その 4


いたそうです。 医者も“こんなに少ない血小板は初めてです”
とびっくりしていたほどです。

彼は3ヶ月入院しました。 3ヶ月の入院って長いですよね。
入院中したことは、薬で血小板の数値を上げるという事が
主だったようです。 彼の症状は原因がわからず、手術が必要
だったわけでも、特別な食事療法が必要だったわけでもありま
せん。 ただ、安静にして薬を飲み、血小板数値が安定するのを
待つということだけでした。

3ヶ月が過ぎ、血小板もとりあえず落ち着いたようなので、退院
しましょうということになりました。

医者は、念のため、もう少し詳しく血液の検査をしておきましょう、
と言いました。

そこで判明したことは、弟は染色体異常があるということでした。
普通、染色体は、男46XY、女46XX です。 弟は 47XXY
です。 これには名前がついていて、クラインフェルター症候群と
いいます。

クラインフェルター症候群の特徴は、

* 内気、積極性に欠ける
* 体型はひょろっとして細く、筋肉質でない
* 無感情で、消極的
* 繊細な自尊心
* 男っぽさに欠ける など。

この症候群は社会生活をする上でまったく問題はありません。 特徴
の一つに、学校のクラスでは良く出来る方でも、出来ない方でもなく
中間である、というのがあります。 それから、子供をつくるのは
難しいというのもあります。 もっとも、今はホルモン注射などで、
クラインフェルター症候群でも子供に恵まれる人はいるそうです。

よく考えると、弟はまったくこの通りなのです。

弟は退院の喜びと同時に、染色体異常の事実を知りショックだった
と思います。

入院中は、もちろん工場の仕事は休職となりました。 でも、良くな
ったら戻っておいで、とは言われていたそうです。 この頃から本格的
にひきこもりが始まりました。 始めは安静を理由に部屋にとじこもる
ことが多くなりました。 両親も病気だったんだからしょうがないだ
ろうと言う事で何も言わずにいたと思います。

そのうち、薬の副作用がではじめました。 これは入院中からもあった
ことですが、顔がはれぼったく、皮膚の部分部分がかゆいって言って
たかなあ。 かゆいからかいて、そこがただれはじめる。 健康に暮らして
いないから、そのただれが治るのも遅い。 耳などもかき過ぎて膿が
でてくる。 頭はかゆくてかくと、フケのような皮膚の破片が肩に落ちて
くる。

自分のそんな姿を人に見られたくない、イコール部屋に閉じこもるです。

耳のただれなども必要以上に気にしていたようです。 私ならそんな状態
で、外へ出て、人の変な視線を感じたら“見世物じゃねーんだよ”
の一言くらい言う勇気はあります。 もちろん弟は私とは違います。

この入院は確か、2001年だったと思います(もしかしたら2000
年かも) これ以来彼は今もひきこもりです。

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: