TRICK PARTY

TRICK PARTY

during night エピローグ



とにかく走る。

力の限り走る。

なぜかって?

新しいことの連続で、今までのことを忘れていたから、とでも言えばいいのかなあ。

「愛美!?」

「咲希っ!ゴメンッ!」

あたしは目を見開いている咲希に手を振った。

「愛美!ビックリしたよー。いきなり消えちゃうんだもん!」

「あはっ、ごーめんごめん。許して?」

「別にいいけどさあ……。もお!どこいってたの??」

あたしはイタズラっぽくウィンクすると、言った。

「とーってもステキなところ♪」



その夜。

あたしたちの日常は普通に戻った。

全てが止まったりしない、普通の夜に。

あの人との繋がりも、もうなくなっちゃったのかな……。

だが、そんなことはなかった。

そのことを、あたしは咲希に気付かされた。

「あれ?愛美ぃ、それなに??」

咲希はあたしのかばんをさして聞いた。

「え?」

あたしは自分のかばんをみて、はっとした。

そうだ、これを返すのを忘れてた……

かばんから、その大きさにそぐわずにはみ出しているもの。

間違えようのない。ナストの帽子と手袋だ。

はずしたのを預かってそのままにしてたんだ……

こんなところに、わずかな繋がりがあったよ。

「ううん、なんでもない」

あたしはその帽子と手袋を大事にしまって、咲希に笑いかけた。



来年のクリスマス。

ナストはきっとこれをとりにくるよね?

「忘れ物~」とか言いながらくるよね?

その時、会えるよね?

ううん、来年じゃなくてもいい。

再来年でも、その次の年でも、10年後でも、あたしがおばあちゃんになってからでもいい。

また笑顔で現れて、素敵で不思議で楽しい夜を過ごさしてくれるよね?

あたしはずっと、

ずっと待ってるからねっ!



―during night―


←Back ↑Home Next→


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: