TRICK PARTY

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during night 2



黒装束の青年は瞳に疑問色をうかべてあたしに聞いた。

「うん……」

とりあえずそうとしか答えられない。

「ふーん、これが噂に聞く“効かなかった人”かあ……。珍しい人にあったな~」

青年はのんきに一人納得。

あたしはというと、違う意味で疑問を浮かべていた。

だれも動いていないこの状況で動いてるこの人って何者?

もしかして……

そんなあたしの気持ちを汲み取ってか、青年はニッコリと笑った。

「大丈夫。お前を取って食いやしねえよ。オレは……まあちょっと変わってるけど、一応普通の人間だから」

「一応?」

あたしにはその言葉がひっかかった。

「まあ一応、かな?このカッコみてオレが誰かわかんない?」

あたしはへたり込んだ体勢のまま、青年をつぶさに観察した。

歳はあたしと同じかちょい上。黒装束はそこら怪しい人とは全然違うものだ。

上着はスーツではなく、カーディガンのよう。

ズボンはだぼだぼしていて、ふわふわした綿のようなものがついている。

靴は革靴でなく、ブーツ。

頭にとんがり帽子、手にはおおきな袋。

全身が黒色なことを覗けばこのカッコは……。

「サンタ……クロース……?」

またも青年はニカッと笑った。

「ご名答」

一応冗談のつもりで言ったんですけど……

「なんであなたは動けてるの?」

「サンタクロースだから」

なにそれ?即答?

「冗談はやめて。なんなの!この状況。あなたなんか知ってそうな口ぶりだけど」

「じょーだんなんか言ってないぜ。オレが動けてる理由はそれ以外にねえしな。てかオレにとっちゃ、お前が動けてるほうが不思議なんだけど」

なんなの、この人!

「じゃあなに?あなたは自分が本物のサンタさんだって言いたいわけ?」

だんだん口調が乱雑になってきた。

「そっ」

またも即答。

どうしよ、こういうのって付き合わないほうがいいのかな。でもこの中で動いてるのは人はこの人だけだし……。

「じゃあなんでこんなことになってるのか説明してよ」

「オレをサンタクロースだって認めるのか?」

「保留で」

「それを認めてくんねえと話が始まんねえんだけど……」

「じゃあとりあえず認めてあげるから」

「そうこなくっちゃ。んじゃ、手伝って」

「はあ!?」

いきなり何言い出すわけ!?

「いやあ、オレ地図読めなくってさ。お前、地図ぐらいなら読めんだろ?」

「ちょ、ちょっと待ってよ。なに?手伝うって?地図って?」

「いちーち説明しなきゃいけねえのか?メンドくさいやつ」

「何よ!こっちだっていろいろと混乱してるのよ!」

「あーそーかい。とりあえず手伝え。その道のりでいろいろと話してやるから」

「だから何を?」

「プレゼント配り」

「プレゼント配り??」

「そっ。ほら、さっさと立て」

「ちょっと!あたしは手伝うなんて言ってないわよ!」

「じゃあここに置いてかれたいのか?」

「う……」

痛いとこを突かれた。しぶしぶ立つことにする。

「いいね、ものわかりがよくて」

「それ結構いやみっぽく聞こえるからやめたほうがいいわよ」

「そうか?わりい」



こうして始まってしまった。

あたしのまだそんなに長くない人生のうちで、後にも、おそらく先にもない “摩訶不思議クリスマス”が


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