「MOON CHILD~月の子~」(再演)

「MOON CHILD ~月の子~」
★★★

於:シアタードラマシティ 
2004年4月2日19時(Serenade)/3日13時(Nocturne)/4日13時(Serenade)

(東京公演 2004年3月4日~16日 仙台公演 3月19日 名古屋公演 3月28日 福岡公演3月31日 大阪公演 4月2日~4日 広島公演4月7日)

原作:清水玲子 脚本・演出:倉田淳


出演

Serenadeキャスト
Nocturneキャスト
ギル
笠原浩夫
伊藤高史(客演)
ベンジャミン /ジミー
及川健
アート
岩*崎大
ショナ
曽世海児
高根研一
セツ
山本芳樹
舟見和利
ティルト
奥田努
小野健太郎
ホリー
佐野孝治
深山洋貴
メイル他
萬代慶太
キム他
小林浩司
トニオ他
篠田仁志
ジャック他
下井顕太郎
看護婦他
牧島進一
リタ
山*崎康一
石飛幸治
グラン・マ
河内喜一朗
*字違い


*感想*

○原作○
初めて原作を先に読んで予習。10年以上前に途中まで読んでるのだけど、同じ出版社から同時期に、共通点のあるヒット作品が他にいくつか出ていたのに、 なぜ「月の子」が選ばれたの? ファンタジー色が強くて、筋もしっかりしたものではなく、舞台化には難しそうなのに。しかし後からみれば 「はじめは少年のようで、出産権利のあるものだけ、女性体になれる」 という中性的なところがポイントだったのでしょうか。 絵はキレイだけれど、話はあまりすきになれず…。ただハッピーエンドかと見せかけ、現実はハッピーでも何でもない、というラストは衝撃。「このラストのために描かれた漫画だったの?」と急に全体の見方も変わっちゃいました。

○衣装○
三つ子やショナ、女性化したセツなどの白い衣装はなかなか素敵。
全体には、やはりバラついたものは感じましたが。
ベンジャミン(ジミー)には、もう一工夫ほしかったでしょうか。
特にカツラが(苦笑)。 金髪は似合わない気もするが、さすがに色は譲れなかったのでしょうか。
女性化の前後でも、時間を置く割には、あまり変化なかったんですよね。
「これじゃアートもすぐにジミーだと分かるなぁ」なんて。
人間化したあとは、なぜか三つ編みにカーディガンと、昔の女学生風。ううむ。
Wセツの女性化は予想を超えて、美しかったです。舟見さんは金髪のおかっぱが、芳樹さんは茶髪のセミロングが、合っていました。芳樹さんは最初は金髪だったのを変更したそうですね。
個人的には、カフェに出入りする女性人魚たちの衣装がお気に入りでした。 色とりどり、飾りがいっぱいついて、演じる役者さんたち意外にお似合い。


○美術・演出○
月によく合うような淡い色使いでのふんわり感。ただ、何だか安っぽいというか、素人くさく感じるところも。特にNY場面は、「ここはNYなんだ」と思わせるようにしっかり描いてあってほしかった。
中央にしかれた、丸い緑色の盤は何のために?舞台の中心はあまり使用されなかったから、余計に用途がはっきりしませんでした。舞台を両端、真ん中、と3つに 分断して使うためのものだったのかな。 あまり調和されてなくて、バラついたものも感じました。映像が使われていたけど、あまり印象に残っていないようです。
女性化したセツのフライングなんかは、効果的に感じました。
○作・演出○
3時間は長いものの、最後まで飽きるところはありませんでした。ただ セリフやエピソードが忠実なのに、上手く抽出できていなかったり、つなぎ目が見える部分があって、ダイジェスト版のように感じられたところが、残念。
原作があまりすきじゃない、といっても、ラストに示唆された 「どっちが夢か分からない。でも現実には奇跡など起こってない」という 部分だけは、泣けてすきだったのです。
ところが、舞台ではそのラストだけは完全に省いてあったんですよね(苦笑)。 「人魚姫のハッピーエンド版」にしたいのなら、実際に起こった事件を使うというのも、変更した方がよかったかもしれません。 分かりにくい終わり方であるので、少し不思議な感じもしました。
人の乗った台が袖から出たり入ったりしすぎていたかなぁ。
広い舞台の真ん中は空きがちで、両端がたくさん使われる印象。

