深秘の華苑

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黒左右衛門

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2005.05.02
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己の見事な迄の二律背反振りに辟易した二週間になってしまい厭だ。

 先々週見事に不倫相手と距離を取る事に失敗後、まるで其の反動の様に彼に引き寄せられてしまった。
 と書くとアレだが、4月の最終週は途中迄は激しくストイックに過ごしていた。ちゅうか仕事が真剣にヤバかった。1件/月 が標準納期なプロジェクト3件を4月初頭から検討開始して総て4末終了で進行せよ、と云うのは矢っ張り地獄進行以外の何物でも無かった。今迄他機関での報告例も無く情報も乏しい案件も含めて3件を1人に担当させるなんて厭がらせも大概にしぃやゴルァとは思うのだが、会社の経営上の事情を鑑みると厭がらせでは無いのは理解出来るので、粛々と仕事に没頭した。
 当然互いに関連しない3つの案件を1人時間差攻撃でやらねばならぬが故に膨れてしまった作業量は、とても通常の業務時間内で消化できる規模では無くなり、結果的に毎日残業と早出と休日出勤の連続だった(此の様な状態に陥る前に出張を2件も入れられてしまっており、死ぬ程上司を逆恨みした)。
 そして4月最終週は月の障りで体調絶不調の中、3件共最終局面を迎え息吐く暇も無かった。実際トイレに行くのを忘れていたし(真顔

 下っ端のあたしは年度始めだろうが何だろうが大概現場で研究開発してれば良いが、管理職である不倫相手は此の時期、年度始めらしい業務がてんこ盛りで多忙となり、結局木曜日迄逢わなかった。
 此の間、不倫相手は土日のメェル攻勢に加え、「声が聴きたいから」と、月火水と終業後電話を掛けてきた。多分こんな事は今迄無かったと思う。不倫相手と逢えないのは寂しいと云ったら寂しいが、お互い忙しいのは解っているので無理矢理逢いたいとは思えない。逢えない日はちょろっとメェルの一つでも頂戴できたら其れだけでとても満足だった。のに。
 でも何よ此の電話の高頻度ッぷり! みたいな。
 電話と云っても、大概終業後の僅かな時間に愚痴とか今日のアレコレとか他愛のない話ばかりをちょろちょろっとして終わる程度のものだが、其れでも「声が聴きたいから」電話してくるなんて今迄無かった。確かに部署が離れたから就業中の会話と云う物は皆無に近い状態ではあるが。

 そう思えていたのは、多分余りにも忙しくて仕事以外の事に集中出来なかった事もあり、そして先週来の「彼とは終わらなければ」シフトが微妙に継続していたからだと思う。
 彼と云うか、不倫相手に関心を向けたくなかった。
 こんなに仕事で一杯いっぱいの時に、更に追い打ちを掛ける様に不毛な関係に苛まれる自分を感じるのは不愉快で仕方が無かった。

 4/28の木曜日は社内の有志30名程度で呑み会だった。
 呑み会大好きな不倫相手もあたしも呑みに参加したが「一緒に呑めると良いね★」みたいな話はしなかったし、当日も席は離れていたので宴会中に彼と話したのは3分程度だった。
 楽しく呑んで(ちゅうか呑み過ぎた)散会する頃は既に終電の時間だった。あたしは皆とは帰路が異なるので駅で慌ただしく別れの挨拶をし、自分が使う路線のホームへとダッシュし、そして出発間際の終電に飛び乗った。
 今日彼はうちに泊まるのだろうか。
 ふと思った。
 一時期、彼の家の都合で彼は可成り自由に外泊が可能で、其の頃は毎週の様にうちに泊まりに来ていた。其の頃に開催された呑み会終了後は当然の様にうちに宿泊なされた。でも今は違う。既に彼の家は通常に戻り、外泊は滅多に出来ない筈だ。
 事前に何の約束もしていない。今迄会社絡みの呑み会の時、彼は?終電で自力で帰る ?奥様が駅迄迎えに来る ?うちに泊まる の3パターンを示したが、今や?は無いと思えたので敢えて彼に「どうしますか」的なメェルは送らなかった。あたしには電車以外の足が無く、そして終電を外して家迄歩いて帰る根性が在る筈も無い。彼はうちに来るかも、と云う根拠の無い期待をして裏切られるのは厭だ。期待を裏切られた所で、あたしは彼に怒る事が出来る立場では無いし。
 そう思っていたような思っていなかったような、そんな感じでぽややんとしていても、然し徐々に激しく不条理な苛立ちを覚え乍ら流れる車窓に目を遣っている時、彼からメェルが届いた。「今何処? どうする?」と。

 何だか腹が立つようなどうでも良いような、当に (゚Д゚ )ハァ?な気分で上記の様な内容のメェルを送った。今にして思うと、とても上司に対する態度では無いよな(笑

 呑み過ぎたが酔ってはいない。と云うか、呑み会が開催された呑み屋さんは以前にも何度か行っており、常に量的には可成り呑んでいる筈なのに酔った試しがない。何故?本当にアルコール入っているのか? 等と考えつつシャワーを浴びた。部屋に戻ると不倫相手から着信アリ。掛け直す。
『今何処なん?』
「え?部屋ですよ。シャワー浴びてました」
『何時の間に帰ったん?気付いたら居らんかったから吃驚したわ』

「そりゃ帰りますよ終電ギリでしたし。其れに某さんと散会後約束してなかったから、某さん如何されるか解らなかったし」
 誠に以て可愛げの無い返事をしてしまった。直後に後悔した。
 いやそんな事を云ったのには、色々彼には前歴があるからだけど(敢えて省略。
 でも、多分此の苛立ちの主原因は「不確かさ」なのだと思う。不倫と云う立場上、確約は無いし期待が外れても怒る事は出来ない。悪い事をしているのは自分だから。其れでも自分勝手なので偶に不確かさが満載な上に構築されている自分がとても厭になる。厭なら止めれば良いのに其れも出来ない。我執丸出しの自分を直視して余計に苛つく。
 そして結果的に其の時は八つ当たりのような自業自得のような不条理な気分だった。愉快ではない。
「某さん今何処なんですか?」
 一応尋ねる。
『会社。車取りに来た』
 ・・・そう云えば今日は車で出勤してしまった、って云ってましたね。
「呑んでるのに運転大丈夫なんですか?」
『うん。酔ってないから運転は大丈夫。検問に引っ掛からない事を願ってるよ』
 おいおい。普通あかんやろ。
『今から行くから。其の儘で待ってて』
「・・・」
『あかんの?』
「・・・いえ。お待ちしております」
 正直、二人で逢う気分では無かった。しかし。会社→うち、は車でなら可成り近い。安全面から考えて会社→上司宅よりはマシだろう。
 諦めに近い、決して愛しい人との久方振りの逢瀬を待つ者の其れには程遠い心境に達し乍ら、彼を待った。



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久々に日記を書く気分になったので、小説風に記述してみたが既に飽きた。
面倒臭いね文章書くの。





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Last updated  2005.05.07 02:39:28
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