江戸東京ぶらり旅

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小石川植物園

小石川植物園散策


医の原点(第6集) 東大理科四類 東大理3(2000)


 都営地下鉄三田線白山駅から徒歩で10分,あるいは東京メトロ丸の内線茗荷谷駅から播磨坂をテクテク,途中路地を入って 石川啄木終焉の地 を訪れ,約15分で植物園。近くには東洋大学がありますよ。小石川と言うのだから,このような名前の川があるはず。白山通りと春日通りの谷間を流れる小さな川,このどん詰まりに植物園があるのですね。ここは日本で最も古い植物園,徳川綱吉が将軍になる前,彼の下屋敷(別荘のことです。本宅は江戸の中心にあり,上屋敷というのです)があったところです。近くには白山神社があることから,「 白山御殿 」とも呼ばれていたそうな。この植物園,本当の名前は東京大学大学院理学系研究科附属植物園は,植物学の教育・研究を目的とする東京大学の教育実習施設です。1877年,東京大学が設立されると共に,附属植物園となり一般にも公開されてきました。

小石川植物園3.JPG


 徳川吉宗の時代,この地を幕府の薬園にしたのです。最初は品川に薬園を作ったのですが,小石川に移したのですね。そして1722年,この「 小石川御薬園 」の中に「 小石川養生所 」が開設されました。養生所とは医療施設のことですね。看病人のいない「極貧の病人」を収容し無料で治療を行いました。養生所ができたきっかけは,「目安箱」に入れられた投書でした。投書したのは小川笙船(おがわしょうせん)という町医師。この施設は,町奉行の管轄のもと,与力・同心のほか,医師が交代で詰め,治療にあたりました。小説や映画で知られる「赤ひげ」の舞台でしたが,1869年に廃止,植物園だけが残りました。養生所のあったところには「 旧養生所の井戸 」が残されています。

小石川養生所2.JPG


 JR目黒駅から雅叙園を左に見,さらに進むと目黒不動尊,裏手には甘藷先生の小さなお墓があります。甘藷先生とは 青木昆陽 のこと。彼はこの薬園でサツマイモ(甘藷)の栽培に成功。飢饉のとき,戦時中など庶民の栄養確保に大いに役立ちました。それを記念した「甘藷試作の碑」が建てられています。

小石川植物園:甘藷試作の碑1.JPG


 植物園のどん詰まり,ここには「旧東京医学校本館」が保存され,無料で入館できます。
正式名称は「東京大学総合研究博物館小石川分館」,1970年に国の重要文化財に指定された東京大学現存最古の学校建築です。標本・図画・模型・機器・什器のコレクションなどが展示されていて楽しめます。植物園から行くなら,一度門から出なくてはいけません。再度植物園に戻るには職員に一声かけるといいですよ。

旧東京医学校2.JPG

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