トルコ風

トルコ風

最後の朝


彼は、私が下まで運ぼうと大きなリュックを担ごうとしたら
初めて会った時のように、何も言わずに下まで運んでくれた。

「あーこの人とは、もうお別れか」

今思うと、帰ることでかなり必死であった私は、
バスの時刻ばかり気にしていた。
でも、彼は遠くで私を見ていた。
何度も目は合った。でも、何もなかった。

朝これを逃したら昼まで来ないバスが、とうとうやってきた。
皆に握手して、イタリア人のおじさんからは、
「ストレスを貯めてはいけないよ」とアドバイスと頬にキス。
彼も私にキスしてくれるのかな?と思ったら
そっと抱きしめるだけ。

後で聞いたら、自分だけキスしたら皆に自分の気持ちがバレルと思ったようだ。
あれ・・・イタリアおじさんは私にキスしてきたよと話したら
大きな目を、かなり大きく開けて驚いていた。(笑)

バスに私達は乗り込み、バスの中から彼の顔を最後に焼きつけた。
そして、もうお別れだねと・・・。
もう、フィアンセも終わりだねと・・・。思ったのだ。

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: