学びの泉 ~五目スパゲティ定食~

学びの泉 ~五目スパゲティ定食~

第81号



■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

☆トップクラスに入る勉強法! 第81号☆

 ~もう勉強のやり方がわからないとは言わせません!~
 ~4人の学習のプロが、結果を出せる勉強法を教えます~

発 行:考える学習をすすめる会  http://kangaeru.org

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□


§このメルマガの趣旨

成績は「勉強時間」と「勉強のやり方(頭の使い方)」で決まりま
す。もし、大きく学力を高め、成績を向上したいなら、勉強のやり
方を、覚える学習から「考える学習」に変えなくてはなりません。

このメルマガをしっかり活用すれば、トップクラスの成績を手に入
れることができます。執筆者は全員が10年以上のベテラン塾長です。
熱意ある皆さんのために、このメルマガをお届けします。
______________________________


4月も中旬になりました。もう花見の時期も終わった地域も多いと
思いますが、長野市周辺はまだまだこれから...。このメルマガ
が発行される時点で開花宣言が出ているかどうか、というところで
す。

さて、今回から新しいシリーズの始まりです。前回までとガラッと
変わって、言葉にこだわるシリーズをお送りします。

社会や理科を始めとして、勉強をしていく中では様々な用語が出て
きます。あなたは、その一つ一つの意味をきちんとわかっています
か?「何となくこんな意味」と、漠然と覚えている言葉が多いので
はないでしょうか?

このシリーズでは、漢字の由来も含めて用語の本来の意味を探り、
深い理解に至る参考にしてもらいたいと思っています。さてさて、
どんな内容になるかお楽しみに...。


第1回は社会、地理編です。
________________________________


    <用語の意味を掘り下げる(その1:地理)>

______________________________


1:【 緯度・経度 】

布を織るときの横糸が「緯」、縦糸が「経」です(「緯」の旁(つく
り)の部分、「口」の上と下で←→という糸の方向を示しているんで
すよ)。そこから数学の座標のように、縦と横の格子で地球上の1地
点を特定する数値に用いているんですね。

さらに縦糸と横糸が複雑に絡み合って布ができて行く様子から転じ
て、「物事の込み入った事情・いきさつ」などの意味でも「経緯」
という言葉がよく使われています。

ところで緯度も経度も角度を表していますが、どこの角度かわかっ
ていますよね。あやしい人は即、教科書で確認してください。これ
がわかっていないと、時差の計算も太陽の南中高度の出し方も理解
できませんよ。 


2:【 赤 道 】

緯度0度の線が赤道ですね。「赤」は燃える火の色。太陽や月のイ
メージに結びついたのか、「赤道」の元の意味は「天の中央にあっ
て太陽が通るという道」「月が通るという天の道」ということにな
っています。

でもこれは今の赤道とは全く異なりますね。緯度0度の赤道上を太
陽が通るのは春分と秋分の2回だけ。月の軌道も赤道面とは一致し
ないからです。見かけ上の太陽の通り道には「黄道」、月の通り道
には「白道」という別名がちゃんと用意されています。

今普通に使われる「赤道」の定義は「地球の重心を通り、地球の自
転軸に垂直な平面が、地表を切断する線」ということになります。
南北の緯度の基準としての役割が第一ですね。

もう一つ、天文学では赤道面と天球が交わってできる円のことを赤
道(天の赤道)と呼び、恒星や惑星の天球上の位置(赤緯、赤経)
を決める基準となっているのですが、中学では地球上の赤道だけわ
かっていれば大丈夫です。

なお、赤道を英語ではequator と言いますが、これはequal(イコー
ルつまり「=」)から派生した言葉です。すなわち「地球を南北に
等しく分けている線」という意味ですね。

で、equatorはスペイン語ではequador 。 これをそのまま国名にし
たのが、赤道直下の国エクアドルです。他にも赤道が通っている国
(赤道直「下」とも赤道「上」とも言うのが面白いところ)はたく
さんありますが、元祖を名乗っているようなものですね。


3:【 本初子午線 】

経度の基準となる、イギリスの旧グリニッジ天文台を通る経線のこ
とですね。今は博物館だそうです。「本初」は「もと」と「はじめ」
ですからいいですね。

問題は「子午線」です。経度0度の線にわざわざ「本初」が付いて
いるのですから、他にも子午線はあるはずですね。そう、経線はす
べて子午線なんです。経線の別名ですね。

で、「子」と「午」ですが、これは十二支の「ね」(ねずみ)と
「うま」のことです。十二支では動物を表すのに他にも「卯(うさ
ぎ)」「未(ひつじ)」「申(さる)」「戌(いぬ)」など、普段とは違
う特有の漢字を使いますね。

昔の人はこの十二支をいろいろな分野で使っています。暦や時刻、
そして今から説明するのは方角です。

まず、北を上にして十字に東西南北を書いてください。ここに十二
支を配置していきます。真北に「子(ね)」、そこから右回りに「丑
(うし)」「寅(とら)」...と一周してください。12個なので
30度ずつですね。

