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オキナワの中年
崎山多美「水上揺籃」
2001/08/30
『群像』八月号に崎山多美の最新作「水上揺籃」が掲載された。現在崎山は本紙で琉球芸能に関するエッセイを連載中であり、権威に頓着しない鋭い批評は話題となっている。「水上揺籃」はまさにその琉球芸能を素材とすることにより、「シマ」「記憶」「音」といったこれまでのテーマを深化させ、さらには「土着と普遍」という、ここ数年沖縄文学が直面している課題にきわめて具体的な方法を提示した。崎山自身、あるいは沖縄文学という枠組みを超え、長い近代文学史全体のなかでも、芸能という素材を媒介とし、「幻想」をこれほど必然的に表現しえたのは、他に泉鏡花を数えるのみではないのか。
■………■
作品は二十年以上前にある理由で芸能を離れ、現在は事務員として生活している女性「わたし」のもとに、かつて特殊な関係にあった演出家「Y」からの招待状が届くところに始まる。過疎の「シマ」に唐突に建てられた、リゾートホテルのオープン記念イベントとして行われる舞台を待つ時間が、作品の大枠になる。観客として招かれたつもりの「わたし」がかつての現実と舞台経験との回想を繰り返す中で、徐々に「一度足を踏み入れたものは、誰もが演技者になる」という「Y」の産み出したこの「シマ」の論理に巻き込まれていく。「Y」と再会した後「わたし」は、「於戸兼(ウトゥガニ)の杜」と呼ばれる聖域を訪れるのだが、そこで「わたし」はウトゥガニという伝承の中の少女となり、神と人間との仲立ちという役割を果たす。この部分は作品の山場なのだが、聖域を訪れたこと自体は現実なのか、またそのような伝承自体はシマに存在するのか、それともすべてが「わたし」個人の幻想だったのか、はっきりしたことは何も分からない。さらに「Y」によって、「わたし」の幼名がウトゥガニであり、そもそも伝承の中のウトゥガニその人であることが告げられる。最後に「わたし」は「Y」の準備した水上の舞台で、全く予備知識の無いままウトゥガニを演じることになる。
このように要約してしまうと、全く荒唐無稽(むけい)の話にみえるかも知れないが、少々詳しく説明しても同じことである。ちょうど自分のみた衝撃的な夢を、他人にそのまま伝えようとする時に感じる徒労感と同様、この作品を合理的に説明するのはそもそも不可能なのだ。要約の困難性は優れた「幻想小説」、さらにいえば優れた言語芸術一般の一つの指標である。
■………■
この作品を「幻想小説」と呼ぶことについては、若干の留保が必要だろう。というのは「幻想」という言葉には「現実」という一定の枠組みが前提とされている。ここまでは現実と幻想という言葉を便宜的に用いたが、この作品においてはそのような二項対立はほとんど意味を持たないのである。たとえば作中の様々なエピソードは、しいて行えば、現実、幻想、現在時、回想時、「執心鐘入(しゅうしんかねいり)」のような比較的よく知られた組踊、「Y」が演出した作品内の虚構、等々細かく分類することが可能であるが、そのような分類はそれほど本質的な問題ではない。「わたし」にとってそれらは体験としてすべて等価なのだ。そして重要なのはこの作品においては、読者にとってもまた、現実、虚構、幻想といった枠組みがほとんど無効となるある種の体験が、「わたし」という身体的な存在を通して可能になるという点である。
これまでの崎山文学においても、過去と現在、現実と幻想が女性の身体感覚において重層化するというのは、きわめて重要な側面であった。しかし今回「水上揺籃」においてみられる達成には、芸能における、演技する身体という要素が欠くことができないものとなっている。優れた演技において、その所作自体が現実なのか虚構なのかを問うことが無意味であるように、この作品においては虚構も現実も幻想も確かな実体として体験されうるのである。
この作品における芸能という素材は、さらに近代的な個人と、共同体との対立を通底させる媒介にもなっている。ウトゥガニをめぐるエピソードがそれであって、これは神もしくは伝承と具体的な個人を媒介する、という芸能のひとつの本質を示すのと同時に、長い人類史上ほんのわずかな期間だけ流通している近代的な個人というシステムを相対化している。いうまでもなくこの課題は、現代を生きるわれわれ全体の普遍的な課題である。それが小さなシマの伝承と密接に結びつき、かつそれが読者に確かな現実感として体験されるという比類無い達成を示しているのである。
■………■
題名の「水上揺籃」とは「水の上のゆりかご」ということである。これは「Y」が海上に設置した仮設舞台を直接には示しているが、それはこの舞台が、「わたし」の新たな誕生の場であることを暗示している。と同時にこの作品が崎山文学自体の新たな誕生であり、さらに長期的に見るならば、この作品は、沖縄文学の新たな命を抱く「ゆりかご」となるであろうと思われる。
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