If she were here, I should be happy. (彼女がもしここにいれば、嬉しいでしょうに) If I had worked harder, I should be a collage student now. (もっと一生懸命勉強していたら、私はいま大学生だろうに)
と、これは今まで説明してきた仮定法そのままですが、このようにいつも きちんと最後まで言い切る場合だけとは限りませんね。人間の言葉です から、半分だけ言ってあとは気持ちが通じてしまえば、あとは言わなくても よい事もあります。例えは if の節だけ残して、バッサリ消してしまうと、
if she were here! (彼女がここにいれば!) If I had worked harder! (もっと一生懸命働いておけば!)
と、残った文だけでも意味が通じますよね。 この気持ちの部分だけを伝えるのが、願望を表す wish なのです。 動詞の形は明らかに仮定法と同じですね。従って、願望を表すときも同 様に、 I wish の後が「あの時・・・だったらなぁ」という過去の事であったら、 「過去完了(had+p.p.)」がきて、「今・・・だったらなぁ」という現在の事で あったら、「過去形」がきます。ここまでは全く仮定法と同じです。ただ唯一 違うのは、未来の願望は、別に妄想度に応じて場合わけをする必要もなく 「今後・・・であってくれればいいなぁ」という一点の願望なので、通例 will ~の過去、would ~ を使います。 「彼がもうじき来てくれればいいなぁ」と言うときは、 I wish he would come very soon. となります。
さて、例題に戻ります。「彼の名前を知らなかったのは残念だ」ということ は、「今から考えて、あの時、彼の名前を知っていたら良かったのに」といっ ているわけですから、 I wish I had known his name. となりますね。
had+p.p. (過去への願望) I wish ・・・・ 過去形 (現在への願望) would ~ (未来への願望)
これで、過去の失敗についての女々しい後悔から現在・未来に明らかに 実現しがたい願望まで言うことができます。 I wish I were a bird and could fly to her. (僕が鳥で彼女のところへ飛んでいけると良いのになぁ) なんていうのも手軽にいえます。 人間は「後悔と妄想」、失礼しました「反省と希望・夢」が大事です。 ぜひ、心の中で毎日つぶやいて表現の練習をしましょう。