すると南に「午」が来ましたね。これでもうわかったかな? 真北
の「子」と真南の「午」を結ぶ線だから「子午線」というわけです。


ちなみに、今で言う「南東」や「北西」にあたる方角は十二支だと
ずれていますね。45度の刻みはないわけですから...。

そこで南東を表すときは「辰(たつ)」と「巳(み)」の間で「辰巳
(たつみ=巽)」、北西は「戌」と「亥(い)」の間で「戌亥(いぬい
=乾)」などと表現したのです。この2つは今でも苗字などに残っ
ていますね。

※「午」は「午前」や「午後」、「正午」にも登場しますね。時刻
  を表すとき十二支がどのように使われていたか調べてみましょ
う。


4:【 関東・関西 】

「関」は関所のことですね。「関所」がわからない人は調べてくだ
さい。簡単に言えば検問所みたいなものです。その関所より東か西
かで地域を分けただけのことですが、基準となるのがどこの関所か
という一番肝心な点が、時代によって変わっているのです。

奈良時代には「三関」と言われた鈴鹿(三重県)、不破(岐阜県)、
愛発(あらち・福井県)の関、平安時代には逢坂の関(滋賀県)より東
か西かで分かれました。

ところが鎌倉時代になると、「関東」は箱根の関(神奈川県)より東
ですが、「関西」はまた「三関」の西側になります。つまり基準が
別々になったのです。それ以降、関東と関西が離れてしまったんで
すね。

で、鎌倉時代の「関東」はほぼ今の「関東地方」同じです。東京、
神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬の1都6県ですね。ところ
が「関西」の方は、当時は逢坂の関より西、すべてを指していたよ
うです。当然四国や九州も...。

今「関西」と聞いてどの辺りを思い浮かべますか? 「関西」を
「京阪神地方」と定義している辞書もありますが、私の感覚では奈
良や和歌山、滋賀は追加してもよさそう...。

三重はちょっと疑問だし、兵庫でも日本海側は違うと思うので、
「関西」=「近畿」とも言い切れない気がします。その代わり岡山
は「関西」に入れてもいいような...。「関東」と違い、「関西」
は曖昧ですね。


5:【 輸出・輸入 】

外国へ物を売って金銭を得るのが「輸出」、逆にお金を払って外国
の商品を買うのが「輸入」ですね。文化や思想など、目に見えない
もの、お金を媒介としないものにも使いますが、地理の勉強では物
品の売買に限定していいでしょう。

「出」と「入」は簡単ですから、ここでは「輸」に注目します。
旁(つくり)の部分は「舟+くり抜く刀」から成り、「丸木舟の中身
をすっかりくり抜くさま」を表しています。

「輸」はそれに車偏を付けて、「ある所の品をそっくり抜き出して
車で運ぶ」という意味だそうです。何だか盗賊の集団みたいですね。
元々はそれだけの意味の言葉が、今では国と国の取引に限って用い
られているわけです。

この旁の部分は福沢諭吉の「諭」も同じですね。訓読みでは「さと
す」になります。「教諭」とか「勅諭」とかにも使われます。福沢
「論吉」とか「輸吉」とか書かないように注意!

同じ旁が使われているなら、この「諭」や癒し系の「癒」、愉快の
「愉」などにも「くり抜く」という意味があるのでしょうか?...
あるんです!

「諭」は「疑念やしこりをえぐり取って説くこと」、「癒」は「体
の中の病気がくり抜いたように抜けてくれること」、「愉」は「心
の中のしこりを抜き取ること」とありました。この旁の漢字はどれ
も強烈なイメージですね。


6:【 貿 易 】 

輸出と輸入を合わせて「貿易」と言いますね。一言で言えば、外国
と商品の売買をすることです。お金のやり取りが生じますから、輸
出額の方が輸入額より多いと貿易は黒字、逆だと赤字ということに
なります。

「貿」の上の部分は「卯」が変化した形です。「無理に窓をこじあ
けて中の物を求める」という意味だそうです。「貿」はそれに「貝」
(お金)が付いて「相手の手の内を無理に押しあけて、利益を求める
こと」とありました。またもや物騒な字です。

「易」は「次から次にかわっていくこと」を表しています。中国の
古い占いを「易」と言うのも、それに使う道具が次から次へといろ
いろな変化を見せて結果を表すからだそうです。

で、「貿易」も元々は単に「各地の産物を求めて取引をする」とい
う意味。「交易」と同じだったようです。それが後に、今のように
国際間の取引を表す言葉に変わったんですね。

なお、辞書には「貿易」の意味として「無理やりに入れ替わる」と
いうのも載っていました。替え玉?影武者?オレオレ詐欺?...
どういう状況なんでしょう...。


今回はここまで。次回は歴史編をお届けします。お楽しみに...。




   (執筆:エクセルゼミナール 小林良行…長野市稲葉日詰)


© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: