TRICK PARTY

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distance nightエピローグ



「あーあ、こんなに踏みつけやがって……。赤くなってやがる」

少女に踏みつけられた腕をかばう。

そして、気付いた。

自分の手の甲の、紅いしるしに。

「あ……っと。そっか。俺もそうだもんな。まあわかっちゃいたけど」

青年は“まだ流れていない”砂時計を見て、自嘲的に笑う。

「『神は死んだ』か……。文字通りだな、いろんな意味で」

左手の紅い輝きは、鈍く小さく明滅している。

「茶番だな。俺にも焼きが回ったもんだ」

何も動かない。青年は一人でつぶやく。

「ま、神サマの気まぐれだな。所詮神サマを演じきるんなんざ、俺のガラじゃなかったてことだ」

青年は左手で牢獄の外の銀の銃を握り

「茶番劇、終幕」

それを、自分自身へとつきつけた。

「さあ……」

青年は静かに目を閉じると

「俺に“猶予”はいらない」

銃の引き金を

引いた。



その瞬間。

砂時計の砂は一気に下へと滑り落ちた。

「さらば、旧き世界。こんにちは、新しき世界」

そして、その砂がまたたく間に落ちきると、青年の体中を紅い紋様が覆った。

「後は任せたぜ……」

青年の顔が、わずかにゆがむ。



「新しい、“神サマ”よ」



その言葉を最後に、青年は紅い光に飲み込まれ

連鎖するように、黒い闇をも貫きそうな強光が

世界を覆うかのように、閃いた。



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