○公演ごと○

<2日ソワレ(Nキャスト)> 5列目左ブロック

前の端っこで音源にも近い見辛い席でした。そして期待しすぎていたせいか 「あらら」という間に3時間が過ぎていってしまいました。 今回初めて先に原作を読んでいて、その印象が強くて素直に見られなかったというのもあるかもしれません。
特に原作はかなり絵がキレイだから…。折角だからもっと工夫がほしい!と。
人の気持ちも伝わってきにくく、全体の美しさも分かりにくく、もったいなくも いまひとつ入り込めなかったのですね。

一番楽しみにしていた及川ジミー(ベンジャミン)。演技はよかったです。アートがだいすきでいつも真剣な感じが可愛らしくて。
笠原ギル、曽世ショナはカッコいい!声がよく響いて上手で華やか。 曽世さんは舞台で初めて観ました。開幕前インタビューで「美しく見えなきゃいけない役なんだけど、大丈夫か俺」 などと発言されてたようですが、十分栄えていました。白い衣装が似合ってよかったです。
何より山本セツのキレイさには驚きでした。女性化前はいかにも病弱で繊細な感じ。女性化してからは やはりダンスされてるからか動きがふわ~として線が細くて。セツとの場面がよくて、魅入られました。



<3日マチネ(Sキャスト)> 22列目左ブロック

後半だけどセンターよりの席で、観やすかったです。昨日の場所では美しさや感動が 伝わってきにくかったのだと分かりました。
後ろの方が目も首も疲れにくいし、ドラマシティ規模の「後半センターブロック席」は
前の端っこよりは、いい席なのかもしれません。
昨日だけなら「いまいちだった」という感想で終わったでしょう。
 それでベンジャミン女性化前のシーンがとっても美しく見えたんです。 じん、とくるほどに。フライングシーンもきれいでした。昨日はそれらも「ん?」だったのに。 どこに座ってもよさが分かるように作ってほしいです。じゃなければもったいない。

 キャストもNの方がなぜかまとまって見えました。私の中で豪華なのはSの方なのに。
 客演の伊藤さんのセリフは、笠原さん程なめらか口調ではないけれど、元のギルと
ティルト取りつき後で声色を変えたところがよかったです。
役者さんが役に合わせて声色をガラっと変えたら何やら感動しませんか。
伊藤さんの場合は「ガラっと」という程ではありませんでしたが
Lifeの舞台ではこれまであまり見なかったため、それが素敵でした。

何より舟見さんのセツがよかったです。「舟見さんがそんなに美しくなるかな?」
(ごめんなさい)と思ってたらば、何とキレイな。
山本さんのようなダンス的美しさとはまた違い、たおやか~でキレイでしたね。
金髪のかつらもよく似合っていて。気持ちもとてもよく伝わってきて泣けました。

昨日は一滴も泣けてないのに、今回はジミーとアート、ショナとセツの場面で本当に泣けました。
席のせいか、キャストのせいか。両方観られてよかったです。



<4日マチネ(Nキャスト)> 10列目右ブロック

 昨日がなかなかよかったんで「またSキャストが観られる。今度は感動するかもしれない」 と期待を込めてやってまいりました。2日の感想のまま終わるのは哀しかったんで、挽回なるでしょうか。

 席はやはり3日が一番よかったようです。「ああ、今日も昨日の席で観たかった!」と思いました。 今日は10列目上手ブロック。ベンジャミン女性化直前シーンが心底美しく見えたのは、昨日だけでした。あの感動をもっかい 味わいたかったものを。

 しかし楽日は役者さんがハジケて面白いですね。客席もノリがよく(特に前半席)驚くことさえ。
 笠原さんのピースには笑えましたよ。昨日おとついと「この場面唐突なロシア語がちょっとオカシイ…」とぼんやり思ってた ためますます笑えました。山サキさんの「アイタ…」なんかも。 リタ、パワーアップしてましたね。石飛さんのリタに迫るほど。深山さんのは「え?何でこんなに爆笑が。前と違ったっけ?」と 笑いの大きさの方にビックリしちゃいました(汗)千秋楽がゆえでしょうか。

 笠原さんは人々が口々に言うように(?)姿形が素敵。トーマの時は「笠原さんカッコいい」という人がいても ピンときてなかったんですけど…。次に見たのが「DAISY」でしたし(笑)今回は「うわぁ~」と思いました。本当に姿うつりのいい。 声もなめらかで通りがいいし。前半終わりの悪そうな声が特によかった。ギルとリタの最期も2日より伝わって泣けました。

