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週番日誌@佐藤智広研究室
スズムシ飼育
佐藤的
スズムシ飼育
スズムシ非活動期
<非活動期>というのは、単に産卵後、その年のスズムシが全滅し、翌年に次の世代が孵化するまでということである。
◆ケースの保存
ケースはスズムシの死骸など土の表面に、カビの生える条件を与えないことが大切。羽や足なども極力取り除く。
炭や石など地面に刺したりしたものは、取り除くとスズムシの卵が外気に曝される可能性もあるので、できるだけいじらない方が良い。ただし、炭などに小さな虫が発生していたら炭自体を取り除いたほうが良い。
湿気は「乾かない程度」「乾いても大丈夫」など、色々な意見があるが、水浸しやずっと乾燥したままという苛酷な環境でなければ大丈夫(自然界の湿気を考えればよい)。ただし、春4月以降は乾燥させたままだと孵化しないので、霧吹きなどで適度に湿らせておく。25℃以上の日が続くと孵化する。
◆ケースの保管場所
日が当たらず、雨の吹き込まない所に保存。1回冷えた後気温が暖かくなるとスズムシは孵化してしまうので、低い温度を維持する。日光に当てさえしなければ大丈夫。冬でも直射日光に長時間曝していると孵化温度まで達してしまう。雨で水浸しになると全滅の可能性が高いので、雨で水溜りを作らないように。
東京ならば気温が氷点下になることはめったにないのでそのままで問題ない。氷点下が続くような所であれば、土が凍らないように注意して、ダンボールで覆うなどの処置が必要になる。
スズムシ活動期
◆ケースあるいは容器◆
なんと言ってもプラケースが軽くて観察にも便利。横幅30cmほどのケースで(隠れる所を多く確保できれば)20~30匹の成虫を飼っても大丈夫。
◆土◆
はるか昔の少年時代は庭の土を天日に曝して消毒し、ふるいにかけて使用していたが、現在は小さめの赤玉土を使用。「スズムシマット」などというスズムシ飼育用の土も売っているが、使用したことはない。
飼育の本などで、土の深さは5cm以上などと書いてあるものを見るが、その深さは産卵の時のみ必要なので、うちでは成虫になるまでは深さ1cmほど土を入れている。
土が全体にしっとりと湿った状態を維持する。
◆餌◆
雑食性のスズムシは動物性たんぱく質と野菜が必需品。動物性たんぱく質が欠乏すると
共食い
を始める。
最もよく知られた餌は鰹節&煮干だが、うちでは金魚用の薄片状の餌(テトラ社のテトラフィン)と鰹節を使用。金魚用の餌の方が食いが良い。「スズムシの餌」として粉末状の餌も売られている。幼虫には食べやすいだろうが、足などにその粉末が付いたまま歩き回ると、土を汚すので、うちでは使用しない。
餌を
直接土の上に置くのは厳禁
、あっという間にカビが発生する。ある程度成長したスズムシには、ペットボトルのふたに餌を入れ、何箇所かに分けておいて置くと、喧嘩もせずに食べられる。喫煙者でなおかつ、タバコがボックス型ならば、タバコの上ブタを餌箱にしても良い。土の上に置けるし、そのまま捨てて、新しい箱と交換できる。また、身体の小さい段階で、ペットボトルのふたに掴まりにくい頃でも、タバコのふただと紙なので簡単に入っていける。
野菜では、ナスとキュウリが王道であろうが、意外に腐りやすいので、こまめに取り替えなければならない。その点では、キャベツがお奨めである。キャベツは腐る前に萎れていくので、取替えが簡単。野菜類も土の上には置かず、楊枝などで留めてから、土に挿すと良い。うちでは、「オアシス」という切花のアレンジに使う深緑のものを隠れ処兼餌台としていて、そこに挿している。野菜も動物性の餌と同様、小分けにして置くほうが喧嘩をしなくて良い。
◆隠れ処◆
前述のように、オアシスを適当に切って水を含ませて置いておく。他には木炭を土の上に横置きにしたり、竹炭をオアシスに立てかける。石なども良いようであるが、重いし、隠れる表面積の割合が悪い。暗い色のものを使用したほうが良い。脱皮の時に、まっすぐに掴まる所が必要なので、垂直面のできるものがあると良い。
◆注意事項◆
水遣り
>霧吹きで適当な湿気を保つように水分を与える。「水を飲ませようと思って」と小皿に水を張って置いた人がいたが、水を飲みに来たか、あるいは跳ねた拍子にダイビングしたかで水面で★になっていたそうだ。スズムシは霧吹きの露と野菜の水分で、水分補給できるので、わざわざ小皿に水を入れてやる必要はない。
霧吹きは「直接スズムシにかからないように」と言われる。非常に小さい段階では、この水滴で動けなくなって★になってしまうものもいるが、それを過ぎたら、あまり気にしなくても、自分で霧から逃げていく。
侵入者
>ショウジョウバエ・アリ・クモなどが入る場合があるので、ガーゼなど目の細かいものをケースにかけてゴムで留めておくと良い。特にアリは群れで侵入すると、あっという間にスズムシを全滅させるので要注意。
災害
>猫!動くものに敏感なせいか、スズムシを分けた方々の中で、猫がケースをひっくり返したという例を2件聞いた。スズムシにとっては大地震どころではない、もちろん★になってしまったようだ。
日光浴
>必要なし!暗いところに置こう。ただし、カビが生えたり環境が悪化した時には短時間日光の当たる所に置くと殺菌の効果が見られるときがある。
引越し
>かなりの数のスズムシを飼うと、凄まじい量の糞が溜まっていく。カビの発生を促すので取り除きたいものだが、なかなか難しいので、成虫になる直前に引越しさせるのがお奨め。適当な箱や紙袋に、1度移し、土を全部取り替え、隠れ処の炭も洗ってやると翌年の卵に良いようだ。
上記のオアシス・赤玉土・木炭・竹炭は大型100円ショップで手に入る。
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