江戸東京ぶらり旅

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子供の日と鯉のぼり

鯉のぼりのこと


 会社では誰もがヒラからスタート。この中の少数がいずれ幹部として昇進するのですが,これを経験しないと絶対に,どんなに努力したって管理職になれないという糸口,門がありますね。これが「 登竜門 」。竜が登るって何・・・?

 これは中国の故事にある,黄河の中流にある「竜門」での話。黄河の下流からたくさんの魚がさかのぼって(遡上して)来るのですが,鯉だけがこの滝を登り切って竜になるというのです。だから鯉は立身出世のシンボルとされてきたのですよ。それで5月5日,端午の節句に鯉のぼりが立てられるようになったというわけです。将来この子が立派になって欲しいという親心,期待,願望ですかね。実際は親の心子知らずで,期待はずれになることのほうが多いでしょうが。中華料理のコースでは最後に鯉の丸揚げが出ますが,これも食べている人たちの栄達を祈る意味が込められているのですよ。ご存じでしたか?



 鯉のぼりが立てられるようになったのは江戸の中期。男子誕生の証,出世魚,武士の魂などなど,鯉のぼりにはたくさんの願いが込められます。でもこれが火事が起こった際に邪魔になる。それで戸外に立てるのは御法度になったのです。江戸は頻繁に火事が起きていましたからね。現代はそんな法律もありませんから,どうぞご自由に。といってもマンションが林立し,立てる場所もない東京では,ベランダから小さな鯉のぼりを立てるのが精一杯。登竜門といった意味合いも薄れ,ただのこどもの日の飾り,といった意味合いしかない。


 鯉のぼりの最上段の吹き流しですが, の五行説から来ている色。東京にはこの色の不動様がありますよ。それに地名,駅名にも残っています。目黒(JR目黒駅,目黒区),目白(JR目白駅,目白区というのはありません)の二つだけですがね。この色ですが,鯉を獲って食ってしまうという竜を,近づけないための色。実は,この恐ろしい竜はこの五色が嫌いなのです。ちなみに相撲の土俵の四隅,青と赤と白と黒ですね,相撲の守り神としてこの色が使われますね。青房とか赤房ですね。





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