江戸東京ぶらり旅

江戸東京ぶらり旅

ソメイヨシノ<駒込>

ソメイヨシノ の秘密です


 江戸末期,染井村(池袋の北,今も豊島区駒込に 染井 という地名がありますよ)の植木屋さん(西福寺に墓の残る伊藤伊兵衛政武と伝えられていますけど)が吉野桜(遅咲きのヤマザクラのことですね)として売り出したものですが,後にヤマザクラとは違う品種だということが分かり明治33年に「染井吉野」と命名されたのです。まあ,染井で品種改良されたのですが,名の知れた吉野桜にあやかって,というわけですよ。

 ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの雑種が起源であることが分かっています。でも,どちらが父でどちらが母かは分かっていませんが。花弁は5枚,葉が出る前に花が開いて満開となりますね。開花期は東京で3月末から4月上旬,ちょうど入学式頃といった感じです。今年は東京ではもう満開,上野公園や井の頭公園ではひどい混雑ですね。

 どの樹木でも同じですが(特に果樹ではそうですが),接ぎ木や挿し木で増え,そして成長が早く,一斉に花が咲き,華やかであることが特長,それが気に入られて,日本中に,そしてワシントンにすら植えられたのですね。今では全国に分布する最も知られた桜で,サクラ前線もの開花状況の基準ともなっていますよ。

 でもソメイヨシノには大きな欠点があります。寿命が短く30年過ぎたあたりから樹勢が衰えてきます。最長は100年なんてものもありますけれど。つまり,数十年ごとに木の植え替えが必要となるわけですね。挿し木などで増やすのですから,もともと年寄りをさらに長生きさせようというもの。サクラの木の細胞分裂の回数も限られているのですから,そんなに長くは生きられないってわけです。

 だから戦後すぐに植えたサクラの名所では植え替えの手間や費用も馬鹿にならないのですよ。ソメイヨシノばかり植えないでヤマザクラやウコンザクラなど混ぜて植えることが必要ですよね。

 ちなみにサクラのかかる病気,てんぐ巣病はTaphrina wiesneriという菌により起こる病気ですね。病気にかかった上部では小枝が密生し,「天狗の巣」のようになるのです。開花時には小さい葉が開くので見苦しい,病気になった部分は数年で枯死したりします。だから病気にかかった枝は切り取って焼却するのですね。

全国お花見情報

GWはどこに行く?


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: