温故知新

2009.04.23
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給食の時間、いつも通り教室に入ったら子どもたちが寄ってきた。

いつも、私が行くと寄ってくる傾向にはあった。
「ねー、せんせー、ここいたい」
「ねーねー、きょうはいつもとちがうくつしたなんだよ~」
「としょしつはあさはつかえるの?」
などなど。
まだ、20代半ばか後半程度の若い女性担任がいっぱいいっぱいになってクラスを運営している分、私が彼らから「せんせー」と呼ばれ、話し相手やガス抜きになっている。
感謝してほしいくらいだ、全く。

が、この日はいつもと違っていた。

「わたしがいっしょにかえろ、っていったのにヤだっていった」

そろそろ限界なのだろうか。

でも、私がいてやれることはもう終わった、と確信している。
大体の流れは確認したし、本人も自分でできる、と言っている。
私がいれば確かに暴走はしないだろう。
が、私がいて小学校生活を送れたとして、それが何になるというのだろう。

私がいれば友だちだって手をだしてこない。
私が睨んでいれば、授業にも集中せざるをえない。
だから、何だっていうのだ。
いつまでも私がいてあげられるわけではない。
あの子ほどの障碍では福祉も守ってはくれない。


自分の力で人と接し、空気を感じ、言葉を選び、葛藤して社会生活を学ばなければ。
小学校でそれを学ばなければ、いつそれが学べるというのだ。
大人になってからでは許されないことも、まだ許してもらえる、この時期でなければ。
そのためには、特別支援学級でもいい、聾学校に転校したっていいだろう。

もし、学校が再び授業の付添いを要求してきたとしたら、私は別の手を提案しよう。

そんな元気も私にはない。






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Last updated  2009.05.02 12:56:02
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