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主な登場人物

・天下夜空。15歳。1歳の頃に親を事故で亡くし、以来義親に育てられることに。宝物は小さい頃から持っているペンダント。

・二宮魅流奈。15歳。自分たちの正体がわかるまでは夜空とは特に話すこともなく、苗字で呼び合っていたほど何の関係もなかったが、千歳&かけるの出現により二人の関係は身近なものとなった。夜空とおそろいのペンダントを持っている。

・夢礼千歳。17歳。夜空&魅流奈の先輩。色んな面で厳しいがいざという時にはしっかりと2人を支えてくれる。結構なポーカーフェイスが消えたときの笑みは「わぁー」と言ってしまうほど意外な感じ。と、いっても泣くときは泣くし、怒るときは怒る。2人と同じペンダントを持っている。

・園田かける。18歳。千歳と行動を共にしている。下の学年の女子からは「園田先輩w」で通っている、イケメン。(らしいよ)3人たちと同じ物のペンダントの持ち主。


>>>>>>>>>>>

「夜空!!早く!」
「う、うん。OK・・・!」
私、天下 夜空。詳しいことはよくわからないけど小さいころにママとパパを事故で亡くして義母に育てられて12年近くたちます。隣にいるのは二宮 魅琉奈。私たち2人に
ついさっき、信じられないことが起こったんだ。

―ついさっき―
「ねぇねぇ。夜空ちゃん。そのペンダントいつも身につけてるけど・・・」
「あっ。これ?これねぇ・・・小さいころから持ってるんだ。義母さんに
聞いてもわかんないだろうし。」
「ふ~ん」

そのペンダントとは、「天空魔法石」。不思議な藍色の色をした石の中央には見事な輝きを放つ、クロスが埋めてある。そのクロスの真ん中の石は水晶で6角形の小さい物だった。石の左右には同じ高さでガラス細工の羽がつけられている。夜空は両親のことを少しでも知りたいので、あちこちのガラス工房に足を運び、「このガラス、どこで作られたかわかりませんか?」と聞くのである。しかし、どの店の主人もこの羽ガラスをみると目を細め、「驚いた」と呟くのである。「こんな物のいいガラス・・・、見たことないよ。ツヤがすばらしいじゃないか」などと言われるだけなのだ。ただ、そのことで、この石には相当の額があることだけが分かった。


―放課後―
「二宮、天下。これ頼むわ」
「え?」
「はぁ・・・」
「(あ~あ。面倒くさい・・・。居残り作業なんて・・・)」
「あの、天下さん。これあとでまとめておいてくれる?手伝うから。」
魅琉奈が夜空の前に立った時・・・。夜空はあることに気づいた。
そう。魅琉奈が自分と色違いの同じもののペンダントを持っていたのだ。
石の色は、琥珀色だ。
「あ・・・二宮さん・・・それ」
夜空が呟いた瞬間。

ピカッ・・・眩い光が放たれた。
二人が次に目を開けると、二つの石のクロスの中央と中央から光の柱が放たれ、水晶と水晶が通じ合っている。
「「!!?」」
二人が驚いてペンダントを握り締めると・・・!

バサァアッ――

「はっ・・・羽ーーっ!!?」
二人の背中から美しい純白の羽が生えている。
「きゃーーっ!取れない~~~」
「ちょっ、まッ・・・!」
夜空がペンダントに触れると・・・
「あっ!羽が小さくなった!」
2人の羽がさっきより半分は小さくなった。
「え?」
魅琉奈もペンダントに触れる。

シャッ・・・

羽は消えた。
「なっ、なんだったんだ?!」
「もしかして、2人同時にペンダントに触ると羽が出たり入ったりするんじゃないのかな・・・?」
「まさかぁ!!」

「見せてもらったよ。」

2人は背筋が凍る思いだ。
「君らがこの辺に任務を果たしに来た天使だったんだね。」
「えっ!?」
「あたしは、夢礼 千歳」
「僕は園田 かける。君達はこれから一人前の天使になるために
僕たちの下に来てもらうよ。」
「・・・は?」

   続く・・・

===次回予告===
二人の前に現れたなぞの2人組、千歳、かける。
天使って!?このペンダントの正体は!?修行ってなんじゃらホイ!??


>>>>>>>>>>>>

「なっ・・・!」
「ちょっ、ちょっと待ってください!あなた達は何なんですか!?私たちが天使ってどういうことですか!?」
夜空が聞いた。
「ふ~ん。」
「義親に何にも聞いてないのね。普通話すものだと思ってたけど・・・」
「っ!!??」
「天下さん、あなたのご両親はあなたの家に入り込んできた堕天使に殺されたのよ。将来新たな力を発揮するはずの天下さんと、二宮さんを殺すために。けど、普通の親なら絶対我が子を守るでしょ。その戦いの末に天下さんのご両親は亡くなったの。その、「天空魔法石」をあなたの元に残してね・・・!その石のおかげであなたの周りに結界が張られて、あなたは命を取り留めた。それが跳ねかえって堕天のトップのネレヤとテキッドは・・・死んだわ。元が力のつよい聖天使だと、堕天使になったときも力は強力になるし、元々力が強い族の堕天族は子供も曾曾曾曾曾孫も力は強力なのよ」
「そ・・・んな」
初めて知った。自分のせいで親がこの世を去ったなんて・・・!
「わ・・・たしのパパは・・・普通の人間なのに・・・!」
魅琉奈が途切れ途切れに喋る。
「あなたのお母様がきっと天使だったのね。本当ならあなたはハーフだからさっきみたいに大きな羽は普通生えないわ。けど・・・、天使星が堕天たちによって汚され始めたのを悟ったあなたのお母様は死を覚悟して、天使星に戻ったんでしょうね。きっと・・・!でも?じゃあなんで、さっき2人に大きい羽が生えたかって?それは、2人で1人だからよ。でも、二宮さんは半分にも達しないはずなの。けど、お母様がきっと・・・、星に戻る前に天空魔法石に力を込めて、あなたの元においていったのよ。だからあなたの力は石の力で補われているの。」
「『天空魔法石』は元々、力のある天使の族が持っているものなんだ。なぜかというと、君達の本ッッッ当に昔の先祖達の力で作られたものだから。普通こんなに魔法を秘めた石を作れば、大半の天使が力を使い果たし、死んでしまう。けど、力があれば生き残り、そこから体力を回復するんだ。」
「天下さんと二宮さんの族は力があることで星でも有名だった。けどそれは
イコール、堕天に狙われやすい。ということだった。」
「はい、それでおしまい。」
「だから、この先堕天が来たときに星を守るのは、貴方達の可能性が高いわけ。つまり、星の未来は貴方達にかかってるってことね。」
「「そ、そんな~~」」
2人が同時に言う。
「――それに君達をまだ堕天が狙ってる可能性もあるし・・・!」
「・・・だから貴方達にこの呪文を覚えてもらうわ。」
千歳が夜空に。かけるが魅琉奈の額に手を当て、念じる。2人の手先から光がもれる。

