かも知れない。というのはこの作品に現れる「ロボット」になりたい、というもう一つのモチーフである。「ロボット」は自律的な自己とは正反対の、むしろ完全に自動化した、自己ならざるものへの志向である。自己に対する抑圧に抵抗する手段は確かに二つある。それは抑圧と戦うこと、また一方は自己を滅却することである。そのどちらが有効なのか、ここらあたりが作者自身の揺れを暗示している。
この点について大城立裕は「肯定か否定かは問題ではなく、そういう葛藤の存在だけあればよいのかもしれないが、私はまだ説得された気がしない」と疑問を呈している。確かに短編小説という形式上、読みの多様性と言う言葉だけでは擁護しにくい不確かさが、この作品にあるのは事実である。結末の「私が好きなように振る舞っていく。敵を蹴散らせていく」という状況を活(い)かすためには、「ロボット」というモチーフは、はっきりどこかで克服されるべきではなかったか。
しかしこの作品が受賞した事自体は全く妥当だと思われる。それは描写力、発想力、また方言による会話等に見られる、「てふてふP」という作家のキャパシティーにある。受賞記念のエッセーを読み、その感をより強く持った。
作者は受賞を海外で知った。それも出来合いのパック旅行ではなく、アジアの放浪中である。腸チフスという、場合によっては死ぬかもしれないような体験を飄々(ひょうひょう)と描き、さらに、言語さえ除けば、本質的に他のアジア人となんら異なることのない自己の発見を喜んでいる。国際化とは名ばかりで、急速に進む大和化に身をゆだねている若者とも、漠然とオキナワアイデンティティーに目覚めつつも、沖縄文化をまるで知らない若者とも違った、新たな青年像がある。
方言にある程度通暁し、しっかりした日本語による散文を書くことが出来、さらに欧米偏重ではない、新しい国際感覚を持つ。国際化、新世代と言っても、現実にはまだ数年はかかるだろう、と考えていたが、それが本当に間近に迫っていることをはっきりと示した。いわゆる「沖縄文学」という概念自体を大きくかえる可能性のあるこの作家の次回作に、大いに期待したい。
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