『真理子』(19)
「毎日会っているの?」「ねえ。真理子」
「勉強に身が入っていないのでは?」
真理子は母から矢継ぎ早に質問をされた、どちらかと言えば
恋愛をすると学業がおろそかになると
言いたいのだ。大学の受験もあるので恋愛よりも
もう、少し勉強をしろと言う事だと、思えた
真理子にとつて、今の目の前の恋愛は何物にも変えがたい
新鮮で心躍る、新しい価値、
大げさに言えば、両親より,高価な装飾品より、
そう、大学受験よりも 大切なものなのだ
母親がその大切なものに、文句をつけ邪魔をし
障害になろうとしているょうにも見えた。
母の話をただ黙って聞いて受け流そうと考えていた
「真理子お願いだから、付き合っていけないなんて言つてる
んじゃーないんだからね、大学に入つてからでも恋愛は出来るでしょ。」
「もうー少しお付き合いの仕方を考えてね」
真理子は母親がこれほど懸命に言う事が信じられなかった。
もしかしたら、母親は知ってしまったのかも知れないと
両親がいない時間帯に実を言えば彼を自宅の真利子の部屋
に連れてきていた、そう数回
彼と連れ立つて家に入る所を隣のおばさんに見られて母
におばさんが告げたのかも、何時も夫婦で留守にするので
おばさんに母が頼んでいたから
そうだ「きつと、そうに違いない」
真理子は部屋で抱き合い、キス、をしてのまま
拒む事無く、突き出された男性の部分を真理子の秘部
に迎い入れていた、二人は呻くように動物の一部と化した。
何故か知らない、真理子は心の中からふつふつと
母に対して反抗の炎が燃え始めていた。親の権威で
真理子自身が手に入れたものに対して否定し親の思い通りに
しょうとしていると
そう「親の思い」の通りに、なんかなってあげるもんかと
其の時は本気でそう、思ってしまつた
母親の言葉を遮るように、「わかった、勉強に影響させなけ
いいんでしょう」「でも好きなようにさせて、もう真理子は
子ども、じゃーないんだから」
交際を反対されたよう、そして真理子を親が言いなりに
しょうとしていると
我慢が出来なかった。真理子と真理子の母との会話はあれ以来殆ど無くなった
朝食卓で顔を合わせても「おはょう」母が言う
真理子も「おはよう」と言つてテイブルの食事を済ますと
黙って席を立つ
真理子はもう、母親に話かける機会も失っていた
話かける事が出来ない 気まずい雰囲気
母親の顔を見るのが辛くなつていた、それにしても
この数日母親の様子がおかしい、病み上がりの状態のような
顔色と振る舞い、なんと形容すれば良いのだろう
生気を吸い取られた、いいや魂を抜かれた人のようだ
そして、父親の姿も最近の数日間見ていない。
真理子と彼は、将来を夢見ていたそう具体的に計画らしき
ものを巡らしていた。計画はこうだ・・・・
彼が大学に入学したらアパートを借りて 真理子が
そこに通つて半同棲みたいな生活を送ろうと
二人で密かに、約束を交わしていた
そんな秘めやかな楽しみを持つ真理子も母親のことが
気にかかっていた、
父が帰宅しない事も追い討ちをかけるように不安であつた
そう、そんな事もあつて
母に言われたように「勉強が上の空なのだ」
母親に意見を言われ「かぁーつと」なつて反抗的な態度を
した事で、母が体調を壊してしまつたのだろうか?なんて
考えてしまうと母にすまないと
勿論彼との「約束」の事を考えたりもすると
わさわさと心が穏やかでなくなつてしまうのだ。
人を(異性)を好きになってしまうとこんなにも生活に
変化と影響が出るものなのだろうか ただ好きでいる
思いで留まっている限りでは変化として現れないのだろうが
交際が始まると そうそして,情交を重ねてしまうと
日常の生活に、深く入り込み 思い入れが深ければ深いほど
影響も大になつてしまう
真理子の生活も彼への思いが中心になつてしまつていた
其の事が 真理子の家庭の変化にも大きな
影響を及ぼす事に気ずかずにいたのだが
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