江戸東京ぶらり旅

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深川洲崎

地図 】

 「夏中洲崎の遊廓に,燈寵の催しのあった時分,夜おそく舟で通った景色をも,自分は一生忘れまい。苫のかげから漏れる鈍い火影が,酒に酔って喧嘩している裸体の船頭を照す。川添いの小家の裏窓から,いやらしい姿をした女が,文身した裸体の男と酒を呑んでいるのが見える。水門の忍返しから老木の松が水の上に枝を起した庭構え,燈影しずかな料理屋の二階から芸者の歌う唄が聞える。」

 永井荷風 の「深川の唄」の中に洲崎という地名が出てきます。えっ,そこって何処?
今日はこの洲崎にまつわるお話です。

 東京深川に清澄庭園があります。ええ,そうです。深川の木場は材木置き場。注文に応じて筏を組んで,ここから現場へ運ぶ。寛永寺の造営で仕事を得た紀州のあるラッキーな人物,これが紀伊国屋文左衛門。彼の屋敷のあったところが清澄庭園。このちょっと東,現在は三好二丁目になるのでしょうか,浄心寺というお寺があります。仙台堀川のちょっと北です。このお寺の少し東には,さきほどの木場公園があります。かつては木材置き場だったから,「木場」というのですね。ここには東京都現代美術館もありますよ。

P1010321淨心寺.JPG


 前置きが長くなりましたが,このお寺には「洲崎遊郭追善墓」と「元洲崎遊郭無縁精霊之供養塔」があります。一時は2000人以上の遊女がいたという洲崎遊郭ですが,なんでこんな辺鄙なところに遊郭が。

P1010323洲崎遊郭慰霊2.JPG


 この遊郭の場所ですが,現在は江東区東陽1丁目,地下鉄でなら東西線木場駅から東へ。地図にある東陽3丁目交差点「洲崎橋」を渡ったところがかつての遊郭の入り口があったところ。もともと東京大学に隣接する地区,根津神社の門前に根津遊郭があったのですが,こんなお勉強をする場所には遊郭はいかがなものか,という声に押されて,明治21年にこの地へ移転。せっかく遊郭の近くにできた東京帝国大学,東大生や教授たちはさぞがっかりしたかも知れません。いや,一番がっかりしたのは神社で働く方々かな。当時は埋め立て地で,出島のようなところに遊郭をつくったので,周囲は海と堀。まるで吉原のような感じでした。

 昭和33年,吉原などとともにすべての遊郭は廃業。

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