『我に力を与えたまえ。この十字架にかけて、魔を封じん。水晶の光、封印解除~クロスよ!武器になれ!!~』

一回2人が額から手を離す。
「あ――・・・!」
「・・・?何?今の・・・。」
「覚えた?」
「次は封印の呪文を・・・!」
もう一度2人が夜空達の額に手を当てる。

『ルマリナ!キシュパミク!ライダナ・エツフリア!!~魔よ今ここに眠れ!魂よ、封印せんずる!!~パロガフィーラ!!』

「これで、修行してね。危ないときは呼んでくれればOKだから♪空に封印の印、丸の中に星ね、それを描いて手で魔に押し付けるように。最後にエツフリアで、両手を前にだして、パロガフィーラで魔に当たるように。」
「えっ、まっ・・・ちょっと待ってくださ・・・」

シャッと音をたて2人は消えていた。

「なんだったんだろう・・・。」
「でも・・・これで私達の親のこと・・・!」
「うん。知らなかったよ。私――」
「ね、天下さん、これから色々一緒になりそうだから名前で呼び捨て良い?」
「え・・・!うんっ。よろしくね、魅流奈。」
「よろしく、夜空。」

「いたいた。あのリスカナ族の天下夜空と、カルキリ族の二宮魅琉奈。
そっちも大事だけど・・・」
その羽を生やした男が表情を変える。
「千歳・・・お前を必ず俺のモンにしてやる。――かけるから奪ってやるからな!!」

キンッ・・・・

気配を感じ、千歳とかけるは振り向いた。
「堕天・・・?」
「まさか・・・」

「じゃ、最初は愛しい千歳から奪ってやるかな、前世の恨み、今晴らす!ナイマヤ族の園田かける!!母さんと父さんの敵!覚悟ッ!」
・・・その男の名は、堕天使のイリパラ族の堕天のトップ、ネレヤとテキッドの子供、リュガイだった――・・・!

      続く・・・・

<<<<<<<<<次回予告>>>>>>
千歳、かける、夜空、魅琉奈。天使全員に忍び寄る堕天、リュガイの魔の手―・・・!およ?千歳の身に危険が・・・?

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

「っと、まずは千歳を俺のモンにするには、千歳を堕天にしなきゃな。その為には天使が二人いる・・・。かけるは天使として完璧に覚醒してるし・・・!
まずは、あの半端な天使、夜空に魅流奈・・・・を狙っていくか。」
「!?」
「ん?どした。夜空。」
「ん?別に・・・!(なーんかヤな予感したんだけど・・・)」

「ねぇ!あの2人にちゃんと話聞かなきゃ!」
「うん・・・」
「夜空!!早く!」
「う・・・うん。OK・・・!」
2人は3年のクラスへ走り出した・・・。
――とそこへ。
「おう、天下じゃん!居残りか?運悪ぃなぁ!」
「あっ・・・/////橘先輩・・・!」
「ん?(なーる。この人が好きなんだぁv)」
「あっ!夜空vあたし生徒会室に忘れ物しちゃった!とってくる~」
「えっ?あ、まっ、待ってよ~!魅流奈~~・・・」
「いいじゃん。待ってれば。」
「はっ、はいぃぃぃい・・・///」
2人はなんとなく橘を中心に適当な話をしていた
「夜空~!取ってきた~!ごめん~~!」
「あ、うん。気に・・・しなくていいよ。」
「じゃな、天下、二宮。」

「あんた、橘先輩好きでショ。」
「~~~~っ/////」
「あははは!照れない、照れない。」

「これは使える。あの、橘ってやつを・・・」

「橘先輩ってハードル高いよ?夜空~。他の男子にも目をやるべし!」
「いや!私は橘先輩が好きだもん!!それに・・・っ」
「ん?」
「明後日告白するって・・・ 決めたんだもん!! 」
「そ・・・じゃ、何も言わないよ。頑張れよ!」
「・・・・うん。」


「あ゛~~~~~~っ!今日は散々だったよォ・・・」
そこに、ふわりといい匂いが漂ってくる。
「ん?」
夜空は家の階段を降りていく。
「あっ。お母さん。新しいお花が届いたの?」
「え?あぁ、夜空お帰り!そう、カモミールよぉvいい匂いだわ」
「ふふv私宿題やってくる~!」
「はーい!ご飯になったら呼ぶから来なさいね!」
「うん!」
そうして、儀母は影に消えた。
「・・・・(本当は・・・笑ってなんかいたくないけど・・・)」
夜空の表情が曇る。
「笑顔が疲れる・・・。(ポソッ)」
そして、夜空は思い出す。
「あ、あーっ!お母さんキッチン貸してーーーっ!」
きゃ~と夜空は走り出した。


