2004年3月


 天然日和   石田ゆり子 (幻冬舎/1400円)
てんねんびより
     「ここちいい毎日」を読んで以来ずっと読みたいと思っていた一冊。
      すっと心に入ってくる石田さんの文章。「許すということ」「所有
      するということ」など、哲学的なことについても石田さんの感覚
      で述べられていて、同じ考えが書いてあったりするととてもうれし
      くなる。大好きな一冊です。



13歳のハローワーク
  13歳のハローワーク  村上りゅうにこにこ  (幻冬舎/2600円


      読みたくて読みたくて、でもお高いので、「兄弟みんなに役立つ
      よ!」と主張して家族で買うことに(笑)。13歳でこの本に
      出会えた子達はとてもラッキーだと思うのです。だって二倍くらい
      年をとっている私が読んでもこんなに面白いんですもん。毎日
      めくっています。なんていうんだろう、きらきら輝く今の子供たち
      に、一冊ずつ配布したいくらい(笑)





ぽけっとししゅう
  ポケット詩集   (thanks for Yuka-chan!!贈り物にいただきました)

  国語の教科書にのっていたような、いろいろな日本の詩人さん
       の詩が、ここに集まりました。私たち、日本人ですね。日本語で
       詩を味わえるってなんて幸せなんだろう。あのころは読んでも
       わからなかったことが今ならわかる。工藤直子さんのものをひとつ
       紹介。
             あいたくて   工藤直子

           だれかにあいたくて
           なにかにあいたくて
           生まれてきた

           そんな気がするのだけれど

           それが だれなのか なになのか
           あえるのは いつなのか

           おつかいの とちゅうで
           迷ってしまった子どもみたい
           とほうに くれている

           それでも 手のなかに
           みえないことづけを
           にぎりしめているような気がするから
           それを手わたさなくちゃ
           だから

           あいたくて

まえだよしこ

  前田義子の迷わない強運哲学   (小学館/1260円)

      題名から思い浮かぶような「人生ハウツー本」ではありません。
      女性のあこがれブランド「フォクシー」の創立者前田さんの
      エッセイです。確かにこの人は強運の持ち主。背中を押される、
      そして自分の中にある「余計なもの」に気づく一冊です。出かけた
      帰りにふらりと入った本屋で買い、電車の中であっさり読み終え、
      電車を降りたところにある本屋で筆者のもう一冊の著書を
      買うにいたります。そのくらい「衝撃」でした。



自分らしさとわがまま
自分らしさとわがままの境で  アンヌ・ガリグ (草思社/1800円)

      私は、今就職活動をしていなかったら、多分こんなにも雇用とか、
      女性の生き方とかについてなんか絶対考えなかったと思うんです。
      今「女性の時代だ」とか「女性の社会進出」とか叫ばれていますが、
      よくよく考えたら根本はジェンダー(性)を考えることにいきつく
      んですよね。この本を書いたのはフランス人です。日本人じゃない
      からこその客観的な視線。読んでみてやっぱり思うんです。私は、
      今就職活動をしていなかったら、多分この本を開くこともなかった
      んじゃないかと。




  女は英語でよみがえる  安井京子  (はまの出版/1500円))

      こちらも志緒野さんと並んで、通訳ガイドのカリスマです。英語
      教材などの大手会社アルクの教材紹介にもよく掲載されておられ
      ます。安井さんは主婦となられてから、女性が再就職する難しさ
      を知り、英語で食べていく決意をします。その後の努力はすばら
      しいです。スーパーに買い物の際、いつでもヘッドフォンで英語を
      聞いていたところ、近所の方とばったりあい「安井さん、音楽が
      本当にすきなのね」と言われた、というエピソードが物語っていま
      す。 語学を通して女性が就職・再就職するというのはどういうこと
      か、それに伴う大変さや喜び・・・。「働く」ということについても
      考えさせられる一冊です。


うのちよ
   幸福を知る才能   宇野千代  (集英社/419円)

      「私は不幸に対してはなかなかへこまない自信がある。どんなところ
       からでも、私流に幸福を見つけ自信がある。私は、もちろん不幸は
       好きではない。しかし、自分を不幸だと思うことのほうが、もっと
       すきではない。」
       さまざまな挫折も苦悩も老いも、幸福に変えていく著者。
       波乱万丈の一生を送り、愛欲の世界を描いたことで有名ですが、
       この本ではもっと素朴で、女性にはとてもわかる心情などもかいま
       見える一冊です。そして読み終わった後は、「どう老いていくか」
       ということに対し希望をもって考えることができます。
















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