自然の狩人

自然の狩人

『真理子』(18)



自信に、似た、そしてこの時期から親離れ、両親からの

精神的自立が生まれたのかも知れない、相変わらず生活は

両親の扶養に寄る立場には変わりがないのだが

デートの度に、唇を重ね、抱きあつた 其れがないと

物足りなく 切なくもあつた、

手を繋いで、とりとめも無い話をしていても

胸に、身体の奥から湧くように突き動かされた

彼でなく真理子の方から 唇をあてた

甘えるように

そして更に 彼の下半身の元気になつた部分が

真理子の臍の下の下腹部に当たると

腰から下の力が抜けてしまう気がした

真理子には新しき、価値 かけがえのない

価値が生まれた 彼と一瞬でも長く傍にいたい

出来れば朝から晩まで 何も話さなくてもいい

傍にいて欲しい  心と、そして身体までも彼に浸って

しまつた。

ーそんな、異変に母親がきずかない、訳などなく

珍しく夕刻に母が自宅にいたー

そう最近母はお店に行かない時が時々あるようだつた

家も手に入れて、兄武の結婚が終わり(大学の資金も不必要に

なつた為に)そんなに懸命に働く必要がなくなつたと

真理子は思つた。

実はそうではなく、このころカラオケ.ボツクスが流行り

真理子の母の店も多大な影響を受けていた

そして、もう一つ 母は思うのだった

家族と子どもの為と思って、懸命に働いて預金をした

家を手に入れ、子ども部屋を与えた、しかし部屋は

男友達と女友達の溜まり場のように使われ

挙句、大学受験、いいや高校も中退して、家を出ていく始末

『何をしてきたのだろう?』 『母親として?』

『今まで家族と子供達の為になつたのだろうか?』

『自分の為に頑張ったのではなく すべては、そう言い過ぎでなく、それは明らかに子どもの希望と将来の為に』

疲れていた、身体よりも精神が、努力の結果が子の為にと

行動したのに、思いと逆な結果が生まれて

母は知った、真理子に男友達が出来た事 勿論母親として

何時か来る日、子どもに異性が出来好きになり恋する事は

でも、直に浮かぶ、相手はどんな子なのか

そして、『間違い』が生じないのだろうか、恋愛をして

傷つき、まして。『妊娠』などしたらと

そう息子の武のように

お店に出て、平常心でお客のご機嫌など取っていられる

状態などになれない 売り上げの心配どころではない

事態と状況

直接真理子に話を聞きたい、和やかな雰囲気で

そして、出来れば女としてのアドバイスもしてあげたいと

そんな母親の気持ちを真理子は知る由もなく

疲れたから、仕事に行かない、そんなに頑張って働かなくても
経済的に良くなつたからなのだろう。何て

勝手に想像していたのだつた



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