TRICK PARTY

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during night 6



「うん♪」

そう言い交わしながら、あたしたちは原っぱへと足を踏み入れた。見る限りの銀世界が広がっている。

「結構ここ通るやつ多いんだ」

積もった雪を踏みながら、ナストが言った。

「なんか歩く道のりによくなるみたい」

「へぇ~」

「だからそういうのを知ってるやつらが……」

その瞬間、ナストが消えた。

「わ!?ナ、ナスト!?」

今までナストがいた場所にぽっかりと穴が開いている。覗き込むと、その中にナストが無様な(としか言いようがない)格好で倒れていた。

「こういうことするバカが出てくるんだ……」

くぐもった声が聞こえた。

「大丈夫?」

「そう見えるか?」

「ううん。見えない」

あたしは手を差し伸べて、ナストを引き上げた。

「一回タイムリミット内で配れずに、普通の人間に見つかった“黒”がいるんだよ。そいつらが広めたらしくてな。毎年こういうことをするヤツがいるんだ……」

「そうなんだ」

「だからこういうとこに……いる」

原っぱの外、木の生えたところに行くと、そこにいた。

くすくす笑いをしたような顔で止まっている4人子どもたちが。

「コレが犯人」

「なるほど」

「ったく、この!悪がき!ども!が!」

一語一語言うことに一人ずつ頭を殴っていった。

「幼稚なことしやがって。怪我したらどーすんだっての」

「ほらほら、早くしないと時間やばいんじゃない?」

「うわっ!ほんとだ!やべえ!」

「早く早く!」

「ちょっと待て、仮にもけが人だぞ!」

「ナストもその見つかった“黒”みたいになりたくないでしょ」

「痛いこと言うなぁ……」

腰の辺りをおさえながら、ナストは先行くあたしについてきた。



「とうちゃ~く」

「ここが最後かぁ……。毎年最後の家になると感慨深くなっちゃってなあ。今年の仕事もコレで終わりかと思うと」

「あんたたちってクリスマス以外は何してるわけ?」

「おっしえな~い。秘密秘密」

「あーそーですか」

「そーですよー。そんじゃ」

笑顔のまま、ナストは家に入った。

すっと壁を抜けていく光景にももう慣れてしまった。

今日見たばっかりなのにね。

夜に世界が止まって、黒いサンタクロースに会って、色んな話を聞いて、プレゼント配りまで手伝わされて……

まだ小一時間。

不思議なことばっかりだったけど、楽しかったな。

たぶん、心からそう言える。

颯爽と現れた黒いサンタクロースも、とんちきな手伝いも。

と、あたしはあることを思いついた。

「あ、そうだ……」

一人でニカッと笑いがこぼれる。

最後にちょっとナストに意地悪してやろう。



全てのプレゼントを配り終えたナストは、嬉しそうな顔で家から出てきた。

「お疲れ」

「ん、ありがと。やっと今年の仕事も終わりだ。お前もお疲れな」

「うん、そのことなんだけどさ……」

「?」

あたしはニッと笑って手を差し出した。

「ご褒美、ちょうだい」

「は?」

「お手伝いしたじゃん。こっちの世界は働いたらそれ相応のご褒美がもらえるんだよ。だから、ちょうだい」

「お、お前な……。この不思議体験こそが相応以上のご褒美じゃねえのかよ」

「え~!そんなのつまんな~い」

これ見よがしに口を尖らせてみる。

心の中では終始あっかんべをしていたが。

ナストはやれやれと首を振った。

「このわがまま娘が……」

と、あたしの差し伸べていた手をにぎると、背中を向けて歩き出した。

「えぇ!?なになに?どゆこと?」

「あいにくプレゼントは余ってねえんだ。だから……」

先行くナストの声が風に乗って聞こえてきた。

「オレのとっておきの場所に連れてってやる」


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