クレスタの日常劇場♪亜米利加☆じゃぱレス見聞録

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NY摩天楼物語






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ニューヨークの摩天楼

チャーリーという名前を聞くと
ちょっと胸がキュン♪なワタシ・・・。

あれは・・たしか
2000年の12月。

PCを購入して初めてのネットデビュー♪


ワタシ達はネットで知り合って
逢おうという話しが出てからは
トントン拍子でコトは運び、
気が付けば、わざわざニューヨークから

ワタシに逢いに来てくれることに
話しは決まっちゃってた。うふっ♪


駅まで彼を迎えに行って
初めてのご対面♪のはずだったんだけど・・・。

エレベーターを降りてくる乗客の顔を
ひとり一人確かめてるけど・・
ん?なかなか出てこない?

「ちゃんとこの列車だって
今さっき携帯から電話があったのに・・?」


まさか、乗り過ごしちゃった?!


そう心配になって
エレベーターの近くまで
歩いて行こうとしたら・・・


「クレスタ・・・」
耳元で誰かがささやいた。

振り返ると・・・

そこに大きなかばんを抱えて
チャーリーが立っていた!

ワタシ達はごく自然に軽くキスをした。
(あ、これは挨拶のね。)

ワタシが思ったとおり
チャーリーは背が高くて
カラダ付きもワタシの好みだった♪
写真とはちょっとイメージが違ってたけどね。

そして・・・
そのままウィリーのクリスマスコンサートに
2人で出かけたのよ。


ロビーで父親とそのカノジョに
連れられて来てたブランドンとバッタリ!

一目見てからすぐに
ブランドンはこのチャーリーのことが
気に入ったみたいで
後日しきりに「ねぇ、まみぃ~
あの人だぁれ?」って聞いてたわ。

ワタシはクリスマスのコンサートってことで
ちょっとおめかしして
ヒールの靴を履いていたのよ、ワタシ。

それにも関わらず
チャーリーはもっと背が高いから
ワタシ達のカップルはとても目立った。
自分で言うのもなんだけど
とてもお似合いのカップルだったと思うよ。

ワタシは御機嫌だった。


コンサートの後、ワタシのお気に入りの
レストランに案内したわ。


ワタシをさりげなくエスコートしてくれる彼に
その日初めて会ったのに
なんだかずぅ~っと前から
彼のことを知ってるような錯覚におちいっていた。


レストランを出るともう11時近くだった。


24時間眠らない街ニューヨークから
やって来た彼は辺りの静けさに
ビックリしていた。


その日のうちにまたニューヨークに
戻る予定?だったっていうチャーリーが
持って来たのは大きなかばん・・・


もしかしたら・・
ワタシが彼の想像してた人物とかけ離れていたら
そのまま帰ろうと決めていたのかもしれない


どこか近くのホテルを取るという彼を遮って
ワタシは自分の部屋に彼を誘い入れた。

(あはは!だってワタシが運転手なんだもんねぇ~)


チャーリーのお仕事は
病院で看護士をしてるの。

そしてARMYのリザーヴのオフィサーだった。

忙しいスケジュールを調整して来たので
携帯には電話が時々入ってた。


ワタシ達は一晩中熱く語り合ったわ。

今働いてる病院と掛け持ちでやってる
消防局の救急隊員としての仕事の方を
メインにするかどうかで迷ってた彼。

「看護士としての資格があるんだから
どこでだって人員不足で引く手あまただから
自分の働きやすいところで働くのが一番よ」と
アドバイスした。


2日ほどゆっくり過ごす予定だったのに
結局、緊急の仕事が入って
次の日のお昼近くに
ニューヨークへと帰らなければならなくなった。


後2、3日でワタシの誕生日なので
2人でお祝いをしようと言う約束だったのに
「ま、仕事だったら仕方ないね」って
素直に諦めた。


その年の暮れ・・・
あの有名なタイムズ・スクエアでの

年明けをしようと予定してたら・・
前日からの大雪。

彼の家は停電してしまって
何もないから
今回はキャンセルにしようって
何度も電話で話し合った。




でも・・とっても逢いたくて。



「ダイジョウブ!安全運転で行くから!」


荷物をまとめて
家を出る直前に
彼からの電話が鳴った・・。


『やっぱり、駄目だよ。
今さっきのニュースでNJ Turnpikeが
事故多発で道路封鎖だって。』


そんなぁ~
もうワタシの気持ちはすでに
ニューヨークへと飛んでいたのに?!



ワタシは泣きながら
「どうしても行きたい!」って駄々をこねた。


『高速道路が封鎖なんだから仕方ないよ。』



大晦日の夜


カウントダウンの30分前から
電話で話しをしてたワタシ達。


“A Happy New Year~♪”


明日の朝は、日本では“元旦の初日の出”って
いう話しをしたら

『じゃ、明日の朝、早起きして
同じお日様の初日の出とやらを
同じ時間に拝もうじゃないか?!』


遠く離れていても同じ初日の出を一緒に見よう!



