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これは、ある男の子と僕との物語。
誤解のないように、述べておきますが、
僕は彼が大好きです。
それがあったから、この物語は存在したのです。
彼は、ある年の春、4月にやって来た。
入塾の3者面談では、僕の質問に対しても、
「はい!」
気持ちの良い返事をする。
このとき、この返事がとんでもないことへの入り口だったことを、
僕は知る由もなかった。
歳の割には、精神的に少し幼いという印象だった。
しかし、それは不快なものではなく、
彼自身の独特な雰囲気。
それについて、お母さんは、
「 いつも、癒されます。 」と言っていた。
僕も、わかるような気がした。
そして、最初の授業。
「 はい、じゃぁ、みんな、英語のノート出してぇ~!」
彼は、ずっと、僕の顔を見ている。
「 英語のノート出してぇ。」
・・・・・・・。 無言のまま、じっと僕を見ている。
「 忘れたの?」
「 はい!」
うん、とても、歯切れの良い、気持ちのいい返事だ!
って、歯切れの良さを
使う場面じゃないだろぉ~~~~!
まぁ、初めてだからな、うん、ソフトに、ソフトに。
「 そうかぁ、じゃぁ、今日は、この紙に書いてください。
あと、よく聞いてくれよぉ。
自分が忘れ物をしたとき、元気よく笑顔で 「はい!」は、
あまり反省してないように思われちゃうぞ~。
来週は、必ず、持ってきてくれよ。」
このとき、僕は後でやってくる衝撃を、
少し予感していたのかもしれません。
そして、翌週の授業。
「 は~い、先週、言っておいたように、宿題してきたか~?
先生の宿題は、ただやってくるだけじゃダメだって言ったよねぇ。
先生と勉強したことが、自分でできるように勉強する。
それが宿題だって言ったよなぁ?
先週の授業の確認する小テストするよ~。
黒板に問題かくから、答えはノートに書いてねぇ。」
また、彼は僕の顔をじっと見ている。
も、もしかして・・・。
「 あらっ、また忘れたのか?」
「 はい!」
うっ!
ま、また元気よく歯切れの良い返事~!
「 先週、先生の言ったこと覚えてる?
2回目だぞ。 1回目は許してもらえても、
2回目からはそうはいかないよ。
すごく残念だ。 次も同じだったら、今度は、本当に怒るよ。
いいね。 この紙に書きな。 さぁ、問題やってみて!」
彼は、問題は書いているが、1問もできない。
10分たっても、全くできない。
「 家で、勉強してきたの?」
「 いいえ、してません!」
ガビーーン!!
しかもまた、歯切れの良い返事じゃねぇかぁー!
や、やばい、やばすぎる!
自分のこの状況が、自分にどんな影響を及ぼすのか、
他人にどんな印象を与えるのか、
全くわかっていないんだぁ。
幼い、幼すぎるんだ。
お母さんも、「癒される」って言ってるし~!
やばい、やばすぎる!
お母さん!このまま放っておけば、
癒されるどころか、
悲しい涙を流すことになりますぞ~!!
ここから、教師である僕の闘いが始まったのであります。
つづく・・・。
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