~翌朝~
「へ?」
「リゾート地に旅行・・・?」
「あぁ、金銭的な問題は僕に任して。一緒にどうだい?ご両親に許可をもらって。」
「止まるホテルは、ロイヤル橘ホテルプリンスよ」
「え、えーーーーーーーーーーっ!うっそーーーーーー!あの有名な橘グループの本店だって言われてるホテルじゃない!!」
「しかも、今話題のリゾート地にあるホテル!!」
「「行きます!!(ハモリ~)」」
「そ?じゃあ、連絡するわ、ちゃんと親に許可もらっとくのよ。」
千歳が赤が強い橙色の髪をサラッとなびかせながら、かけるはくるっと周り2人は去って行った。
「なんで誘ってくれたのかなァ」
「さあねvま、お近づきの印ってやつじゃない?きゃ~、あのリゾート地にいけるんだぁv夢みたい!!」
魅琉奈は大はしゃぎだ。
「うん・・・・、楽しみだね。(変だな、さっきは行きたいと思ったのに話が終わったら胸騒ぎがするなんて・・・!)」
夜空はペンダントをギュッと握り締め、不安げに言った。
「ちょっと待ったぁ!夜空!ペンダント握り締めたら、羽・・・!」
遅かった。小さな羽根が2人の背中から、パサッと生えてしまっている。
「やばい!教室だよぉ!」
と、周りを見ると・・・
「止まって・・・る?」
とそのとき声がした。
「まったく、ドジね!もう!」
千歳が手から光を放ちながら怒っている。
「夜空!何をやすやすと・・・!天空魔法石に触れてるの!!」
「す・・・すいません。」
「まったく、私が忘れ物してなければッ、私達の世界が危うく暴かれるところよ!今回は偶々助かったんだから!」
「う・・・、ごめんなさい。」
「夜空、お互い気をつけようね。(笑汗」
「うん。」
「さっ、早く羽をしまいなさい!2人とも。」
「「はーい!」」
シュツ、シュッと風を切る音がして、2人の背中から羽は消えた。
「気をつけるのよ、2人とも・・・」
そういいのこして、千歳は去った。
「(あの子達、自覚が足りないわ、まったく・・・!力も結構半端みたいだし・・・!本当に2人とも天使なの・・・?)」

「あれ?夢礼じゃん。何してんの?」
「・・・あら、橘くん。あなたこそ、どうしたの」
「べつに」
「そう。・・・っ!?」
キンッ、千歳は感じた。橘から堕天の気配を。
「くっ・・・」
千歳が天空魔法石に触れようとしたそのとき。
「千歳・・・、会いたかったよ」
橘の後ろにリュガイが現れた。
「まさか!!?橘くんをッ!操ってるのね!?卑怯よ、リュガイ!今すぐ橘君を解放して!!」
「なんだよ、俺よりこんな男にかまうわけ?まったく」
リュガイが手を千歳に向ける。
ビュンッ、と激しい音がしたかと思うと、千歳は眠りについていた。
「ん・・・」
「千歳~、お前やっぱ可愛いよ~ぅv」
リュガイは千歳を抱いて空に消えていった。

「ね、お母さん。園田先輩が連れてってくれるんだもん、いいでしょう?」
「・・・う~ん、女の子は2人いるの?」
「うん!」
「そう・・・じゃあいいか・・・な」
「わ~!ありがとう!お母さん!きゃ~♪」
夜空は旅行の準備を始めた。

「う・・・ん、ここ・・・は?」
「ようこそ、我が堕天の隠れ家へ、といっても俺と何人しかいないけど。」
「私をどうするき?」
「簡単な事さ、君をぼくのものにする。千歳を堕天使にするのさ、それで。橘を使ってまず夜空をおびき寄せ、その夜空を人質にして魅琉奈を呼び寄せる。かけるは来なくていいんだけど。それで2人をいけにえにするのさ、お前を堕天にするために」
「 冗談じゃない! 誰がッ!あんたなんかと!じょーだんじゃ なーーいっ!! 」
「ははは・・・、抵抗しても無駄。今度のリゾート地で君は堕天になるんだ。」
「――――――――ッ!」
「レカ・・・、準備はいいか?」
「う~んvおっけーv」
「なっ・・・か・・・、あたし?」
「こいつは俺の妹。レカ。千歳そっくりだろ。」
「冗談じゃない!こんなガキと似てるなんて言われたら困っちゃうわっ?!」
「ムカッ。失礼ね~、お兄ちゃん。こんなののどこがいいわけ?」
「ま、いいじゃん。もうちょっとしたら仲良くなれるって。」
「~~~~~~~っ!(助けて、かける・・・)」

助けて――――・・・!!

「!!?」
「どうした?かける」
「いや、なんでもないよ。(千歳に呼ばれた気がしたんだけどな)」
「かける先輩~!」
「夜空?魅琉奈。」
「あの~ぉ、千歳・・・先輩は?」
「え。来てない?遅いねぇ、いつもはかなり早いやつなんだけど」
「かけるーー」
「「「あっ!!」」」
「遅くなっちゃってごめんねー、寝坊しちゃって・・・」
「(千歳が・・・寝坊!?)」
「そうなんですか、探しちゃいましたよ、いないんだもん。」
「ごめんね」
「あの、集会の事なんですけど・・・」
「あっっ、そうだったね、ごめんなさい。生徒会長さん。行くわよ」
「あぁ。ごめん。(ありえない、おかしいぞ?)」


「我に力を与えたまえ。この十字架にかけて、魔を封じん。水晶の光、封印解除~クロスよ!武器になれ!!~」

千歳の声だった。

「くそ・・・っ!レカ!!」

「おっけ~w」

レカは手を千歳に向けた。

「操縦千歳!!縛上リュガイ!」

「う・・・っぁ」
千歳の体が急に強張った。

「ふ・・・」
リュガイが手をすっと上に上げた。
すると千歳の手も上に行く。
「や・・・!何?」
「レカは相手を操作したりする呪文が得意なのさ、それとレカは一卵性双生児のルカがいることも忘れずにw」

「な・・・っ!!!?」
また自分にそっくりな少女が出てきたことに千歳は当惑する。

「あは~wルカでぇ~すwよろしくね、千歳ちゃん。」
その悪戯ッぽい笑いに千歳は背筋がぞくりとするのを感じた。
「じゃあ、ルカ。千歳から堕天の気配を消して」

「うい~っす。除去我気配!千歳消!!!」
「・・・っ」
体が軽くなった。堕天の邪気から開放されたような・・・。

「そーいえば、学校はどうしたのよ、私がいないんじゃ先生方が家に電話するわよ?」
「あ~・・・大丈夫なんだよねぇ~、それがぁ。あたしの式神で千歳ちゃんを作り出してるからさぁ~」
ルカが陽気に言った。
「そーゆーことぉw」
レカが付け加えた。
「・・・っ!(どうしよう・・・)」

「今日は逃がしてあげるって。千歳」
リュガイが口を開いた。
「どういうこと?」
「これも作戦のうちなんだから。帰って?」
「っ・・・ チキショー・・・ 」
千歳はテレポートで消えた。


―夢礼宅―
「どうなってんのよ・・・」
とそこへ。
「「 お姉ちゃーんっ!!!! 」」
ドタドタと走ってくる音がし、ドアが開く音がした。
「っこらー!!きゅん!りゅん!!うるさいよ!!?」
「だぁって~~、わかんないの~!図形~~!」
子供っぽくて明るいきゅんが困り顔で言った。
「そーよ、判らない事は高校生のお姉ちゃんに聞かないとね、やっぱ!」
知的な感じのりゅんはニコニコ笑いながら言った。

「調子いいんだから。も~・・・どれ何処が判んないって?」
「「あのね・・・・」」
「三角形の面積の求め方って・・・底辺×高さ÷2?・・・であってんの?」

夢礼きゅん、夢礼りゅんは一卵性双生児の双子。小学5年生だ。

「ありがとぉ、千歳~」
「じゃね。お姉ちゃん!」

「はいはい。」
千歳は元気な2人が大好きだ。

「お呼びですか?」
「このときを待ちわびていた。」
「はい」
「私が永い眠り・・・憎きエンジェルの封印から目覚める日・・・」
「とても嬉しく思います」

瞳に光がない美女がなんの感情もないというように言った。
「そう遠くはないぞ。・・・ふっ。その石の力をうまく利用するのだ。天使星はもう堕天のものと言ってもよい」
「はい、お任せください」


邪悪な話が遠い宙で話されているとも知らず夜空たちはいつもの生活をしているつもりでいた――・・・!

 つづく・・・

<<<次回予告>>>>

なにやら怪しげな展開。楽しみにしていたリゾート地は修羅場の始まりだった・・・!?闇に包まれていた複雑な関係に光があたる!


================

ぞく・・・、身の毛がよだつ刺激が夜空を襲った。
「な・・・に?」
夜空は入浴中だった。温かなお湯に浸かっているにも関わらず背中に氷の様な冷たさが
一瞬だったが走ったのだ。
胸騒ぎが鼓動で聞こえる。
ドクン・・・、ドクン・・・・、ドクン――――・・・
夜空はたまらず左胸を抑えた。

三連休に入り旅行に行く日がやってきた。

「じゃ・・・行ってくんね。」
「気をつけるのよ、夜空。」
「大丈夫だよ、携帯あるし、何かあったら電話するよ。」
「絶対だぞ、夜空」
「お父さんもお母さんも心配性なんだからぁ。」
「本当に心配だから言ってるんでしょ。」
「ん・・・行ってくるよ。」
「気をつけるんだぞ」

義理の子供の後姿を眺めながら子供のいない夫婦は悲しげな瞳を夜空に向けていた――――・・・!

「あ!もう千歳先輩来てる~~~!!」
「(ん?夜空だわ・・・)」
「おはようございまーすっっ☆」
「おはよう・・・」
「あれ、かける先輩と魅流奈まだなんですね?」
「えぇ、かけるは車で来ると思うけど・・・」
「えっ!?かける先輩お坊ちゃまなんですか!?」
「えぇ、一応。園田グループってあのチョコレート店舗・・・ほら「スイーツ・タイム」って・・・」
「あっ!一回だけ食べたことありますwすごく美味しかったです。でもあれかける先輩の・・・!」
「あら、かけるだわ・・・!」
「(高そーな車~~・・・ひょえぇー・・・・!)」
「おはよう。千歳、夜空」
「おはよう」
「おはようございますっ!!!」
「え・・・と、魅流奈がまだなんだね」

~その頃の魅流奈~
「きゃあ~!遅れるぅーーっっ!!」
寝坊していた。
~終わり~

「はぁはぁ・・・ごめ、遅れたぁ~~」
「おっそい!!魅流奈~~ぁ!!!」
「まぁまぁ、大丈夫だって。」
「行きましょう・・・!」


「千歳・・・昨日わかった?」
「えぇ、強い堕天の気配・・・、微かに天空魔法石の気配もしてたんだけど・・・!」


「(? 何はなしてんだろ、千歳先輩とかける先輩。)」
「ねぇ、あの人美人だよね・・・」
「え・・・っ!?あ、うん」
深い水色の瞳。艶やかな黄緑色の髪。美女だ。
「なんか夜空に似てる・・・気がしない?」
「やだぁ、他人の空似ってやつでしょ~??」
「うー・・・ん」


―数時間後―

「きゃあああああああああああああっ!!!!!!!」
「すごいっ!綺麗な海~~~~ぃっvv」
「潮風が気持ちいわね・・・!」
「ホテルはあっちだよ、ついてきて。」

「ぅわ・・・!でかっっ・・・!!!?」
何階建てだろう、とてつもなく高い建物。「ロイヤル橘ホテルプリンス」だ。
「きゃあ~これからここに泊まるんだぁ~~v」
「お坊ちゃま。荷物をロビーにおいてきます。」
「あぁ、ありがとう、岡田。千歳と夜空と魅流奈のも頼めるかい?」
「もちろんでございます。」
「いつもありがとう」

水着だけ取り出して夜空たちは海に駆け寄った。
「すーごーい!海のそこが透けて見える!綺麗~~~~v」
「きてよかったね、夜空!」
「うん!・・・あ――・・・れ?」
砂浜に夜空は倒れた。
「夜空ぁっ・・・!」
「どうしたの?」
人々が集まってきた。
「千歳、ホテルから岡田を呼んできて」
「えぇ」

「夜空どうしたの・・・・?」
「貧血じゃないのか」
群がる人々の中から誰かが答えた。
「(いや・・・これは貧血なんかじゃない。何かの術・・・!まさか近くに堕天が!?)」

麦わら帽子をかぶった少女がいた。帽子からわずかに見える深い水色の瞳は人々の集まりを見て消えた。振り返り際に黄緑の
髪を靡かせながら――・・・!

