妖精のいたずら

妖精のいたずら

つれづれ草・・・ 第十六章・・・。


        「・・・。」
「何だこれは・・・!??」
部屋に帰るなりの第一声が何でこんな声を出さなくてはいけないと思いつつドアを閉めると・・・。
「おう・・。おかえり」「あら、おかえりなさい」「・・・・」
快適なはずの我が家になんと三人もの珍客ではないか・・・。
息子・幸子・さちの娘・・。
いったいどうなっているんだ・・・?
「親父・・今日からここに居候するからな」
「片岡さん・・時々健君のお世話にお邪魔しますから」
「すいません母がわがまま言って・・・」
「?????????」
ただ?マークのまま3人を見つめることしか出来ない俺を可笑しそうに見ていると。
「しょうがないでしょ!  あなたがだらしないから仕方なく3人に頼んであげてんだから感謝しなさいよ・・・!」  
隣のベットルームから小夜子が当たり前のように出てきた。
「ちょっとまて?」「俺はそんなこと誰にも頼んじゃいなぞ!」
「それになんで小夜子、お前がここでそんなことしているんだ・・・?」
「あーら。いなくなったら何も出来なくなってしまうでしょ?それにこないだの晩だっていなくなったら困るなんて耳元で囁いていたのはだれだったかしら?」
「えっ?・・・・アレはつい いや  その・・・」
「とにかく私はもういなくなるんだから・・・」
(そうだったな! もう会うこともなくなるんだったな)ふと干渉に浸り沿うな俺を無視して話が進んでいたらしい・・・。
それも、なぜか幸子まで巻き込んでいる・・・。
「しばらくの間はね健二も一緒に住むからね・・。  それから家事は幸子さんとおじょうさんで交代して手伝ってもらうことに決めたから・・・」
「ふざけるな! 何で面倒みられなけりゃいけないんだいまさら・・・!」
「俺は今までどうりでいい・・誰の世話にもなりたくなんか無い!」
「あら、あなたは私がいなければ壊れてしまうじゃないの。 私がいなくなったらどうするつもりだったの?」
「うるさい!なんとかなる!」
「もう、一人じゃ無理なのよあなたは・・・」「頑張ってきたあなたが私がいなくなったらどうなるか私がいちばん分かっているんだから・・・。 素直に言うこと聞きなさい」「それからいっときますけどねこのマンションまだ私の名義になっているの」
「なに・・・・?」
「ほら、あなたは独りじゃ何も出来ないの・・・。仕事以外はね・・・」
なんと答えていいのか分からないまま俺はただ立ち尽くすだけだった。
頭の中は小夜子と別れてからのことを懸命に思い出しているがだめだ。
頭が痛くなりそうなほどに混乱してきたしまった。
「とにかくあなたは黙って言われたとおりにシテクダサイね」
女房気取りで囁きやがって、おまけにウインクまでよこしやがった。
なんだかめんどくさくなってきた(好きなようにしてくれ!)思いながらソファーに座りなおしてみた。
そう・・・。
アレから会うことも無く、時間だけが過ぎて言った俺達だった。
本当に小夜子と「バイバイ」する日はもうすぐそこに来てしまっているんだ。
また俺の心が騒ぎ出してきた・・・。



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