ワタシはこの言葉に酔っていた。




なんてロマンチック♪




そして2001年元旦の日
ワタシ達は初日の出を一緒に拝んだ。




***********


年が明けてから急にチャーリーからのメッセが
途絶えてしまった・・。


仕事が忙しいのかしら?



2、3日経っても、まだ連絡がない。



ワタシは急に心配になって
チャーリーに電話をかけたけど・・
留守電のメッセージが流れるだけ。


夜勤とかが続いてるのかもね?


ワタシは「ココ2、3日連絡がないけど
元気~?」みたいなメッセージを残した。



次の日、仕事から戻ると
ワタシの電話の留守電のランプが点滅していた。

「あ、きっとチャーリーだわ~」

ワタシはワクワクしながら
留守電に残されたメッセージを聞いた。


“ちょっとぉ~アンタ誰か知らないけど
ワタシのチャーリーを追い掛け回すのは辞めてくれない?
もうチャーリーに電話もかけてこないで頂戴!”

知らない女の声だった。

はぁ~?
アンタこそ誰よ~?


ワタシは居たたまれなくなって
チャーリーに電話をかけた。

「もしもし~?なんか・・ワタシのレス伝に
変なメッセージが残されてたんだけど・・?」


『いま、ちょっと話せないんだ。』


“ちょっときいてるのぉ~????
その電話誰よ~???”

チャーリーの背後からヒステリックに叫んでる
女の声が聞こえた。

「そういうことだったのね?」

『そういうことだ・・・』


昔の女?もしかしたら
今も続いていたのかもしれない・・。


ワタシは静かに電話を切った。



電話を切ってからも
なんだか・・ぼぉ~っとしていた・・・。



わけがわからなかった・・・。




どういうこと?





+++++++++++



それから1週間ほどして
チャーリーからのメッセが突然入った!


ワタシは何度も何度も無視した。



でもその一方で
はっきりとどういうことなのか?
説明して欲しいって言う気持ちもあった。




ワタシがメッセに返信しないと今度は
自宅に電話をかけてきた。


其の度にわざとPCをOnにして
彼の電話を遮った。


すると今度はワタシの携帯に電話してくる。

仕方がないので携帯に出た。



『もう一度、ちゃんと逢って話しがしたいんだ』


ワタシの気持ちが揺れた。




********


ワタシ達が2度目に逢ったのは
5月のことだった。


あのオンナとのことははっきりとカタが付いたってことで
もう一度じっくりと逢って話しをしたかった。

電話・メッセは毎日のように
頻繁に連絡が入っていた。


今回は、チャーリーが片道切符で
逢いに来て、帰りは
ワタシも一緒に彼の住むニューヨークに
行くことになっていた。


わざと大きく遠回りして
ビーチに寄ったり・・
フェリーに乗って船の旅を楽しんだり。


まっすぐ行けば2時間ほどで
行けるところを
わざとたっぷり一日かけて
2人っきりの小旅行を楽しんでいた。


ところが・・・
ニューヨークが近くなって
あと少しでジョージワシントンブリッジに
差し掛かった時・・・
ワタシ達の歯車が・・・なにか噛み合わない気がした。


ワタシが嫌いだって言うのに
わざとラジオのカントリーミュージックの
チャンネルに替えた時

ワタシの中で・・・なにかがはじけた。


この人とは合わない!
ワタシの中ではっきりと感じた。


この今回の ニューヨーク行きには
彼が新しく買った家を見に行くことが
理由の一つでもあった。

『もしかしたら・・君も一緒に住むことに
なるかもしれないから見に来て欲しいんだ。』



結局、一通り家を見せてもらって
ワタシはひとりで帰ることに決めた。


「じゃ・・・Goodbye、Take care.」

『ホントに今夜帰るのか?
その角を曲がったら・・・
もうこれが俺達会うの最後だぞ・・。』

それが彼の最後の言葉だった。


バックミラーに映る彼の姿が
小さく見えなくなってしまうまで
ワタシもずっと見ていた。


そしてその角を曲がった途端・・・


なんだか胸騒ぎのようなモノを感じて
もう一度、その場所に戻った。



彼はもうそこには居なかった。



==============


彼がその新しい家に引越ししてから
メッセにも登場しなくなっていた。


たぶん・・もうAOLも使っていないのであろう。



それからしばらくして
ワタシも今住んでいるところに
9月に引越しをした。



2001年9月11日・・・。


ニューヨークでテロ事件が起きた。


彼の所属していたファイヤーデパートメント(消防局)が
世界貿易センターに救助に駆けつけたどうか・・

はっきりしたことはわからない。



2年前にグランド・ゼロを訪れた時
犠牲者の名前を見つけることが出来なかった・・
というか・・彼の名前を見つけるのが怖くて
名前を見ることをしなかった。






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