夜空は夢心地だった。ぼやぼやと周りの風景が見える。

あれ・・・?橘・・・先輩?ど・・・して?

千歳が見え、かける、魅流奈。視野に写る。
急に麦わら帽子をかぶった少女が見えた。
これは見えてるものではないらしい。幻・・・か、それとも別の何かか。

あ・・・の人、新幹線の中で見た・・・綺麗な人?


ぱち・・・、夜空の目が少しずつ開いた。
「 きゃあっ!? 」
「あら、気がついたの、夜空。」
コーヒーの用意をしていた夜空が微かな笑みを浮かべていった。
「あ・・・わ・・・な・・・」
夜空が口をパクパクさせる。
「どうしたのさ、夜空」
魅琉奈が心配そうに聞いた。
「橘先輩・・・どぉして・・・・いるの~~??」
「え?あ、僕?」
あ、僕が原因だったのね、のような顔をして橘が言った。
「ばかね、この橘グループのホテルは橘君のお父様が社長様でいらっしゃるのよ」
コト・・・。コーヒーが入ったカップを皆の前に置いていきながら呆れ顔で千歳が言った。
「え~・・・!!?」
「はは、そんなに驚かなくても。驚いたよ、かける。うちの所に泊まりに来るなら言ってくれればよかったのに」
「それじゃあ、他の客に不公平じゃないか。(笑」
「え?」
「僕と柚紀は幼なじみであって、お互いの社長同士、仲がいいんだ。共同プロジェクトもよくやるよ」
「あたしも知らなかったんだけどね~」
魅琉奈が笑顔で言った。

「あの、橘先輩本当にありがとうございました・・・っ!」
ペコッ、と夜空が頭を下げる。
「うん、気にしなくていいよ。じゃ、お大事にね」
パタン・・・!

「じゃ~私右隣の部屋だから、なんかあったら来てね」
千歳も出て行った。
「僕は左隣だから。じゃね」(←か)
「はいっ・・・!」(←夜)
「ちゃお~v」(←魅)

「一緒の部屋だったの?」
「うん、千歳先輩女だし。かける先輩は男でしょ?あたしたちは連れだし。贅沢言ってらんない。
それにあたし夜空と一緒の部屋の方が嬉しいv」
「あたしも・・・っw」
そこへ。
コンコン――・・・!
「だれ?千歳先輩かな。夜空見てきて」
「うん。」
ドアを開けた。
男性がソコに立っていた。
「橘様よりの贈り物にございます、夜空さん」
「え?あ・・・あたし??」
「はい、柚紀様が夜空さんへ健康を気づかって、お昼ごはんをお持ちしました。」
「(うそみたい・・・、あたしのタメに橘先輩が・・・////すごく嬉しい)」
「ん?いい匂い~v昼ごはんかな、見に行・・・!?」
魅琉奈は立ちくらみを感じ、そのままベッドに倒れこんだ。
ボスッ・・・、倒れたと同時に布がこすれあう音がする。
「ん?魅琉奈ぁ???」
夜空が魅琉奈を見に行こうとしたその時―――・・・

「 眠閉夜空! 」
「あ・・・、ん・・・ ? 」
夜空が眠り、その場に膝から崩れ落ち――そうになるところをホテルの従業員が抱きとめた。
「第一作戦成功 !!! 」
そういったと同時に、その男が制服を投げ捨てた。男の正体はなんとリュガイだ。

キン・・・・・・・・・・・・・・っ!!!!!!!

ひゅぅ・・・・・・・・・ん―――――!!!

「「 !!!? 」

バンっ!!2つのドアが同時に勢いよく開く音がした。
赤橙の長い美髪を持った美少女と、艶やかな茶色の髪を持った美少年。

「 かける!!?堕天なのっ!!? 」
「あぁ、結構強い。はっ・・・! 夜空たちの部屋からだ!! 」

「おっと、作戦変更。ラッキー魅琉奈も一緒に連れてこ~~♪」
リュガイが2人を抱き上げ、テレポートしようとしたその時。

バァンッッ!!!
「誰だ!?」
かけるがドアを蹴り飛ばしたらしい。
「リュガイ!!!!!」
千歳がリュガイを見て驚愕している。

「おっと、かけるに千歳vじゃないか。」
「夜空と魅琉奈を放せ!!!」
「そうは行かない。千歳。お前を俺のものにするためなのさ、恨むならお前の美しさを恨むこったな」
「 いい加減にしなさいッ!! リュガイ・・・、逃げるなら・・・ 今のうちよっ!!!? 」
「俺は今までとは違う。ボスに力・・・いや救世主を俺は頂いたんだ。お前らが創造している以上に力があるからな、今の俺は・・・!」
「何言って・・・あっ!?」
千歳は目を見張った。一瞬だったが見えた。
少女。千歳よりは年上のようだ。
新幹線の中で見た気もする―――?

少女の瞳が千歳を捉えた。だがその少女はすぅ・・・っと消えた。
「どうしたんだよ、千歳?」
「隙ありいっ!!」
ばびゅんっ!!
凄まじく風を切る音がした。
かけるを狙ったリュガイからの攻撃だ。
「うわぁっ!!?」
「危ないっ!かける・・・っ!!!?」
ドウ・・・ンッッ・・・!!!!!
その攻撃は何かに当たった。リュガイが狙った獲物か、それとも別の人物にか――・・・!

