お勉強をしていきましょう。なぜ突然、may well なのかというと、この ような熟語の応用が出来るかどうかが、本質的に英語を分かっている かそうでないか、上級者かそうでないか、の分岐点だからです。
熟語を単にその日本語訳で覚えてしまい、 give up ~ あきらめる have to ~ をしなくてはならない、のように訳を覚えて「はい終わり!」 と思ってはいませんか?その調子で may well も確か、「~するのも もっともだ」とか「~するのも当然だ」というように覚えていませんか。 その訳を思い出しただけまだ良いのですが、それだけでは△ですね。 例えば、
She may as well start at once.
とあったら、 may as well ~ = had better ~ 「~する方が良い」と いう公式を思い出して、「彼女はすぐ出かける方が良い」とする。 そういう訳では△ということなのです。特に記憶力の良い方は気をつけ て下さい。そのやり方ではいくつ熟語を覚えても足りません。 私のように記憶力の悪い(笑)人は、筋道を立てて、素直に考えてい く練習をして、頭の中でイメージできるようにしましょう。
例題:各文が同じ意味になるように空所に適語を入れてください。 (a) She may well say so. (b) She has good (___) to say so. (c) She says so, and well she (___). (d) It is quite (___) for her to say so.
これを考えるに当たって、She may say so. という基本文を考えます。 「彼女はそう言うかもしれない」もしくは「言ってもよろしい」という意味です。 これは全員OKですね。次が(a)の she may [well] say so. となる訳です。 これを基本文の後ろに、「ただ well がついただけ」という感じ方をしましょ う。つまりただ「彼女はそう言ってもよろしい」というだけではなくて、それ に well がついた分だけ、「彼女はそう言っても十分よろしい」という感覚に なります。 She may well say so. = She has good reason to say so. = She has every reason to say so. と書き換えられます。その心は、十分よろしい→そういうだけの理由が 十分ある=そういうだけのありとあらゆる理由を持っている、every reason だから、どこをどうみても当然、という感じですね。
(c) は、well を強めた倒置形で、
She says so, and well she may. (○)
彼女がそういうのは当然だよ、の意です。(d) は、It is と書き直せときたら、 ここの形容詞は「当然」という意味で、
It is quite natural for her to say so. (○) It is quite natural that she [should] say so.
となります。 She may say so. に well を付けて強めているのですから、 「彼女は十分そう言ってもよろしい」「言って当然だよ」となるわけです。
結局意味は同じじゃないか!なんで、単に may well を決まり文句として 「~するのももっともだ」と覚えてはいけないのかというと、そういう風に覚えて いる人には出来ない問題を出そうと思えば、コロコロ間違えるからです(笑)。
まず、may well と書いてあるところを、ちょっと味付けして(笑) very well とか quite well とかしておくと、それだけで「あれっ?」となる人が出てきます。 well も very well も quite well も大した違いではありません。「もう本当に 十分そう言ってもよろしい」と言っているだけです。
また、入試でも TOEIC でも TOEFL でも何でも良いのですが、
She may naturally say so. She may reasonably say so. She may justly say so. She may rightly say so.
なんていうと、ますます分からなくなる人が増えます。may well だけを1つの 日本語訳として「するのももっともだ」とすると、上のような文との関連が切れて しまうのです。 これらは may の後に、 well (十分に)ではなく、naturally (当然ながら)、 reasonably (理にかなって)、justly (正当に)、rightly (公正に)などという 副詞が添えられて出来た発展形に過ぎません。だからこれらの類の副詞が、 may の後に出てきたら、may の気持ちを強めているなぁ、と感じれば○なの です。これが、may well = もっともだ、とだけを覚えてはいけない理由です。 あくまでも、may の後に強調の副詞としてただ well が来ただけです。 そして、 You might reasonably suspect his flirtation. (あなたが彼の浮気を疑うのも無理はないだろうね)
のように、may well に仮定の気持ちが加わればmight に変化します。 (また仮定法が出てきましたね)、もうこうなると、may well = もっともだ、 の公式は何の威力も発揮しません。