そよ風のように☆

そよ風のように☆

君に恋した夏(20、戸惑い)


と望が私に抱き着いてきた。
ぼんやり考えごとをしてた私はかなり驚いた。
『うわぁっ。どうしたの?』
『絶対ダメ、落ちた。』
『え?』
前回の時は全く緊張してなかった望が、今回は前回の私ばりに沈黙してしまったという。
『大丈夫だよ、私も沈黙になったし。』
『私も落ちたかも』
から笑いして、更に虚しくなった。

『よしっ。今夜はとことん飲もう!』
『ってか、昨日も飲んだし。飲みたいだけじゃん。』
ふと竹中部長のことが頭をよぎる。
『あのさ、竹中部長って』と私が切り出した言葉を上から被せて、望が
『超~カッコイイ』と言った。

『え?そう?』
『クールな感じで、ミステリアスな感じが最高!』
一人で盛り上げ出した望に、絶句な私。
『ていう事で、入社したらよろしくね』
『…。あ、うん。』
私は、後に後悔する事になる。
『さっきまで落ちたって泣いてたのは何処の誰かさんかなぁ?』
きゃははと笑い飛ばす望。
望は感情を上手に表に出す。

そんなところが彼女の魅力でも会った。



そして、私達は無事春に卒業を迎えた。

念願の会社に入社が決まった。


そう、なんと二人共に合格したんだ。

『例の件ヨロシクね!』
『例の?』
『竹中部長の』
『ああ』
そうだった。
冗談だと思ってた。

何故かチクリと心臓に刺さった。

私はまだこの時の思いが何なのか?を気付いてなかった。


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