「・・・・っ!!ハァ・・・ハァ・・・くっ」
荒い息をした人物が床に手と膝を付けている。
重力で赤橙の髪がハラリ・・・、ハラリと垂れ下がる。
左の腰のあたりから出血している。痛々しい。

「やべ!千歳大丈夫か?」
リュガイが近づこうとした。
「近寄るな!」
「夜空たちを返しなさい!!」
赤い火の玉がリュガイに襲いかかった。千歳が力を振り絞った攻撃。

「お?」

びゅーーーん・・・・

「!!!?」
「テレポートしたのよね・・・!」
「あぁ、でも今のはリュガイの意思じゃない。」


「おい!てめー勝手に俺の体テレポートさせんなよ!」
リュガイが叫んでいる。
「うるさいね、あたしはあんたより上の格なんだからごちゃごちゃ言うんじゃない!!!」
黄緑色の髪をした少女が言った。
「それより――・・・このリスカナ族とカルキリ族の夜空と魅琉奈・・・!」
「あぁ、わかってるって。」
「千歳を堕天にするのはいいが――いいか、あたしら堕天は天使が敵なんだ。お前みたいなくだらない理由でも
天使が減るならそれでいいんだ」
「くだらなくなんかねーよ!バーカ!」
バコッ
「あんた、あたしに殺されたいの・・・?」
「へいへい。わーぁったよ」

「う・・・んぅ」
「すぅ・・・・・・・・・」
「あ、れ?あたし、夜空のお昼見に行こうとしてそれで・・・!」
「初めまして。カルキリ族の二宮魅琉奈。僕は堕天のリュガイ」
「!!? リュガイ――、どっかで聞いたこと・・・」
「ふ――・・・!どうでもいいが君たち2人には消えてもらう。千歳の体内だ、嫌じゃないだろう?」
「な。何のためよっ!!!」
「そんなの千歳を僕のものに――いや堕天にするため・・・かな?」
「ふーん、そのためには天使が2人いるってことね」
いつのまにか起きていたのか夜空がリュガイを睨んでいる。
「やーやぁやぁ、リスカナ族のお姫様。ご機嫌うるわしゅう、お目覚めは良いモノになってますかな?」
「ばっかじゃないの・・・!リュガイとかいったわね。あんた堕天ならあたしと魅琉奈が封印するわよ」
「はっ!・・・未熟者のお前達にこの俺が倒せるほどの力があるものか!」
リュガイが嘲笑う。
「じゃあ、お手並み拝見といこうかっ!!?」

「きゃあっっ!!」
「何これ~~~~~っ!」
「堕天族の僕、小悪魔たちさ・・・さ、こいつらを封印してみ?」
「えぇ~~!?」
夜空が困り果てた顔をする。
「それとも、天使なんかこんなもんなのかな」
かちん☆その言葉で魅琉奈の心に火がついた。
「え・・とえっと呪文・・・!!そーだ!
『ルマリナ・キシュパミク!ライダナ・エツフリア!!~魔よ今ここに眠れ!魂よ封印せんずる!~パロガフィーラ!』
「み・・・魅琉奈っ、よく覚えてるね!」
次の瞬間魅琉奈の手元から眩い光が解き放たれ、数匹の小悪魔が光に飲み込まれ姿を消した――と思ったら
下に小さなビーズのような物体に変わっている。
封印された子悪魔たちなのだろう。
「夜空2人で一気にやるよ!」
「う・・・うん!」
『『ルマリナ・キシュパミク!ライダナ・エツフリア!!
~魔よ今此処に眠れ!魂よ封印せんずる!~ パロガフィーラ! 』』
カッ、と音がしたかと思うと莫大な光が2人を中心に広がり子悪魔は苦しそうに叫び声をあげながら消えた。
下には無数の小さなビーズが転がっている。

封印したのだ。


「やったあ~~~~~~~~っ!」
2人は同時に飛び上がる。
「ふん・・・結構やるな――と言ってやりたいとこだがそんな雑魚用の封印呪文じゃこのリュガイ様は倒せないぜ!」
「リュガイ・・・あんま大それた事いうんじゃないよ」
「あ・・・・あなた!」
「新幹線に居た人~~!」
「あら見ててくれたのね、クス・・・ッ」
「あ・・・あなた夜空に似てるわ!」
魅琉奈が尽かさず言った。
「そうかしら、他人の空似だと思うけどねぇ」
「・・・っ!」
夜空はぞくっとした。
「ははは、私が怖いかい?夜空嬢。」
「こ・・・怖いもんか!」
「夜空~、強がってんの丸見え・・・(--;」
「まぁ、いい。あんたらは覚醒すれば強大な力を発揮して私ら堕天の邪魔になる。その前にくたばってもらうよ」

「きゃあ!」
「魅・・・魅琉奈!」
リュガイが魅琉奈を連れて行ってしまった。
「あんたは私と来るんだよ。」
「きゃ・・・!放せ~~~~~~っ!!」

ギギィ・・・・・
扉が開いた。儀式でもやるのかそれらしき怪しげな雰囲気が漂っている。
「ちょ・・・っ何なの、急にこんなとこ連れこんで!」
「お前と魅琉奈は族が違う・・・だから2人で儀式の準備をするの」
「意味がわかんない・・・!・・・あのさ、とりあえず 名前教えて? 」
「!?(こけ・・・っ)あんたあたしの名前知らないのかい?天使星で知らないやつは居ないと思ってたけど」
「有名なんだね、あなた」
「まぁね、悪い意味でさ・・・!あんた母親とかに聞かなかったかい?あたしの話」
「・・・!!」
夜空の表情が急に曇る。
「あたし、お父さんとお母さんいないの」
「なに!?お前何から生まれたんだ!!?」
「そーゆー意味じゃねーよ。。(--;」
「は?」
「あたし、・・・あたしの両親はあたしが小さい頃に死んじゃったの。堕天に殺されたって天使の仲間に初めて聞いて本当に
ショックだった――・・・!ずっと不幸な交通事故で死んだとばかり思ってたから・・・!その頃の記憶全然ないし・・・」
「あたしと似てるね」
「え?」
「いや、あんたのほうがまだマシかもね、あたしは親が居るかもわからない」
「??」
「あたしが本当に親から生まれたのか。生んだ親が生きているか死しているかも判らないのよ」
「・・・・・・・そうなんだ」
「あぁ、あんたみたいに死んだって判ってる方がむしろ楽でしょうね、その現実を受け止めて堂々と生きていける。」
「そうかな・・・」
「あたしみたいに親の状況がわからないと生きているのか死んじゃったのかという事に迷い続ける。生きているといいなという夢に
飲み込まれそうになったり、死していたときの準備がまだ出来てないと思ったり」
「・・・・・・・」
「遅れたけどあたしの名前は瑚雪。」
「なんか普通だね」
「そうかい?この名前のおかげであたしの心はほぼ凍った湖の上から降った雪みたいになってしまったけどね」
「あたし、夜空」
「しってるよ、さっき名前で呼んだだろ?」
「判ってるよ!ただ・・・あたし夜空って名前大好き――・・・」
「何?」
「お父さんとお母さんが付けてくれた名前だもん。気に入らないわけないじゃない」
「瑚雪さんも・・・瑚雪も自分の名前をそういう風に捉えれば幸せな気分が少しでも味わえると思うよ。両親を近くに感じられると思うよ」
「お前、変なヤツだな」
「え~~っ!?(ガーンッ)」

