TRICK PARTY

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学業団 序章1

序章



「狭っ苦しいなあ、ちくしょう」


おれは体をもぞもぞさせながら、独り言を言った。


今おれは、学校の廊下の隅、消火器のあるべき場所にちぢこまって入っている。


人間が入れるギリギリのスペースってこんなもんだろうな。


掃除道具入れのロッカーだって、ここより広いぜ?


まあなんとかしゃがむことぐらいはできるが。


そんなわけで、おれは消火器の後ろの隠れてるんだが、これが案外気づかれない。


たまに廊下を行く生徒たちは、おれのほうなんか見もせずに通り過ぎていく。


よっぽど注意しないと見つからないらしいな。


先生に追いかけ回されたときの隠れ場所として、おれの頭に置いといてやるよ。


ま、そんなことがあるかどうか怪しいもんだが。


と、こんなことを考えているおれの耳に、不自然なステップの音が聞こえた。


タタッタ、タタ、タタッタ、タタ………


何も知らないヤツは、「何だコイツ」と思うだろうし、同じクラスのヤツは、「木ノ宮に何かいいことがあったらしい」と思うだろうが、おれは違う。


なんたって、これが合図だからな。


木ノ宮は廊下の角まで来ると、ステップをやめた。


そして角を曲がり、おれの前を通りながら、指を3本立ててみせた。


なるほどね。もうすぐってわけか。


もう視界から消えてしまった木ノ宮に向かって、おれは指をパチンと鳴らした。


するとまもなくして、パチンという音が木ノ宮のほうから聞こえた。


よし、これで準備は整った。


あとはおれがやるだけ。


成功するかどうかはオレにかかっている。


おれは手に持っているテニスボールをぐっと握りしめた。

念のため、ポケットにもう一球入っているが、できればこれは使いたくない。


一発でしとめるのがベストだ。


さあ、こっちの覚悟は決まったぜ。いつでも来な、三村先生よ!


その言葉はすぐに叶った。


さっき木ノ宮が来た方向から、パタパタというスリッパの音が聞こえたのだ。


心拍が高くなる。


おれはニヤリと笑った。


この緊張感、たまんねえな。


三村がすぐそこまで来たのが聞こえた。


作戦、決行!!




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