一番感動的でキレイだったのは、やはり山本セツ!2日はマヌケにも「天使」のフライングがセツだと気付いてなくて しっかり見てませんでした。今日は最初から「あれはセツ」と心してたので、動きのキレイさがしっかり見えました。 山本セツは女性化前から、喋り方も動きもなよなよっとして時に面白かったですけど、 女性化してからはキレイ以外の何でもないです。そういえば山本さんの女性役初めて見ました。
Nキャストでバーのお客もやってたんですね。奥田さん以外は誰か分かんなくて(他も何かと誰かわかんない人多数)。 パンフの写真で知って、すごくかわいいのにびっくり。特殊な化粧もせずあんなにかわいく見えるのですか。表情と仕種ゆえでしょうか。
ひきしまってスタイルがいいからか、派手で可愛い服もも意外に似合う人が多いのに驚きました。

「3回観てよかった…」と思ったのはセツがショナの最期「死ぬなー!」ではなく「ショナー!」と 言っていたと気付いたことでした。「セツにしては勇ましい口調」と驚いてたら。 その前に、やはり姿に不似合いな低い声で警備員(?)を追い払ってたもんで尚勘違いしてました。
マヌケなもんで、まだ誤解してるとこありそうです。

 カーテンコールも楽しかったです。岩崎アートに置いてかれた及川ベンジャミンが男に戻って?怒ってみせてたのが 一番ウケました。
Nキャストももう一回観たかったです。一番感動できて泣けたのは やはり2日目Nキャストでした。
朝はフラフラだったんですけど、終わって帰ってきたら却って元気になってました。



<大阪イベント>

初イベント参加でした。お客さんは7割くらい埋まってたでしょうか。席は4列目真ん中ブロック。

公演期間中にイベントまでするっていうのは大変でしょうね。まだ広島公演も控えている訳だし。
「役者さんも体力きつくてそう濃い内容にはならないだろうし、お金もいるし、4日連続して大阪に通うのも大変そう」と 思いつつ、「大阪かつ行ける日時」ときたら、どうしても避ける訳にもいかず(?)「1回参加してみよう」っていう 具合で行ってみました。

笠原さんと曽世さんはいつも司会なんでしょうか。つつがなく進行されていく中、他の役者さんはおとなしめ。 特にジュニア1の3人さんあまり喋らず。及川さんはそれでも始終にこにこしてましたが、山本さんは腰痛らしく、 始終腰を押さえて辛そう。客演の伊藤さんが盛り上げるために助太刀を。

山本さん作詞「人魚3兄弟」。「1番上は凶暴、一番下はノーテンキ、間に挟まれ虚弱」そういえば確かにそうだ(笑)何てきょうだいでしょう。
「セツは"ぼくは死なない"と言った直後に死ぬ」っていうのもそうですよね。観ながら内心思ってましたけど。

「月の子」裏話で一番驚いたのが、マフラーでした。アートがロシアで巻いてたマフラー、かわいいな~と思っていたんです。 それが石飛さんが自分用に編んだものだったとは!すごいな。

団員さん達の外部出演を見てたら、感慨深くなりました。もっと濃ゆい劇団の役者さん達の方が、普通の役で使われやすいのかな? と思いました。どのみち「あんなに上手い人が映像じゃこんなちょい役か!」ということが多いですけど。

 握手会、とんまな私はほとんどうつむいて過ぎちゃいました。後から「そういえば顔見てもよかったのに」と気付きました。 声かける余裕なんぞは全くありませんでした。
ただ及川さんのお顔だけは見ました。「ありがとうございます!」って声が元気で、びっくりして顔上げたら、目を 見てくれておりすごい笑顔。及川さんの座右の銘が「笑う角には福きたる」だったことを思い出しました。 「ふわー1人1人にこの態度、すごいなー」と感激したけど、何よりも
及川さん…めちゃくちゃ細い!顔パーツと皮しかないよ!ちゃんと食べてますか?
とか心配になっちゃいました。
岩崎さんと高根さんはイメージどうりそっけない握手が印象的で(いえいいんですよ)
山本さんはもったいなくも何ら記憶がありません。他の役者さんはぼんやりとは覚えているのに。
伊藤さんはすごく丁寧な握手だったんではっきりと覚えてます。


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