と、その時。

キイ・・・・ッ

「瑚雪。魅琉奈も用意できた」
「そうかい、じゃ夜空もう少しでさよならだ」
ニヤリ、と悪魔の笑みを浮かべた瑚雪が冷たく夜空に言い放った。
「そんな・・・っ!」
さっきの会話で少しは仲良くなれたと思ったのに――・・・!
恐怖感と挫折感で夜空が泣き出した。
「夜空!!」
響く空間の中で魅琉奈の声が木霊した。

ズキ・・・・

「(ズキ?なんで・・・なんで夜空の涙を見て心が痛む?もう悲しみも喜びも感じられない心のはずなのに)」
暖かい夜空の涙が瑚雪の心を一瞬揺るがしたのか。

夜空に親しみを先程の会話で覚えた。どこかで会った気もして前から知っている気もして――・・・!
そんな瑚雪をよそにリュガイは着々と儀式の準備をしていた。

「やめろ・・・・・・・・!」
夜空がリュガイに刃向かった。
「ふん、魅琉奈はだいぶ出来上がりが早いな」
「魅琉奈!!?」
「よ・・・夜・・・空、あ、たし・・・石に・・・っ触・・・てな、い・・・のにぃ・・・っ羽出ちゃった・・・っ」
「どうゆうことなの!?リュガイ!」
夜空が怒りを爆発させながらリュガイに問い詰める。
「呪文を掛けたんだ。さっきお前と魅琉奈にね。効き目が出てくるとそいつの本来の魔力が外に気と化して羽が勝手に出てしまうのさ。
一人前の大きな羽がね。天使を堕天にするためには相当の魔力が必要だからな。眠気がするんだ、本人は。
魔力が体力と共に出て行ってしまうので体がだるくなり最後には眠り、気が付いたときには千歳の体内。つまり死んでるのさ」
「 そんなの許さないッ!! 千歳先輩は絶対に堕天なんかにならない!なりたがらない!
お前が無理やり先輩を堕天にしたって・・・あんたは千歳先輩に恋してるみたいだけどそんナンじゃ一生先輩の心はつかめないよ!
」
「はっ!・・・勇ましい女の子だ。しかしお前みたいなガキに恋について説教されるとは・・・」
「何?」
「 むかつくなぁっ!!! 」
「きゃあっ!!!」

ドンッ、夜空が放り投げられ床に叩きつけられた。

「い・・・たぁ」

「だいじょう・・・!!」
瑚雪が走りかけた。
「(『大丈夫?』なんであたしは夜空なんかにそんな事を言おうと思ったんだ。人のことなんてどうでもいいはずなのに・・・!)」
思いとどまり立ち止まった瑚雪を夜空は見上げて見ていた。
「・・・・っ」
「どーせ、碌な術も使えないくせに偉そうな口たたいてんじゃねぇよ」
「あ・・・・・・・・・」
なんということだ。夜空にも眠気・・・というより意識が朦朧としてきた――がやってきたのだ。
夜空には水色の玉の光のようなものが自分の体からリュガイの手の中へ吸い込まれるのが見える。
そしてすぐさま――・・・!

「ああっ!!」

ばさっと羽が生えた。夜空にはかなりの負担である。

「うっ・・・く、ぁ」
パタリと倒れこんで夜空が息を整えようと・・・いや上半身を起き上がることさえも苦しさで出来なくなったのだろう。
胸を押さえて不規則な息をどうにかしようと荒い息で眼をつぶっている。
「魔力が吸い出されたところで、千歳を堕天にするか・・・」
リュガイが遂に儀式を始めようとしたその時・・・!

バッコーーーーーン!!!

埃の煙が立ち昇り、壁の破片がぱらぱらと崩れ行く中、薄れてきた煙に現れた影は2人の人影だった。

===========次回予告==============
突然やってきた二人の人。いったい誰!?そして瑚雪の夜空に対する謎の感情は何なんだ!?堕天のボスって?少しずつ露になっていく夜空たちの過去と記憶と堕天の正体。
どうなる!?(ぃゃ作者ぁなたでショ?)
==================================

「夜空!大丈夫?」
「二人とも無事か!?」
正体はなんと千歳とかけるだった。
「な・・・なぜ此処がわかったんだ!?」
リュガイが驚愕して訊いた。
「夜空と魅琉奈は天空魔法石を持っている!僕達の石と繋がっているんだから、わかるに決まってるだろ?」
「リュガイ、・・・逃げるなら今のうちよ!いい加減にしないとどうなるか判らないからね・・・!!?」
凄まじい形相で、千歳がリュガイをにらむ。
この恋、永遠に叶いそうもない。いや、全くの話。
「夜空!魅琉奈!呪文を!!」
「「は・・・はい!」」

羽を生やしたままで二人は呪文を思い出す。

「『我に力を与えたまえ!この十字架にかけて、魔を封じん!水晶の光、封印解除!~クロスよ武器になれ!~」』

声が重なっている。二人だけではなかった。
四人・・・いや・・・五人・・・?

