「バルトの楽園」


第一次世界大戦での戦いに敗れたドイツ兵は日本に送還され、
各地にある収容所に振り分けられます。
過酷な収容所生活に不安を募らせる捕虜達でしたが、
徳島県鳴門市の坂東俘虜収容所では松江所長の指導の下、
地元民と捕虜との融和を図るため
捕虜達に寛容な待遇を施していたのでした。
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上映時間134分と長い作品でしたが
どのシーンにも自然に引き込まれていく感じで
中だるみすることはなかったです★

ぢつに嘘っぽいヒゲを付けた(!)
マツケンこと松平 健さん主演です。

タイトルの“バルト”とは“ヒゲ”のこと。
一見違和感のある上向きヒゲですが
松江所長という人は実在の人物で、
実際本人もあんなヒゲを生やしていたそうです。
そして、物語の中でこのヒゲは彼自身のアイデンティティーを語る
重要なアイテムとなっているのです。

マツケン・・どんなもんかと思ってましたが
なかなか深く演じてはりました。
ドイツ人捕虜をはじめ、たくさんの人物が登場しますが
一人一人が魅力的でした。
脇を固める俳優陣が凄い!!
國村 準さんの流暢なドイツ語
(もともと喋れる訳ではないみたい)も驚きましたが
個人的に“凄いっ!”と思ったのは

市原 悦子さん。

登場シーン全部で5分ちょっとくらいしかないんですよ。
でも、すっげーー存在感(◎o◎)★

さすがです!

大杉 漣さんや勝野 洋さん等、
ちょい役でビッグネームがたくさん出演してます。

あ、美少年がお好きな方には
ドイツ人捕虜の中で収容所で出してる新聞の記者を演じている
コスティア・ウルマンくんがめちゃびゅーてぃほーです♪

この作品では実在した松江所長の懐の深さに胸を打たれました。
捕虜を同じ人間として扱う松江所長の信念である
「不条理なことをされても、人間としての誇りを持って生きる」
ということがあたたかな目線で描かれています。
ユーモアあり、涙あり・・
何度も心地よい感動の涙が流れ落ちました。
実に清々しい作品です。
カラヤン指揮による第九の音源も必聴★

おいらが観た回は年配客が多かったのですが
現代人が忘れがちな、良心・おもいやり・誠実さ・助け合いなどの
精神が描かれているので、若い世代こそ観るべきだと思いました。
エンドロールでは惜しみない拍手が鳴り響いていました。


おススメです(o^-')b


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