こたつとみかん










  こたつとみかん       読み切り















  私たちの出会いを貴方は覚えているでしょうか?



  実は、あたしは君に『一目惚れ』というものをしてしまいました。




  君は最初 あたしのことをどう思ったのかな

























  「ちょっと!! あれが、ウワサの彰吾だよ!!」


  「・・・・・・・・・・・・・へぇ。ってか、………いい。」


  「でしょでしょ!?でも、みぃんなねらってんだから」


  「やっぱねぇ。カッケーもん」















  あたしは中1の女子!!  じゃなくて 今日中2になった女の子w


  恋愛経験はまぁまぁ。付き合った人は2,3人。


  メッチャ モテてるワケでもなく モテてないワケでもない。







 今日は入学式。



  桜が舞い落ちてゆく中  緊張しながら体育館に入ってくる1年生を見るのは楽しい。


  あたしたちも あんなんだったんだぁとか   あの子可愛いじゃん~



   とか、いろんな声が飛び交うけど





  あたしはそんな声が 一瞬 聞こえなくなるくらい




  目を奪われた少年がいたことを今でも覚えてる。












  「吉川彰吾くん、中学校に入学してどんな気持ちかね?」(校長)



  「けっこー 今緊張してます。先輩たちも、や、優しそうです(ニコッ」





  作り笑いだって、みんなわかってたけど



       女子はみんなその瞬間にザワザワし出した。









  古い例えだけれど       天使のような優しい笑顔に     みんな目を奪われた












 あたしは入学式が終わったら  親友の 沖野陽子と一緒に1年の教室まで息を切らしながらも走った。












  『1-A 』


    この札を見たときに もう胸がどきどきしていた。 走ったからじゃなくてね。
















  「あ、あのさ いきなりだけど、吉川彰吾・・・いる?」



  「あ、はい。           彰吾ー!!! 先輩が呼んでるよ!」






   名前を聞いただけでも ドキドキする






  「あ、おはようございます。あの、俺に何のようですか?」

  「好きですあたしと付き合って下さい」(ソッコー









  「・・・・・!? で、でも俺先輩のこと全然知らないんですけど。ってか、イキナリびっくりですよ」






    ビックリしてたのは 彰吾だけじゃなくて   陽子も クラスのみんなまであたしのことを見てた。



         それを見て、あたしがビックリしたくらいだった。









      でも、そんなことお構いなしなくらい あたしはもう君にはまってたんだよ











   「これから知っていけばいいじゃない?  あたし石井遥華。よろしくね(ニコッ」







        彰吾には負けるけど  あたしの精一杯の笑顔を見せた。

































  「ねぇ、彰吾。あたしたちの出会い覚えてる?」



  「もう、12年くらい前のことか?」



  「覚えてるの?」





  「忘れられるわけないだろ」



















                         END








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