パアァアアアアアアアアアッ!!!

目が眩む光があたりを包み込んだ。

次に目が開けられるときは・・・千歳、かける、夜空、魅琉奈は各自の武器を手に持っていた。
しかし・・・もう一人居る。瑚雪だ。しかも二つ持っている。
そのうちの一つをリュガイに投げた。
瑚雪の胸元には・・・天空魔法石・・・!?

「な・・・っ!どうゆうこと?かける!堕天が天空魔法石を持っているなんて・・・!!?」
「わっ・・・わからない。非常事態だ。」
「魅琉奈!夜空!何でもいいから!やって!!」

「え~・・・!!?」
「やるしかないよ!!」
剣を持った魅琉奈が言った。

「行けぇーッ!!!」
剣をよろけながら振り下ろす。
風が剣から発せられた光に纏わり、敵に向かっていく。

リュガイに当たる。
「ぅ・・・あっ・・・」
「やったぁ!」
夜空が飛び跳ねる。
しかし、攻撃が二人を狙う、リュガイは悪の笑みを浮かべていた。
「さすが・・・と言いたい所だけど・・・んな甘っちょろい攻撃でこのリュガイ様が倒れるわけねぇんだよ!バーカッ!!」
「きゃあーーーーっ!!」
二人が頭を抱え、悲鳴を上げる。
「アブナイッ!!」

二人の前に盾になった人物が叫んだ。
「我を守りたまえ、結界よ!セエカネ・ハーキゲウ・コノミヤ!」
「「え・・・」」
何時まで経っても攻撃がこないので夜空と魅琉奈が恐る恐る頭を上げる。
すると、かけるが立っていた。
「大丈夫か、夜空、魅琉奈・・・」
「かっ・・・かける先輩!」
「ありがとうございます!」
魅琉奈が言う。

「ハァーーーーーーーーーっ!!!!」
千歳が己の武器でリュガイと闘っていた。
カキン、カキィンと音がする。

「リュガイ・・・覚悟ーーーっ!!」
必殺技を千歳が出そうとした時――

スゥッ・・・

瑚雪が現れた。
「なっ・・・」
千歳は目を細める。
「・・・・・・」
瑚雪が無言で武器を千歳に向ける。
振っただけにも関わらず、ものすごい勢いで千歳が吹き飛ぶ。

「 きゃああ!! 」
「「千歳先輩」」
夜空と魅琉奈は無意識に千歳に駆け寄っていた。
向かってくる攻撃に抵抗しようと、武器を構える。
攻撃はものすごい力で、夜空と魅琉奈は死に物狂いで耐えた。
次の瞬間、夜空と魅琉奈の石が光る。
光は二人の武器に渡り、攻撃を消し去った。

「なに・・・今の―――・・・」
夜空がキョトンとして言う。
「(すごい、あの堕天の攻撃も魅琉奈と夜空の攻撃も強力なパワーだわ)」
千歳は驚愕しながら起き上がる。
「皆!体当たり技は駄目だ!魔術で遠距離から攻撃しろ!」
かけるが叫ぶ。

「だとさ。リュガイ・・・あんたはアッチに攻撃してな。あたしに敵うわけないんだから・・・!」
「了解」

両者とも武器を構えた。
「魅琉奈!夜空、あんたらは呪文がまだわからないようだから、振って振って振りまくるのよ!」
千歳が言った。
「「はい!!」」

「燃え上がる赤の神よ!我に加勢せよ!レタアマ・タノヒ!!」
千歳が汗をかきながら、叫ぶ。
千歳の杖先から、火の玉が飛ぶ。

「ふん」
瑚雪は武器を下ろした。

「えっ・・・」
千歳が吃驚している。

しゅぅ・・・・っ

火の玉は瑚雪の体に触れると消えた。
「何!?」
かけるが、驚愕する。
「ふん、あたしの心に火を撃ったって、氷の心は溶けやしない。舞いながら死にな!」
一振りでものすごい風が襲ってきた。
刃物のように切り付けてくる。

「い゛だーぅ!」
魅琉奈が半泣きで怒る。
「ちょっと・・・瑚雪!痛いじゃんか!!」

「聖なる光(コウ)よ!闇を包め!ロレタナ・ハキート・ヨリカーヒ!!」
かけるは千歳と共に瑚雪とリュガイに攻撃を仕掛けた。
「ふん」
攻撃はくるくると回る、瑚雪の武器により消される。
「えい!」
「とうっ!」
魅琉奈と夜空も懸命に武器を振り下ろす。
全て消していた瑚雪だったが――

次の瞬間・・・

ピシィッ!!

「あっ!!」
夜空の攻撃が瑚雪の頬をかすめたのだ。
瑚雪の頬から血が零れる。
「な・・・」
「・・・・」
沈黙が流れる。
「お前――あたしの顔に傷つけてこのままで済むと思うなよ」
そう言ってリュガイと瑚雪は消えた。

「なに?」
ヘナヘナと座り込む夜空。
「わからない・・・けどいよいよ幕開けのようね」
千歳の声が皆の心に響いていた。


「瑚雪――」
「申し訳ありません」
「まぁ、よい。覚醒前とは言え、将来我らの強大な邪魔者になる者たちだ」
「くっ・・・!この私の顔に傷をつけた夜空とか言うやつは何者なんでしょう・・・!!」

悔しそうに傷つけられた頬を擦りながら瑚雪が歯切りした。
すると黒い影の目がにやりと笑う。
「そうさねぇ・・・この際だ、教えてやろう。あやつ・・・夜空はお前の――妹だ」
「なっ・・・!!?」
「そしてお前の名前は瑚雪ではない、雪那だ。」
「ご・・・ッご冗談でしょう?」
「冗談で言うか」
明らかに企みを持った声だ。
「そんな。私に――妹が。 では・・・では何故!?何故私は堕天使で夜空は聖天使なのですか!?」
「今のお前には必要のない事だ、忘れてもらうぞ――」

ギイィー・・・ン


異様な空気が辺りを一瞬包みむ。
次の瞬間、雪那は冷たい地面に倒れこんでいた。 ⇒


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